世界文化遺産&国宝巡りその1

て京都といえば、国宝、重要文化財の宝庫。日本を代表する神社仏閣が目白押し。更に、17件もの世界遺産があるという。全部見学しようと思えば、とても時間が足りない。

そこで、見学場所を東山と北山に分けて、まわることにしました。いつでも行く機会がある清水寺は避けることにしました。息子が行きたがっていた比叡山延暦寺はかわいそうだがこの時点でオミットです

まず訪れたのは、知恩院。浄土宗の総本山で宗祖の法然が過ごした場所。法然は若くして比叡山で修行を積み、「専修念仏」の思想にたどりつきます。念仏を唱え続けてさえいれば極楽往生できると説く法然によって多くの人々が救われたに違いありません。この三門は、日本の三大三門の中の一つで、国宝でもある貴重な建築物です。徳川家が浄土宗であっとことから、江戸時代はこの三門を建てるなど大切したそうな。この門のダイナミズムと建物の構造のきめ細やかさの二面性は見ていて本当に面白いですね。ここの梵鐘は17世紀に造られた日本を代表する大鐘で、NHKの「ゆくとしくるとし」でたびたび取り上げられているそうです。

国宝 知恩院の三門
次に訪れたのは、平安神宮。これは新しく明治になって、平安遷都1100年を記念して建てられたものです。平安時代後期の建築様式で建てられました。非常に地味な仏閣に対して、朱色を基調としたこの神社建築は派手です。この色は俗に魔除けなどの意味合いがあるそうですが、人を魅了する効果もあると思います。小学校の写生大会で神社に行った時、この朱に魅せられ夢中になって絵を描いた思い出がよみがえってきました。 平安神宮 近くにはジョッキーのTさんの豪邸もありました

更に東へと進み、南禅寺を訪れました。これは鎌倉時代に建てられた臨済宗の南禅寺派の総本山で、総本山にふさわしい風格を持った寺院でした。

まずは、この三門の壮大さに圧倒されました。この三門の2階に上がった石川五右衛門が桜風景を目の前にして、「絶景かな、絶景かな」と歌舞伎で演じられたのは、あまりに有名です。
南禅寺三門 京都の三大門の一つ

更に、この境内には、明治時代に建てられた水路閣というものがありました。これは琵琶湖の水を使って水力発電をするためのものでした。この水路閣を正面からみると面白く、今や京都を代表する景観スポットとなりました。

これが水路閣の土台 この上を琵琶湖から引いた水が流れています

近くに山名宗全の墓を偶然見つけました

さて、いよいよ息子が楽しみにしていた場所に行きました。銀閣のある慈照寺です。臨済宗相国寺派の寺院で、ご存じ室町幕府8代将軍足利義政によって建てられました。

この慈照寺が建てられた時代は応仁の乱で京都が戦乱で乱れていた時。そんな中、義政はこの場所で隠遁生活を営んでいました。

銀閣というくらいだから、銀が貼られていたかといえばそうではなく、黒漆で塗られています。また、祖父が建てた金閣に比べるとこじんまりとしていることがわかります。義政の趣向もあると思いますが、幕府の財政が厳しかったのではないかという推測もできますね。
待望の銀閣とご対面にご満悦のyasushi

慈照寺には、この銀閣の他に面白いものがたくさん見られます。

まず目を留めるのが、この向月台でしょう。これは江戸時代後期に、この台に月の光が当たって銀閣をきれいに映しだすように考えられ作られたものだそうです。更に大海原に見立てた銀沙灘が見事な造型美を形作っています。

向月台と銀沙灘そして銀閣

このあたりは、湧水が豊富で、この水を使って書画や茶の湯など義政は戦乱をよそに風流な生活を送っていたようです。

義政はこの湧き水で 書画や茶の湯を嗜んだという
また、この寺院は苔寺を模して造られたそうなので、いたるところに杉苔が自生していました。 杉苔がびっしり
銀閣はちょっとした裏山になっていて散歩するには丁度よい遊歩道があります。また、この遊歩道からは上から銀閣を眺めることもでき、箱庭の面白さが堪能できるでしょう。 この銀閣の屋根は柿葺きに竹の釘が打たれていたそうです

銀閣を後にした我々は、今度は西へと進路をとります。そうです。銀閣と並んで京都を代表する世界遺産鹿苑寺金閣です。

ここが鹿苑寺の入り口です

建てたのは、3代将軍足利義満。この金閣は金色に輝いて派手ですが、建物としてもとても面白いものです。1階は、質素な寝殿造り、2階は武家造り、3階は仏殿風にしてあり、一番上には鳳凰が乗っています。銀閣と同じく杮葺き(こけらぶき)で屋根が作られています。

こういう寺院に必ずと言っていいほどある庭園。その池は実は、そこに泥が入れられていて、わざと水が濁るように細工がしてあります。濁っていれば、水面に建物が映るというわけで、逆さになった金閣が楽しめるという具合です。

おーっ 教科書でみたのと同じだ

舎利殿から鹿苑寺内をしばらく歩くと、義満が育てていた盆栽が大きくなったと言われている陸舟(りくしゅう)の松に出会えました。樹齢600年ということですよね。

義満が育てていた盆栽がこんな成長しました

このあたりは紅葉が見事だとか 白蛇の塚
金閣は朝方美しいことで知られていますが、夕方も楽しめるようにと建てられたのがこの夕佳亭。茶室として利用されました。 夕佳亭 床柱は南天の木でできています

金閣の次は、近くにある石庭で有名な竜安寺に行くことにしました。ここの枯山水は室町時代を代表する文化遺産として教科書にも登場する超有名な寺。

入口を抜けると、なだらかな丘陵地に建てられた寺で植物が生い茂り、金閣とは雰囲気が異なります。
龍安寺の入り口

まずは方丈に入って、石庭を眺めます。思ったよりかなり小さい箱庭のような広さ。無造作に5箇所に置かれた15個の岩。水がないのに水を表現した枯山水の世界。

見ていると、本当に心がいやされますね。他の観光客の方々もじっとこの場を離れようとしません。みんな無になってこの枯山水に見入っています。

15個の岩ですが、どの方角から見ても14個しか見えないという不思議な配置。心の目で15個目をみようとみな身動き一つしない。なんとも不思議な世界でしたね。

この石庭で有名な龍安寺 もちろん世界遺産です

建物の裏にはガイドブックなどで有名な知足の蹲ばいがありました。茶の湯を始める前に、手を清めるためのもので、真ん中の口と合わせて(吾・唯・知・足)と読めるところが面白いですね。

知足の蹲(つく)ばい
建物から出ると比較的大きな池が現れます。これは鏡容池というもので、寺院を趣あるものにしてくれます。 龍安寺の鏡容池(きょうようち)
この池は水を排水することができるようにしてあります。水分(みくまり)石を見て、水かさを判断し、調節しているのだとか。 水分石が2つ並んでします 亀が歓迎してくれました

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