7/19蛙の子は蛙 水俣百間港

夏だ!ファミリーフィッシングだ!夏休み直前を迎えた我が息子やすしと本番を迎えたアジゴ釣りに出かけることにした。かあちゃんは、出方でいないので、父と子の水入らずの釣行だ。芦北の各防波堤にアジゴがつれだしたという7月19日(月)中潮。くしくもこの日は「海の日」であった。

「おいっ、父さんとアジゴ釣りに行く人?」「はーい!」家にいても教員ぐせが取れない私と、2年生らしい反応を見せるかわいい息子とのこの会話で釣行が決定。やすよ、お前は男の子で良かったね。釣りに行こうといってもほいほいついてくる。さあ、この子は一体いつまでお父ちゃんと魚釣りに行ってくれるのかな。今のうちかもね。

午前4時半に自宅を出発。5時半に芦北に到着。つり福のおばちゃんに情報をもらうことに。「平国か合串でしょうね。もしそこで釣れなかったら、てんぐやのいかだのところの防波堤に行ってみなっせ。」ねんのために、てんぐや釣具にも行って聞いてみたが、「平国か赤碕かな。」だった。ベン図の法則により、平国に行くことにした。

午前6時に到着。早くもファミリー、常連さんでにぎわっていた。よし、いくぞ!4号の白スキンのサビキしかけにアミとパン粉を混ぜたエサを撒きながら魚を寄せて釣り始めた。魚は見えるものの全く食わないではないか。イワシゴを何枚か上げた人がいたが、それ以外は全く竿が曲がる気配はなかった。常連さんが一人二人と消えていった。

「釣れないね。」とやす。やばい。魚釣りは釣れてこそ釣り。三つ子の魂百まで。魚釣りはつまらないというイメージがインプリンテイングされては大変。まったくやる気のない平国のお魚さんに見切りをつけ、赤崎に行くことにした。リアス式の海岸線を7、8分ほどドライブすると、赤崎港が見えてきた。後部座席の息子の行動を見ていたが、ポケモン人形と遊んでいた。魚釣りは半分ほどやる気を失っているようだった。ところが、赤碕港でも状況は同じようだった。釣り人の活性がまったくない。100メートル離れたこの地点からも釣れていないということが一目瞭然だった。

更に車を南に走らせ、水俣にいくことにした。早起きさせられたせいか、やすしはもう眠りについていた。水俣には、港がたくさんある。丸島、百間、明神、湯堂などチヌなどの魚影が濃く、魚種も豊富である。ここならどこか釣れるところがあるだろう。午前8時、まずは、釣りを始めるきっかけとなった百間港にお邪魔した。

2001年8月31日、初めてuenoさんとチヌ釣りに出かけたのがこの百間港である。親水公園のトイレのところで釣りを始めた。当たりがないので、午後からフェリー乗り場側の岸壁に移った。大潮だったと思う。午後3時ごろから沖に向かって潮がいき出した途端、なしのつぶてだった棒ウキが消しこみ始めた。20センチから25センチまでのメイタ(チヌの幼魚)が突然つれだしたのだ。めったにお目にかかれないチヌの入れ食いを体験した。uenoさんは24枚、初めての釣りにもかかわらず私も7枚(猫に1枚持って行かれたが)釣った。

これで、私の脳細胞は壊れた。竿から魚信が伝わると、脳内モルヒネのドーパミンがでるという条件反射がインプリンテイングされてしまったのだ。ここから、私の釣りバカ人生が始まった。蛙の子は蛙。わが息子も釣りバカの素質があるはずだ。私のDNAを受け継いでいるからには、ぜがひでも彼に釣らせなければならない。思い出の百間港は彼のデビューにとってふさわしい場所と思えたのだ。

さて、例の親水公園トイレ側の一番端にやってくると、2組のファミリーフィッシングの集団が見えた。小泉内閣の支持率のように急速にやる気を失っているやすを起こしてポイントに誘った。やる気を失っている子どもを再びやる気にさせるためには、釣らなければならない。これしかない。

隣のフアミリーを見ていると、入れ食いとはいかないものの、時々スズメダイを上げている。海を見ると、確かにスズメダイが縦横無尽にエサを追っておる。ここの魚はやる気があるようだ。しかし、アジはあまり見かけない。どこに行ったのだろう。手前に、スズメダイ、コッパグロ、アジゴ。その層の先に20センチはありそうな魚影が見え隠れする。コノシロだな。たくさんいるが、エサは追っていない。ただ横に行ったり来たりしているだけだ。私の経験では、このような魚の動きでは、魚は釣れたためしがない。上下、斜めと動き回る


思いでの百間港でのyasuくん

時は釣れる。地球温暖化の影響で40度近い気温で苦しんでいる東京。九州でも灼熱の太陽が人間を痛めつける。エサの量からして、10時過ぎまでが限界だろう。3投目に今日初めての獲物スズメダイが釣れた。がっかりするおとうちゃん。

しかし、喜ぶyasu。あまりにも喜んでいるので、ブクブクでバケツに魚を入れて生かしておき、簡易水族館を作るサービスを始めた。この作戦が良かったのか、息子はがぜんやる気になってきた。2匹、3匹とスズメダイを上げるとyasuの声が大きくなってきた。

満潮が9時過ぎ。潮がゆるやかに動き出すと隣のフアミリーが大きな魚を上げていた。コノシロだ。突然コノシロがつれだした。私の竿にもコノシロ第1号がかかる。大喜びのやす。いいぞ、とうちゃんはやるからね。すると、突然、置き竿にしていた、ダイコーの強豪1号がごとごと音を立てていた。あわてて竿を握ると遠矢グレの1ヒロ先にはコノシロがご用となっていた。

9時半を過ぎた頃から、コノシロの入れ食いが始まった。1投ごとに魚がかかっていく。やすにも竿を握らせ釣らせた。大喜びのやす。蛙の子は蛙。私と同じバラシの連続。良かった。何とか役目を果たしたぞ。23センチから30近いもので19枚ゲットしたところで、えさがなくなり、岸壁を水で洗い流して帰ることに。

時計を見たら、午前11時前。気温はおそらく40度近かっただろう。しかし、コノシロの入れ食いは、熱波を心地よい風に変えてくれたようだった。帰りの車の中ですやすや眠っているわが息子。どんな夢を見ているのだろう。家に帰ると、早速調理にかかった。uenoさんに6枚ほど


コノシロ入れ食い19枚

お裾分けした残りを初めての酢づけに挑戦。

@3枚におろす
A塩をふり冷蔵庫で2時間以上ねかせる
B酢で余分な塩を洗い流す
C酢につけて2日以上ねかせる。昆布、タカのツメ、砂糖をたっぷりと忘れずにね。色が白くなれば食べごろ
D身をできるだけ斜めにして薄く切る
Eしょうゆ、わさびをつけ熱いご飯の上にのせてさあめしあがれ。

我々のご先祖様の知恵って本当にすごいよね。「店に売ってあるみたいよ。」家のかあちゃんも絶賛だ。コノシロほど、酢につけるとまるで違う魚のように味が良くなる魚はないのではないのか。うーん、熱いご飯が食べたいね。日本人に生まれて良かったといつかどこかで聞いたコマーシャルを口にしながら次回の釣行に夢躍らせるのであった。

TOP BACK