10/10 秋の使者に会いに行こう 水俣百間港
10月9日〜11日は思いがけない3連休。中日の10日は村民体育祭だったが、度重なる台風の影響で中止に。忙しかった運動会シーズンも終わり、やすしの部屋の片づけ、洗濯、ゴミ出し、資源ゴミの分別など久しぶりに家の仕事をした。仕事一辺倒の生活はだめだとわかっていながら、中々家の仕事まで手が回らない。
その親の姿を見てか、我が息子のyasuの整理整頓の能力は非常に厳しいようだ。このままだと、もし彼が親元を離れて1人住まいをするとなると、部屋がゴミ収集所になるのは目に見えている。今日の彼の部屋は目を疑いたくなる有様だった。当然、彼の部屋の荒れ具合に比例して、うちの母ちゃんの機嫌が悪くなる。朝から、yasuは母ちゃんに怒られっぱなし。せっかくの休みなのに、アドレナリンばかりが放出されていた。これは、父ちゃんとして何かしなくては。思いつくのは、釣りバカらしい選択だった。「母ちゃん、水俣までドライブに行かない?」すぐに、私の意図を見抜く母ちゃん。何とか説き伏せて釣行にこぎつけた。
家族で買い物をしながら、釣りナビを見ていると、クラブ釣りナビの釣果情報が「水俣市百間港フェリー乗り場横 太刀魚指3本〜5本を16匹、ハリチヌ四号ハリス五号 タナ2ヒロ、餌はキビナゴ。明かりがあるところならばどこでもOK。竿先に乗った感じで合わせるのがコツ。」と語りかけてきた。この画面を見た途端に私の釣りバカのスイッチが入ってしまったのだ。この三連休は釣りに行かないときめていて、上野さんのだいわ観光行きの誘いを断っていたというのに。私の押しに屈した母ちゃんは突然のファミリーフィッシングにとまどっていたが、ついてきてくれた。
上り中潮最終日、満潮はいいことに午後6時過ぎ。うまい人が16匹釣れるなら、初めての自分も釣れるかも。午後5時20分に自宅を出発。芦北経由でてんぐや釣具店で餌を買い、午後6時40分に水俣百間港に到着。すでにとっぷりと日が暮れたフェリー乗り場には誰もいない。どこかな?とさがしていると、フェリー乗り場の隣の広い岸壁にいるいる。外灯に照らされたのは、無数の人影と、いろいろな種類の車。岸壁から数十メートル先には、赤いほのかな光がゆれていた。もうすでに先客で満員御礼。百間港岸壁は押し殺した空気ながら、それはまるで、サッカーのスタジアムのような熱気に包まれていた。
どこか空いている場所はないかと探していると、親水公園側の一番端がうまいことに空いていたのでそこに車をつけた。ここは私が初めて水俣港で釣りをした思い出の場所ではないか。両隣に挨拶をして、早速仕掛け作りに入った。4号の遠投竿に、道糸8号に1号の棒ウキタイプの電気ウキ。ハリス5号に太刀魚のワイヤー仕掛けを、更に太刀魚集魚ルミコをつけてトライした。餌は冷凍キビナゴ。10分足らずで2本の仕掛けが完成。

太刀魚フィーバーでにぎわう百間港
仕掛けを作っていると、隣のオジサンがタチウオを釣り上げていた。はやる気持ちを抑えながら第1投。浮き下は2ヒロから。電気ウキのようすから、潮はフェリー乗り場側へと速く動いていた。その潮が一瞬緩んだと思いきや、私の竿の先にゆれていた電気ウキが、不規則な揺れの後、ゆっくりと消し込まれていった。2本バリのワイヤー仕掛けなのでじっくりと食い込ませてから合わせようと唇をなめながらあわせのタイミングを計っていると、竿先にぐぐっと当たりが伝わってきた。そこで、食いが渋いときのクロ釣りのようにゆっくりスピニングリールを巻きながら合わせた。すると、ぐっと心地よい重量感が竿全体に広がった。慎重に手前に寄せて振り上げると見事なサーベルフィッシュがあがってきた。
外灯で銀色に輝く刃のような、そして、まるで大空に舞う竜のような3次曲線の軌跡を描いて彼は我々の前に姿を見せた。美しい姿とは裏腹にあごを突き出した鋭利な歯を持つ顔。美しい姿とどう猛な顔を持つという矛盾をはらんだ魚。果てしない海を泳ぎ、大空を舞ってやってきた使者は我々家族に秋の本格シーズンの到来を告げてくれたのだった。
「やった。釣れたね。」大喜びの息子。「僕が釣ったんだよ。」タチウオ釣りはとても楽ちんだ。仕掛けを遠投すれば、あとは、当たりがくるまで置き竿にして待てばいいからだ。だから、竿を握っていただけでも釣ったという実感を味わわせることができる。
時計を見ると午後7時15分。半信半疑だったので、この1匹で言い出しっぺの私はプレッシャーから解放された。「これでいつやめてもいいね。」と声をかけてきた妻の竿にも当たりが来た。振りあげると私のより型のいいやつがあがってきた。「お父さんとお母さんこれで1対1だね。」いつのまにか家族釣り大会になっていた。3本目は母ちゃんの竿に。だんだん型がよくなるように感じた。今度は、私。これで2対2。午後も8時を過ぎると当たりが遠のいていった。もう帰ろうかと思ったところへ再びウキの消し込みが。慎重に合わせると一番大きなサイズが大空を舞っていった。「お父さんの勝ち。」我が家のかわいい審判が釣り大会の閉会を宣言。
8時半に釣りを終えて百間港を後にした。釣果は、2時間足らずで指3本〜4本サイズを5本。おみやげには充分。かかった費用も餌の冷凍キビナゴが500円。タチウオ仕掛けが240円。電気ウキが500円、電池が250円とお母ちゃんも納得の超リーズナブルな結果となった。タチウオは毎年10月のこの時期には回遊してくるとのこと。アジ子が多いときは、アジ子の泳がせ釣りがいいそうだ。11月中旬くらいまで楽しめると、隣のオジサンが教えてくれた。こんな釣りもたまにはいいね。タチウオという秋の使者は我々家族に季節の便りだけでなく、幸せな時をプレゼントしてくれたのだった。

2時間弱でこんだけ釣れました

タチウオのフルコース最高!
