11/3 イスズミに挑む 手打

1 イスズミに挑む
クロ釣り師にとって最大の難敵は、イスズミではないだろうか。スズキ目イスズミ科、標準和名イスズミ。我々磯釣り師が、冬磯で目の色を変えて追い続ける魚、クロ、オナガも実はイスズミ科なのだ。日本の中部以南の浅場の岩礁地帯には、どこにでもいるポピュラーな魚だ。

ところが、磯釣り師の間では最も嫌われる魚として君臨している。一つは、クロ釣りの外道だからだ。クロとほぼ同じようなところにいて、クロを釣りたいのに先に餌を食ってしまう。引き味もすぐにそれとわかる竿叩き。クロの引きは一直線に足下につっこむ華麗な引きなのだが。更に釣り上げると必ずといっていいほど、うんこをたれる。歯も結構鋭いのでハリスを傷つけて、またハリを結び直さなければならない。イスズミが掛かったとわかると「でたあ」とがっかりさせられる。

イスズミ自身には当然責任はなく、人間が勝手に嫌っているので、かれらにとって迷惑な話かもしれない。もう一つの理由は、食べてまずいという点である。磯釣りを始めた頃、甑の里で40オーバーのイスズミを持って帰ったことがあった。しかし、あまりの磯臭さのために食べるのを断念した。

イスズミには食べて美味しいという種があると話に聞いたことがあるが、一般的にまずいというのが定説である。外道でも、例えばシマアジのように美味しい魚なら喜ばれるが、まずいでは食べる楽しみをもつ磯釣り師に嫌われても仕方がない。(ある地方では、正月にイスズミのみそ漬けを食べる習慣があるそうだが)多くの釣り師に嫌われているせいか、地方名も多い。

東京では、「金七」「ささよ」「はとうお」。和歌山では「あさべ」「きっとお」。高知では「きつ」「きつねうお」。宮崎では「しつお」「ひつお」と呼ばれている。一番ひどい名前は、関西の「ばばたれ」かな。「ばば」とは当然糞のことである。ここまで嫌われている魚も珍しいのではないだろうか。

イスズミは水温の高いところを好み、離島では季節を問わず最も幅をきかせている魚と言っていいだろう。鹿児島の枕崎に釣りに行ったときも、渡船に同乗したおっさんからこういうアドバイスをもらったものだ。「イスズミを10匹釣って、1匹クロを釣るつもりでやんなさいな。」イスズミが高活性のときは、本当にお手上げだ。

硫黄島での真夏の夜釣りで、昼の時間帯に例えばオキアミでフカセ釣りをしたらどうなるか。そう、磯釣りをしたことがあるひとなら容易に想像がつくはず。5月に試してみたが、あっという間に付け餌はイスズミの餌食になった。そして、撒き餌に群がるおびただしい数のイスズミを見て「失礼しました。」と言うほかなかったのであった。

思い出した。1昨年の11月3日に中甑鹿島で、イスズミの猛攻でなすすべなくボウズ食らったっけ。瀬際でも、遠投でもだめ。朝だなも竿2本以上の深ダナでもだめだった。いつかはこのイスズミに挑んでみたいと、イスズミをかわして本命のクロをつり上げてみたいと考えていた。奇しくも、一昨年と同じ11月3日にuenoさんと休みが一致。近場で、例えば、最大で30cmのクロが20枚〜50枚釣れているという水俣の恋路島という手もあったが、ここはやはりイスズミをどのようにかわしてクロを釣るかという命題に挑戦しよう。手打に行きたがっていたuenoさんの希望通り、Fナポレオン隼に予約を入れた。情報によると、水温は23°〜24°と若干高めで、「瀬によってムラがありますね。」という船長さんの言葉からも今回は厳しい釣りになりそうだ。12時出航の予定だったが、「11時に来れる?」と船長。思わず、「はい。」と言ってしまった。相変わらず出航が早いなあ。

2 アクシデント発生

ナポレオン隼船内 釣り人の異様な熱気が

11月3日、大潮周り。南東の風のち西の風、そよ風程度で問題なし。降水確率50%。ここ数日間の暖かい東向きの風で波は1m〜1.5mでべた凪。晴天でないことはクロ釣りに好都合だが、波気がないのが心配だ。サラシを好むクロがはたして付け餌を喰ってくれるかどうか。

11時に出航だから、午後9時ごろ人吉を出発。九州自動車道を南へ下り、南九州自動車道に入り、市来インターで国道3号線に。ナポレオン隼の待つ串木野港に午後11時2分に到着。もうすでに釣り客全員が船に乗り込んで戦闘態勢に入っている。目はみなぎらぎらしている。磯釣りの中で一番幸せなときかもしれない。みんないい年こいたおっさんばかりだが、心は少年の日の思い出の中に遊んでいるようだった。

すばやい動作で戦闘服に着替え、荷物を船に積み込んだ。「kamataさん、後ろの下に寝てください。奥さんが寝る場所を促してくれた。大人がしゃがんでやっと入ることができる入り口をくぐって1メートルほどの高さの天井のある下の段におじゃました。丁度今はもう珍しくなった夜行のB寝台車のような二段ベッドの下の段という感じだ。そこにはすでに2名の磯釣り師が、死んだように寝ている。しかし、体からはオーラを放っていた。きっと体中をアドレナリンが駆けめぐっているに違いない。

我々が横になるとすぐに船は港を離れた。みんな釣りのために体を十分に休めたいのだが、中々寝付けないようだった。眠らなくちゃと焦れば焦るほど目はらんらんとするのであった。寝息もたたない釣り人の異様な熱気を感じながら、ひたすら時がくるのをまった。船の揺れ方でいま甑列島のどの辺りを進んでいるか想像できるようになった。

べた凪の海況なのに、甑列島と九州との水道付近にさしかかると結構揺れた。潮が速いんだな。そんなことを想像していると船はエンジンを低速に切り替えた。時計を見ると、串木野港を離れてから2時間後の午前1時頃だった。船室から外を見ると、ぼんやりとした明かりの中に港が見えた。手打港らしい。おかしいな普通は直接瀬につけるのに。どうやら常連さんが手打港で氷を買うことが理由らしかった。手打港で氷が手にはいるとは知らなかった。

船は再びエンジンを高速にいよいよ手打のフィールドだ。例によって西向きに進路を取り、A級ポイントのオサン瀬方面へと進んでいった。そして、「○○さん」と奥さんが釣り客を呼んだ。磯釣り師をまつステージに到着したらしい。船の窓枠からライトアップされた岩膚が圧倒的な存在感を見せている。隣のおじさんに「ここは中のオサン瀬ですか。」と尋ねたが、「わしは、船釣りだからポイントはようわからん。」と返ってきた。このおじさんはこれから始まる自分の釣りにテンションを高めている途中だったようだ。じゃましちゃ悪いと、我々は後らしいから中で休んで待つことにした。

中のオサン瀬の船付けに3人の上物師をさらに西向きに進んで、今度は石鯛のポイントに2名の底物師をのせた。「黒瀬に乗せられるのでは。」と複雑な心境で声が掛かるのを待ってたが、船は予想外の西向きの進路を取りいつまでも走り続けた。おやっ、西磯は11月1日から禁漁区にはいり磯釣りはできないはずだが。右に視線を向けると、明かりがぼんやりとともっている。間違いない。船は西へと走っている。例年、手打は東磯と呼ばれる手打湾より東側から数型ともに良く釣れだすので、東磯に乗せてくれないかなと願っていたのだが。

15分ほど走っただろうか、やっとでエンジン音が緩やかになった。「kamataさ〜ん。準備してください。」と奥さんの声。船のデッキに出ていよいよ渡礁準備に取りかかった。船長がポイントらしき断崖にライトを当てている。ここに乗せられるようだ。近くのおじさんに「ここは何というところですか。」と尋ねると、「早崎の先のほうだよ。」と答えてくれた。

早崎と言えば、知る人ぞ知る手打で一番人気のポイントではないか。早崎のハナレは、良型のオナガがねらえる超がつくA級ポイントだ。だが、早崎は西磯エリアに属しているため、禁漁区のはず。どうやらここはその早崎から片野浦のエリアにかけてのポイントで、禁漁区ではないようだ。今日は大潮だし、中のオサン瀬のようなもともと潮通しの良いポイントでは潮が速すぎて釣りにならない時間帯があるから、できれば地磯の方がいいと考えていたので、願ったりかなったりだ。

だんだん船がポイントに近づく、我々は荷物を船首に運ぶ。あれっ、ないぞ。自分のバッカンがない。いくら探しても見つからない。まわりの釣り客も心配して探しくれたがない。確かに船に乗せたはずなのに。どうやら、さっき中のオサンに乗せた上物師が私のバッカンを間違えて持って行ってしまったようだ。バッカンにはオキアミ生がいい感じの解凍状態で釣り人を待っていたはず。これから渡礁というのに、まったくついてない。「もう一人の人の餌で10時頃までもつ?」と船長。10時の瀬変わりタイムの時に運んでくれるそうだ。しかたがない。無念の思いをのせてポイントへの渡礁を完了した。いつものことだがここは特に足場が悪い。道具をしたに落とさないように上に置くが、今度は我々が仕掛けを落ち着いてつくる場所がない。まあいいか。時間はゆっくりあることだし、餌がないのをどうするかこれからの作戦を立てることにした。

3 やはり夜釣りの刺客が
今のところ餌はuenoさんが持っているオキアミ2枚のみ。この状況からして、当初予定していた遠投かご釣りはあきらめざるを得ないようだ。二人とも少ない撒き餌でフカセ釣りをするしかない。私は夜釣りのフカセ釣りのアイテムを持ってきていなかったので、uenoさんから1号の電気ウキをかしてもらうことにした。さあ、ない餌がどうのこうの言っても仕方がない。早速フカセ釣りを開始した。

潮は結構速い。左へ走っている。ウキの動きでどうも左の手前にはシモリ根がありそうだ。いきなり釣れた。夜釣りの刺客アカマツカサだ。こいつは数で勝負するタイプ。浅いタナにも深いところにもいるやっかいな餌盗りだ。釣っても釣っても喰ってくるのはアカマツカサのみ。ウキを少ししもらせるものの、それからは決して消し込むことがない。おかしいなあと仕掛けをあげるとアカマツカサが掛かっているという具合だ。

「根掛かりしたあ」とuenonさんが叫んでいる。どうやらこのポイントは浅く、竿1本程度しかないようだ。アカマツカサの猛攻に、二人ともあきらめモードで釣り続けていた。午前4時を過ぎた。普通なら朝まずめのゴールデンタイムなのだが、uenoさんはすでにあきらめて、昼用の仕掛けをつくった後、休憩している。こうマツカサが多くては釣りにならないので無理もない。

しかし、その頃から、潮が反対に右に流れ出した。何かが変わるかもと、一番海に突き出た岩の瀬際に仕掛けを落ち着かせ様子を伺っていると、1号の電気ウキがいきなり生命感あふれた魚のように海中に消えていった。これは、マツカサではない。反射的に竿を立てて応戦、やりとりが始まった。道糸、ハリス10号、竿5号にものをいわせて、浮かせにかかった。力強いのは始めだけでわりとあっさり浮いてきた。振りあげてライトを当てると、30オーバーのシブダイがピチピチはねていた。タナは浅く3ヒロ半。

朝方釣れた手打のシブ

瀬際に魚の隠れ場所がありそこから撒き餌に誘われて出てきた魚のようだった。11月なのに予想もしなかった魚にうれしくて思わず証拠写真を撮影。この釣果を見てuenoさんが動いた。竿を再び打ち振るいだした。すると、いきなりの大物がuenoさんの竿を絞り込んだ。しかし、そいつは圧倒的な強さでuenoさんの仕掛けをとばした。竿2号ハリス5号ではしかたがないのかも。このuenoさんのバラシを最後に潮は再び左へと流れ出し、マツカサの猛攻が始まった。その後、我々はなすすべなく、夜明けを迎えたのである。

4 始まったイスの猛攻
今日は雨が降ったりやんだりのはっきりしない天気。波はなく当然サラシもない。潮は適度に動いているのが救いだ。夜釣りから、水温もそれほど低いとも思えない。海水をさわった感じからいうとむしろ水温は高いのではと思う。イスズミの活性を案じながら先に仕掛けを作っていたuenoさん第1投。早速第1投からイスズミと戯れてる。海をのぞくとおびただしい数のイスが仲良しのオヤビッチャとともに縦横無尽に撒き餌を拾っている。私もイスをかけ続けた。

一昨年と同様に浅いタナでもだめ、深いタナでもだめ。瀬際でも遠投でもだめ。仕掛けも、全遊動でゆっくり探っていたが、こうイスの活性が高くては、ゆっくり沈めては付け餌がもたない。そこで、浮き止めをつけタナを設定して、重い3Bくらいの仕掛けでクロのタナを直撃する作戦に出た。そこで最後まで迷ったのがクロのタナである。秋グロは一般的にタナが浅いと言われているが、今のところクロの姿は全く確認できない。おそらく、イスズミなどの餌盗りに押されて出てこれないのではないか。

ならばと、竿1本程度の底に近いタナで釣り続けた。uenoさんが朝方、竿1本のタナで30cm近いオナガを1匹しとめているのが大きな判断材料だった。イスの猛攻を受けてるとき事件は起こった。uenoさんが例によってイスを掛け、魚を浮かせたところ、いきなり何者かがそのイスに食らいついてきた。プシューッと食らい付いたそいつは魚を離そうとしない。イスが腹を海面に出した不自然な格好で浮いている。なんじゃこりゃ、とuenoさんもすぐにはこの状況を把握できないでいるようだった。


アキノ瀬から早崎方面 下げ潮に分があり

私は、とっさにある場面を思い出した。黒ノ瀬戸の平瀬でクロを掛けたとき、宇宙人のような謎の黒い物体がクロの首にかみついたのだ。こいつはいったい何だと玉網を近づくとにげてしまった。その逃げる姿からその謎の物体が刺身で一番うまいと言われるアオリイカだったことを後になって気づいた。どうやら、uenoさんの掛けたイスにイカが食いついたらしい。あわてて玉網を持ってきてイスというかイカをすくってあげた。「uenoさんでかい。アオリイカですよ。」やった、と思わず顔がほころぶuenoさん。uenoさんの2つ目の釣果は外道だが、キロオーバーの美味しいおみやげをゲット。いいなあ、uenoさん。「やっぱり、おれは、めずらしいものを釣るなあ。」uenoさんも自画自賛。これを見ていた私は、すぐに餌木を投入。しかし、時すでに遅し、アオリイカは再び現れることはなかった。

5 下げ潮がチャンス?
アオリイカが釣れたのが、午前8時頃。それから、芳しい成果はなかった。潮は相変わらず左へと走っている。イスの猛攻はとどまることを知らない。時々釣れない時間帯はあったが、もう二人とも精神的に追い込まれていた。いったいクロはどこにいるのだろう。

そのうち、上げ潮で潮があがってきて、前に突き出たコブのようなところに一人分だけの釣り座しか釣りができないようになってきた。uenoさんはそこで釣り続けているが、私の釣り座は後ろへの後退を余儀なくされた。しばらくは我慢の時間帯のようだ。午前9時頃が満潮のようだ。餌を待ち続けること午前10時過ぎ、やっとで私のバッカンが返ってきた。

「どうだった。」と船長。ダメのサインを送ると、中のオサン瀬からやってきたフィールドテスターの方が、下げ潮になったら喰うからがんばって、と励ましの言葉をいただいた。このアキノ瀬というポイントはどうやら下げ潮のポイントらしい。とにかくこの言葉を信じてあきらめずに釣るしかない。

11時を過ぎると、イスも口を使わなくなってしまった。付け餌が残るようになってしまったのだ。変わりに瀬際におうどう色した蛇のような奇妙な生物発見。なんとそいつは、でかいウツボだったのだ。ウツボがこんなに浅いところま浮いてくるなんて。ウツボの挨拶にいつもなら微笑み返しで対応するのに、今日はそれどころじゃない。今だ、クロを釣ることができない私は焦りの色を隠せなかった。「ボウズと1昨年のリベンジならず」というホームページの新規ページの表題が浮かんでくる始末。一生懸命目をこらしてみるものの相変わらずクロの魚影を確認することができない。クロのタナを見つけることができない。つまり、本日のパターンを見つけられないのだ。


イスズミの猛攻に肩を落とすuenoさん

ついに時間は12時を回った。uenoさんが休憩していた隙に前に突き出たコブの釣り座をゲット。uenoさんには悪いがこの場所で勝負させてもらいます。仕掛けを作り直したuenoさんは、潮が引いてきたので、今度は私の潮下に釣り座を確保。さあ、あと1時間のタイムリミット。「私はもう80%ボウズですわ。」と弱気な言葉をはきつつ、海を観察すると、いました、いました、しっぽの白い恋人が。丁度uenoさんの釣り座の足下にクロが一瞬見えた。そいつは、私を見つけたかのように海の底へ消えていった。

ここで、私は、竿1本くらいで勝負していたのをいきなり、2ヒロに浅くした。見えたらタナは浅いはず。わかったぞ、クロは左のシモリ根か、uenoさんの足下のオーバーバングに隠れていて、撒き餌を拾っていたと仮説を立てた。仮説ができたら、後は検証するだけ。ウキをトーナメント弾丸3Bから鵜澤ドングリ2Bに変更。潮がいい感じで走り出した。張り気味に流していると、いい感じでウキがスパンと消し込んだ。あがってきた魚はまたしてもイス。がっくりしている暇はない。残された時間はあとわずか。
uenoさんは釣れないとあきらめて道具を片付けだした。しかし、わたしは今だにボウズ。このまま帰るわけにはいかない。再び流していると、一気のウキの消し込みに合わせを入れた。うん?今度は竿をたたかないぞ、もしかして。ぎゅーんと華麗な引きを見せてくれ浮いてきた魚は、30cmオーバーのクロだった。「おっクロバイ。」uenoさんも喜んでくれた。大事に玉網ですくったら、しっぽは鋭く切れていて、えらの縁が黒いクロだった。どおりで引くと思った。やっとで釣れたオナガをクーラーに入れて再び釣り始めた。

やっとでパターンを突き止めたぞ。それから、同じパターンで、イスとオヤビッチャとともに2匹の小振りのオナガをゲット。これで3匹。あと30分で回収だ。uenoさんはもう撒き餌も流していつでも渡船できるようにしている。私は、10分前まではねばることにした。潮は益々速くなり釣りづらくなってきた。ガン玉を段うちにしてなじませるものの、魚からの反応が消えた。餌盗りも口を使わない。

そこで、再び考えた。今度は、潮の速い本流を避けて、uenoさんの釣り座の足下のオーバーハングに潜んでいると仮説を立て、瀬際に撒き餌を3杯かぶせて、2ヒロのタナで仕掛けを入れた。仕掛けを張り気味にしながら魚からの反応を待つと予定どおりスパンとウキが消し込んだ。そして、一気にメガドライM2・1.5−53を絞り込んだ。レバーブレーキで応戦し、最初の突っ込みをかわし浮かせると、引きとは裏腹に30cmの小振りのサイズを確認。オナガだった。これで4匹。これからというところだが、ここで無念のタイムアップ。


午後1時 回収で〜す

片野浦方面からの船のエンジン音を確認したので納竿とした。船に乗り込むと早速「どうでした。」と声が掛かってきた。小さいのが2人で6枚と答えた。(uenoさんは朝まずめに魚を釣ったのにハリをはずしているときに魚を1匹海へ帰してしまっている。)「今日は、まともな釣果がでとらん。」と船長が呟いた。中のオサンの方々も途中で瀬変わりしたくらいだから、惨敗だったようだ。底ものも釣果なし。大潮で期待できたのに、今日は潮が悪いのか腕が悪いのかほとんど釣り人がまともな釣果を得られず、甑を後にするのであった。


本日の釣果


上野さんの釣果


お疲れ様 ほとんどの釣り人が惨敗をくらった

6 釣りを振り返って
港へ着くと、釣り雑誌「釣恋人」の記者が待ちかまえていた。しかし、目立った釣果は、船釣りの真鯛の5枚、さば少々だった。真鯛を持ってカメラに収まる船釣り師。いいなあ、俺たちももう少し頑張ってたら。もう少し早くパターンを見つけていたら。再び雑誌デビューを決められたのに。

上物師がクーラーを開けていたので見てみると、そこには、ソウシハギとブダイの下手物たちがいた。こんな魚を持ちかえなければならないほど、今日の釣果は芳しくなかったようだ。隣のハーバーワンも釣る人4〜5枚と目立った釣果は出なかったようだ。我々が乗せられたポイントは船長が判断した中でもトップクラスだったはず。それなのに、これではまだまだ修行が足りない。もっとはやくいろんな海の情報をかき集めて本日のパターンを見つけなければならないと感じた。

しかし、一昨年よりは進歩したのではとも思う。だから、前回のノサバの入れ食いよりはるかにおもしろかった。釣りの醍醐味は釣った魚で決まるのではなく、その過程がどうなのかが本当に大切なんだなと改めて認識させられたのであった。それはだれのおかげかなと考えると、イスズミがクローズアップしてきた。イスズミを外道と嫌うのではなく、クロを釣る一つの情報と考えるようにしたいと思うのであった。これからもイスズミへの挑戦は終わらない。

7 超簡単 オナガ鍋


本日の食材


オナガを適当な大きさにぶつ切りに


だしが入った鍋に入れます


野菜を適当に入れて


はい オナガ鍋のできあがり


シブVSオナガの刺身対決 シブの方が甘みがあって美味しいそうです

TOP BACK