12/10 青物キャンペーン実施中 硫黄島

シマアジ狂想曲
「12月のカレンダーをめくるだけで車が増えますよね。」熊本市の某タクシーの運転手のおじさんがつぶやく。その言葉をタクシーの助手席で聞きながら、平安時代末期の僧侶であり思想家でもあった空也が次のようなことを言っていたのを思い出した。「秋になるからススキが出るのではない。ススキが出るから秋になるのだ。」

暦なんて所詮人間の都合でつくったもの。人間はいつのころからか自分を生み育ててくれた自然界の恩恵を忘れ、自分たちの力だけででこの地球で豊かな暮らしができていると勘違いするようになった。自然界の暦は人間のそれとは違い、脈々と生命の歴史を刻み続けている。社会のしがらみの中にいるとどうしても、人間がつくったに過ぎない暦を中心に生活することになる。

しかし、暦はあくまで人間の活動のためである。それを単純に自然界に当てはめると、冬なのに雪が降らないと嘆く人が出てくる。天体の法則から作られた暦だが、地球というレベルで見るとそう簡単にはいかない。自然の暦は人間の生活とは無関係に毎年刻々と変化しているのだ。私たち人間は自然の暦にあわせた生活をする必要があるのではないだろうか。

それなのに、この地球上で最も自然の摂理に反する国がある。言わずとしれた、アメリカ合衆国である。彼らの代表は、京都議定書が定めていたCO2排出量削減目標を拒否した。世界でリーダーになるべきこの国が、環境問題に対して模範となるどころか先頭を切って自然破壊を実践しようとしているのだ。アルカイダのテロに対しては、毅然たる態度で臨んでいるアメリカだが、国家が海面上昇で水面下に消えつつある太平洋に浮かぶ国「ツバル」に対しては、自分たちが今度は環境破壊というテロを行っているということに気づいていない。このまま経済の論理だけで突き進むならば、この大国はいつの日か自然から大きなしっぺ返しを食らうことになるだろう。

さて、12月に入り何回かの寒波の訪れにより、水温が下がってきた。これにより、南九州の沖磯でも好釣果が聞かれるようになってきた。今季特に好調なのは、宮崎の都井、水島あたりである。クロ釣り師は、冬になるのを待ちこがれ、磯にたつ夢を見ながらの道具の手入れから、いよいよ磯のフィールドにたつ喜びにと、アドレナリン放出状態になるのだ。磯釣り師は間違いなく人間のつくった暦ではなく、自然界の暦で生きている。

かくいう私もその一人だ。しかし、私は人間界では「教員」という暦の中で生きている。師走の言葉どおり、12月に入り学校の仕事も組合の仕事も忙しくなってきた。おまけにその多忙の中で釣りに行けない日は続きフラストレーションはたまる一方だ。この人間界がつくった暦の忙しい時期だからこそ人間界の修羅場で乾ききった心を潤さなければならない。

11月〜12月になると例年、南九州ではシマアジが釣れるようになる。硫黄島などの薩南諸島の離島でもシマアジがでる。昨年の12月中旬のクロねらいの釣行で、シマアジの入れ食いを味わったことが頭から離れない。「12月のこのころは、タジロでは毎年シマアジが釣れるよ。」とポーターのおじさんが言った一言が忘れられないのだ。この話をいつものように10倍くらいにふくらまして、上野さんに伝えた。中々釣りに行けなかったことにしびれを切らし、休日の学校行事の代休に満をじして臨んだ長島海峡で、惨敗を喰らっていたこともあってuenoさんはすぐにやる気モードになってきた。

今回のねらいは、シマアジだ。スズキ目、アジ科のシマアジは、岩手県以南、東部太平洋を除く全世界の暖海にくらしている。この魚を釣るには、船での沖釣りが一般的だが、磯釣りでも晩秋から初冬にかけてクロ釣りの外道としてお目見えする。甑島や宮崎の都井、鹿児島の大隅半島の内之浦、船間、辺塚、佐多あたりでよく釣れている。

ただのアジじゃん。と思いきや、釣ったシマアジを料理してそのうまさに虜になってしまった。その食味の良さは天下一品。塩焼きは、うまみの凝縮された焼きエビを食べているような味だし、刺身のうまさは言葉にできないほどである。そのため、寿司ネタとして珍重されている。魚屋やスーパーには養殖ものが出回っているが、天然のそれとは比べものにならないほど味が違う。良型の天然物は魚の中でも最高値で取引されるらしい。

アジ科の魚でありながら、青魚独特の臭みがなく、味は脂ののった身でありながら、あっさりとした上品さで、魚が苦手なうちの母ちゃんも大絶賛の魚である。食味だけでなく、釣り味もなかなかのもの。当たると一気に底へ突っ込み、そして、右に左にと疾走を繰り返す。かなりの怪力魚だ。ところが、そのパワーとは裏腹に口は大変切れやすく、掛けたとしても中々取り込むことができない。だから、釣り師たちは、そのスリリングなやりとりに魅了されるのだ。かくいう私も昨年の釣行で40回以上掛けたにもかかわらず、釣り上げたのは半分以下の17枚だった。なぜ、そんなにバラシたのかは、わかっているが、、、。

ここまで来ればもはやシマアジを外道とは言わせない。期間限定だが、私にとっては本命中の大本命なのだ。上野さんとターゲットが一致し、硫黄島への釣りをサポートしてくれる黒潮丸に電話を入れた。「青物が釣りたいの?それならタジロにのせてあげようか。あのね、キビナゴのトロ箱を撒き餌に持って行くといいよ。一応オキアミも持って行きなさいな。」

さあ、そこで問題は天気。12月に入り、当然のごとく寒波が訪れたため、沖磯に出るチャンスは大変少なかった。船が出たのは3,4日と聞く。ところがいつもは天候に阻まれるのが我々の運命とあきらめかけていたところ、釣行予定の週の前半に襲った寒波が12月9日ごろから緩んできた。釣行予定は10日だから何というラッキーなことか。しかも、11日には再び南から低気圧が押し寄せ、時化模様となるという。前日は、県教委交渉で熊本市へ滞在。その合間を縫って、黒潮丸に確認の電話を入れた。

「出ますよ。3時半に来てください。」で交渉成立だ。さあ、1年ぶりのシマアジとの対面が果たせるのか。心はすでに離島へのステージへと駆け上っていた。12月10日、小潮の最終日。午前3時頃が満潮で、午前9時頃に干潮を迎える。潮回りは最悪だが、いくらか潮が動けば魚は喰ってくれるだろう。天気は、曇りのち雨。降水確率は午前中から正午までは20%で問題なし。波は1.5mから2mとこれも大丈夫。

我々2人のおっさんは、真夜中の0時に人吉を出発した。例によって、九州自動車道を南下し、指宿スカイラインを通って、国道に出て、枕崎港には午前3時頃到着した。お魚センターの手前から車の固まりが2つ見える。手前から草垣群島行きの第八美和丸の客。その先が、黒島行きの荒磯フィッシングの客。まだ、冬の磯釣り本格シーズンには早いため、客も少なめだ。そして、我が黒潮丸はというと、4台の車が止まっているだけだった。まだ、船長はきていないようだ。はやる気持ちを抑えながら、戦闘服に着替え、道具を黒潮丸の船首付近へと運んだ。


出発準備に備える黒潮丸

いきなりイ○○ミのお出迎え
しばらくすると、黒潮丸泉船長が、斜め後ろから見るとチャールス・ブロンソンにそっくりな口ひげのポーターおじさんを引き連れ登場。早速、海水につけておいたガンガゼを引き上げ、釣り師のバッカンに入れていた。荷物を船へ運び、我々の餌を確認した。どうやら全部で10名の客の中で我々以外はすべて底物師のようだ。これで、タジロへの渡礁は約束されたことがわかった。

船の後ろの方から、キャビン内へと入り、出航を待った。黒潮丸はとても快適だ。毛布や枕が常備されていてキャビン内も広々としていて、ゆっくりと眠りにつくことができる。航行中の波の衝撃を受けにくい2階におじゃますることにした。エンジンがつけられる。いよいよ、この枕崎港から暗黒の海原へとひた走るのだ。ゆっくりと方向を転換し、湾内ということでゆっくりと外海へと進み始める。枕崎港の堤防を過ぎるといきなりエンジンは高速回転になる。波はそれほどでもないようだ。

UFOが出そうな真っ暗な海原を黒潮丸は南へ快走すること丁度90分でエンジン音を緩めた。いつものように、鵜瀬からの渡礁のようだ。泉船長がキャビンの後ろから顔を出している。「○○さん、鵜瀬と平瀬とどっちがいいですか?」その人はとても迷っていた。無理もない。2つとも本格シーズンにはのることさえ難しいが、釣果は約束されたも同然の超がつくA級ポイントだからだ。贅沢な選択でとまどう客に、「今日は、潮が小さいからね。沖磯の方がいいよ。」ようやく意を決したのか、船は鵜瀬へと瀬付けを始めた。風が結構強い。波もやや高いようだ。硫黄島の北に位置する沖磯だけに、やはり冬の季節風を逃れることはできないようだ。

船は反転し、少し走って2つめの磯、平瀬に底物師2名を乗せた。「○○さん、アカジョウが待ってるよ。風が強くなったら迎えに来るから連絡して。」と2人のモチベーションをさりげなく高めながら、今度は5分ほど走り続けた。硫黄島の東側から時計回りに回っているようだ。暗黒の海でのわずかな光から船は沖へと走っていることがわかった。エンジン音が緩くなった。ライトをあてた方向を見ると、小さな瀬が3つほど見えた。そこは、浅瀬といい、文字通り比較的浅いポイントで、クロや青物の魚影の濃いところだ。石鯛の実績も高いらしい。今日の潮回りを心配してか、船長はできるだけ沖磯に客を配置しているようだ。そう言えば、浅瀬はタジロから見えていたっけ。ということは、次は我々かも。

起きあがって、ライフジャケットをつけていると案の定船長が声を掛けてきた。「kamataさん、次、準備して。」船は今度は全速力で硫黄島本島へと進んでいる。どんどん硫黄島の黒い影が大きくなってくる。もしかして、島に激突するのでは、と心配になるくらいぐんぐん山影が迫ってくる。それと同時に我々の感情のラスパイレス指数は最高潮に達していた。エンジン音が緩くなって、荷物を船首へと出す。相変わらず硫黄の臭いが立ちこめている。緩やかなかけ上がりの形状になっていて、硫黄島の中では足場のいいタジロに難なく渡礁を済ませた。


タジロの釣り座

「ぶっ込みでねらうとアラの子がくるよ。がんばってな。」おいおい、そんなら最初から言ってよね。ぶっ込み仕掛けは持ってきてないっつうの。と言いながら、ねらいどおりの磯に乗れたことに機嫌をよくしながら、仕掛け作りに入った。夜釣りはウキフカセ釣りで様子を見ることに。竿は中通し3号、道糸6号に、ハリスは本格デカ尾長シーズンに備え、その強度をたしかめるべくワイヤーハリス37号を1ヒロとり、石鯛バリのハリ上50cmのところにルミコを装着した。

3ヒロから釣り開始。ねらいは、アラの子かあわよくば季節はずれのシブダイと意気込んだ。潮はほとんど動いていないようだ。餌盗り小魚が時々いたずらするようで、ウキを楽しく踊らせている。やはり夜釣りは期待薄かと思っていると、わずかにウキを押さえ込むあたり。合わせると、3号竿には不釣り合いな小さな引きが


最初の訪問者 ミノカサゴ

やってきた。振りあげてライトを当てると、縞模様で細く鋭いとげをまとった魚が現れた。最初の訪問者はミノカサゴだった。一般の人はよく知らないと思うが、釣り師の間では猛毒のとげを持つことで恐れられている危険分子なのだ。いきなりの招かれざる来客に戸惑いながらも、この時点ではまだ期待を込めて釣り続けていた。「こら、当たり潮バイ。おら、当たり潮でよかった試しはなかもんなあ。」uenoさんが吐き捨てるように状況の悪さをほのめかしていた。

このuenoさんの予言どおりにこの後なるのである。ウキの消し込みの後、いきなり強い引きが私の愛竿マークドライ3号を襲った。なんだこりゃ、かなり強い引きだぞ。竿先を叩いている。イスか青物だな。底への逃走が無理と悟ったそいつは、横走りを始めた。間違いない。青物だ。uenoさん、お先に釣らせていただきましたよ。振りあげてみると、何と青物ではない、イスズミが横たわっていた。がっくり。何でおまえはイスなんだよ。


青物のあたりにそっくりな イスズミ

それからというもの、2人でイスズミ釣りの饗宴が始まったのは、言うまでもない。釣っても釣ってもイスズミばかりなり。それは朝まずめまで続いた。タジロには何回かのったが、こうイスズミが多いのは初めてだ。夏の夜釣りでさえ、イスズミを釣ることは希だったというのに。このことから、現在の状況は、「水温が高すぎる」と「潮が動いていない」という2つの悪条件を受け入れざるを得ないようだ。

7時過ぎになりようやく明るくなり出した。タックルをアテンダー2号に変えて、道糸2.5号、ハリス2.75号、ウキは鵜澤ドングリ2Bで、タナは3ヒロから釣り始めた。しかし、仕掛けは変えたが、釣れてくる魚はかわらなかった。相変わらずイスズミの猛攻が待っていた。50cm近いイスズミを玉網ですくうとき竿に異変を感じた。穂先をみると、裂けているではありませんか。がっくり。これで、買ってから3回目の負傷ということになる。頭にきた私は、釣り糸で裂けたところをぐるぐる巻きにして応急処置をした。ライトタックルはもうこれだけしか持ってきてない。ここは、アテンダーと心中するしかないようだ。

明るくなるとタジロの異変も明らかになってきた。硫黄の臭いは相変わらずだが、磯には去年にはみられなかった海草がびっしりと生えているのだ。水温が高いのか、それとも時化が続き海水に浸る時間が多かったのか、磯の低い部分におうどう色の海草がみられた。また、海の色も濃い色をしている。いつもは、右後方にあるワンドで温泉が湧き上がって、その温泉水を含んだバスクリンのように濁った海水が磯を支配してしまうのだが。

だから、餌を撒いても魚の姿が中々確認できない。水温が高いにもかかわらず釣れてくるタナは、3ヒロから竿1本と少しと、この硫黄島にしては、かなり深めだ。潮が透き通っているので、魚が警戒して浮いてこないのかもしれない。魚の活性も低く、偏光グラスから見えるイスズミも積極的に餌を拾おうとしていない。かなり食い渋っているようである。今日は、シマアジの入れ食いを期待していたのに、これでは、1匹、1匹を拾っていくという厳しい釣りになりそうだ。


カメの逆襲に苦戦の上野さん

カ○とウ○○バハギの来襲
朝も8時を回っていた。二人ともまだノーフィッシュ。活性は上がらない。ウキをある程度持って行くのだが、違和感を感じるのか、魚が小さいのか合わせても素バリの連続でハリ掛かりには至らない。硫黄島はハリスは4号以下に落とさないが常識なのに、ハリスをこれ以上おとせっていうのか?軽い仕掛けでゆっくり沈めろってことなの?いや、喰わない原因は、ハリスや重い仕掛けのせいではないはずだ。

でも、わからない。イスズミの活性まで落ちてしまっている中で、どう魚を喰わせたらいいのか途方に暮れていた午前8時半、このところ一番信頼を寄せている鵜澤ドングリ2Bがやる気のあるスピードで消し込まれた。慎重に合わせると心地よい重量感が竿全体に広がった。最初の突っ込みをかわした後慎重に浮かせると、黄色いしっぽが見えた。「やった。シマアジだ。」ぶりあげて確認。30cmを少し超えたミニサイズだが、本命は本命だ。ほっと胸をなで下ろした。ボウズ脱出。

シマアジは群れで回遊することが多く、これから入れ食いになればと念じたが、甘かった。上野さんは、仕掛けを変更。何とチヌ釣りで使う釣研のBMウキ0.5号をチョイス。限りなくウキの浮力を殺し、竿1本のタナをせめていた。すると、シマアジの35cmクラスをゲット。バラシの後、今度は40cm近いナンヨウカイワリをゲット。ようやく魚からの反応が出始めた。私も何とか沖目を攻めて40cm弱のムロアジを1尾追加したところで、干潮の潮止まりを迎えた。

潮は動かない。やや動いたと思ったら、手前に当たってくる。問題は潮だ。潮が動けば魚の活性は上がるはずだ。そう信じて仕掛けを打ち返していると、午前9時40分頃、遠くから船のエンジン音が聞こえてきた。音がだんだん近づいてきた。黒潮丸が釣況をリサーチしにやってきたようだ。マイクで船長が聞いてくる。「どう?釣れてる?」二人でダメのサイン。「全然釣れてないの?」2人で、「ぼちぼち、少し」のゼスチャー。「どうする?ここで粘る?」ここで粘るしかないようだ。「1時15分頃、回収しますよ。」と言って黒潮丸は去っていった。

さあ、時間はないぞ。潮よ動いてくれ。その思いとは裏腹に、我々を襲ったのは海亀だった。上野さんの仕掛けに食い付いたのはいいが、いつまでも暴れてばれてくれない。上野さんは朝に1回亀を掛けているのでお疲れモード。私が何とかハリスを切って逃がしてやった。硫黄島は亀が多いことは知っているが、亀を釣った日はよかったためしがない。亀を逃がして海をみると、今度はウスバハギの大群が現れた。ウスバハギが何で離島にまでいるんだよ、と訳のわからない愚痴をこぼした。潮は相変わらず動かない。その後、表層の潮が手前に当たってきて瀬とぶつかり潮目ができている。そこをねらうと、ムロアジと30cm位のシマアジを追加できた。


潮がいかないタジロ 苦戦

後半戦は大型の当たり炸裂
上野さんも度重なるバラシ劇の中、40cmを超える良型シマアジをゲット。そして、潮が一瞬動いたチャンスをものにして小ぶりのシマアジとカスミアジを追加した。もうこのころにはイスズミの姿はなく。ウスバハギの下に青物が餌を拾っているのがみることができるようになった。11時を過ぎると、大きな当たりが2人の釣り師を襲うようになった。潮がようやくわずかに動きだしたようだ。

ばれないようにハリもグレバリやマダイバリの8〜11号で勝負しているというのに、魚を掛けてもどうしても取ることができない。11時を過ぎて取れた魚は、40cmのスマガツオと46cmのシマアジだけだった。後は、強烈な当たりに100m近く走られ道糸から高切れしたり、口切れと思われるバラシが続いた。しかし、さすがに青物は引くなあ。この怪力ぶりはクロのそれとは比較にならないほど強烈だ。バラシばかりだったが、当たりはほどほどあり楽しめた。


おいおい スマガツオなんて 夏じゃああるまいし


ついにゲット 良型シマアジ

魚の活性とは裏腹に天気は下り坂で予報に反して雨がばらついてきた。そこで、uenoさんの12時半ごろ釣ったナンヨウカイワリを最後に納竿することにした。後片付けと磯の掃除をしていると、約束の1時15分になり黒潮丸が迎えにきた。「どうでしたか?」船長が尋ねる。uenoさんがぼちぼちだったことを報告した。上の段で休んでいると浅瀬の底もの師を回収して、平瀬に来た。

ここでは、何とかイシガキ1尾を釣ったおじさんが話しかけてきた。「どうでしたか。」「シマアジとか、ムロアジ、ナンヨウカイワリが釣れました。」「ルアーですか?」「いいえ、餌釣りです。潮が動かなかったんですよ。」「地磯は動かなかったようですね。こっちは(沖磯)上げ潮は激流でしたよ。」本日は底物釣りは芳しい釣果は出なかったようだ。天候が下り坂で、島の北側は時化始めていた。時化からできるだけ早く逃れるように黒潮丸は、基地である枕崎港へと帰路を急ぐのであった。


楽しかったよ タジロ瀬


浅瀬での回収 ちょっとやばい?


さようなら 硫黄島


おつかれさま 枕崎港

釣りを振り返って
あっという間に午後3時に枕崎港に到着。みんなで荷物を運んだ。船長が、「明日は、3mといっとりますわ。1日釣りでよかったよ。」船長はどうやら私が1泊2日釣りだったと勘違いしているようだ。でも、その心遣いはありがたいものだ。岸壁にあがって、船長がuenoさんのクーラーを覗いた。「バラシが多かったでしょう。」何でわかるの?我々の腕をすでに見抜いているようだ。「ハリは大きくしていた?」「グレバリの11号とか使ってましたよ。」uenoさんがすかさず反撃だ。「キビナゴを撒き餌にするとね。オキアミよりも大きいのが当たってくるからね。」「ハリスはどれくらいでいいんですか?」とすかさず私もジャブを入れた。「5号くらいでいいんじゃないの?」やっぱりそのくらいか。uenoさんが正解である。

私は残念ながら、不覚にも6号と2.5号の糸しかなく、6号はレバーブレーキのないリールだったので、結局2.5号で勝負するしかない。だから、ハリスを4号くらいにあげたいが、バランスを考慮してやむなく2.75号のハリスにするしかなかったのだ。4号の道糸がほしかった。船長と釣りを振り返るととても勉強になるので、極力話をして情報を集めるようにしている。

「尾長はまだでませんかね。」uenoさんはすでに次回の尾長釣りに的を絞っているようだった。「水温が高くてね。お湯みたいだったでしょう。水温が下がらないとね。」と船長。「こっちはどうなの?」と今度は私のクーラーを開けた。入っているシマアジをみて、「このサイズが3,4匹釣れたらよかったのにな。でも、まあこれくらいなら楽しめたでしょう。」評価は「概ね満足」か。

でも、私にとっては十分満足だ。こんなに青物釣りがおもしろいとは思わなかった。数こそ去年には及ばなかったものの、昨年より大型が当たってきたりして、今年の方がかえっておもしろかった。まだまだ、青物はしばらくの間楽しめそうだ。期間限定だが、自然の暦がくれたすばらしき青物キャンペーンを堪能した我々は、釣り人のロマンを叶える基地、枕崎港を後にするのであった。


本日の釣果


上野さんの釣果


ばつぐんにうまいスマガツオのどんぶり 絶品でした


本日の料理の評価(やすしくん)

シマアジの刺身★★★★★
ムロアジの刺身★★★★
ムロアジのハンバーグ★★★★★
シマアジのムニエル★★★★★
シマアジのにぎり寿司★★★★★
ムロアジのつみれ鍋★★★★★

高得点! やめられまへんなあ

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