2/24 今日は楽しいひまなつり 天草維和島

夢の平日釣行なのに
2月の末、自分にとってのゴールデンウイークがやってきた。2月26日(日)の学校行事のために24日(金)と27日(月)の平日2日間が休みになるのだ。サラリーマン釣り師である自分にとってはこの2日間が正にゴールデンウイークなのだ。平日に釣りができることが幸せであるのは理由がある。
その1 客が少ない
客が少ないというのは、釣りたい場所にいける可能性が高いということで、そのことで好釣果に恵まれることにつながる。

その2 A級ポイントにのれる
磯を選べるということは、今釣れている場所に行けるということ。つまり、そのことで好釣果に恵まれることにつながる。

その3 船長と顔見知りになれる
客が少ないということは、船長から顔を覚えてもらえる。顔見知りになれば、良いところに乗せてもらえるのでは。つまり、そのことで好釣果に恵まれることにつながる。

その4 潮回りが選べる
休日にしか行けない人は、潮回りが選べない。しかし、平日自由に行ける人は、潮回りや天候を考えながら釣行日を選択できる。つまり、そのことで好釣果に恵まれることにつながる。

その5 好釣果に恵まれる
釣りナビなどから発信される情報で好釣果なのは離島を除いては大抵平日だ。

しかし、私の場合は平日に行けたからといって必ずしも好釣果に恵まれたというわけではない。やっぱり釣り方、腕、技術がないからなのは明らか。つまり、技術がないからこそ、下手でも釣れる場所に行かなければならないのだ。

下手でも釣れる場所。これは寒グロも終盤戦になったこの時期には探すのが大変だ。釣りナビの情報では、南薩の半島周りの磯は、どこも厳しい状況のようだ。甑島も乗っ込み終盤戦で、ボウズも増えてきたという。北浦だけは、今までの不調の鬱憤を晴らすかのように連日爆釣が続いている。多い人で40枚、2kgオーバーも出ている。離島も水温が今一不安定な草垣群島に、尾長ラッシュが続いてる硫黄島、そして、口太の数釣り有望な宇治群島・鷹島などが私にふさわしい釣り場であろう。

そこで、天気予報であるが、今年の2月は本当にどうかしている。雨の日があまりにも多い。そのおかげでインフルエンザの流行は食い止められようとしているが。こう雨が多いと魚たちの環境が心配だ。水温が不安定になることが一番良くないだけにこの2月の天気の不安定さは気になってしょうがない。2月24日(金)は、予報では波高2mの予報で微妙だ。60%は出るのではと思って、予約していた宇治群島・鷹島行きの第八恵比寿丸に電話するが、残念な結果が知らされることになった。「時化でだめです。」2mなのに。試しに硫黄島の黒潮丸に電話するが、やはり「時化だよ」の答えが返ってきた。2mなのにどうなってんの?これでは甑もダメだろう。

気持ちを切り替えて
自分にふさわしい釣り場にこうもふられては、もうクロねらいをあきらめろということだろう。この早春の時期は、クロに代わって磯釣り師のアイドルになる魚がいる。ご存じお「チヌ」様である。チヌに魅せられた輩は一年中チヌをねらうという。特にマニアは、今の時期の寒チヌ釣りをこよなく愛するという。水温が下がり、餌採りさえいないという厳しい状況の中で、一日あるわずかな時合いを逃さず魚を釣るという釣りスタイルは、もうマニアの域と言っていいのではないか。そのマニアの願いを叶える釣り場が熊本天草にある。維和島、松島一帯である。この場所は、チヌの格好の越冬場となっている。そして、春が近づくと産卵のために荒食いを始めるのだ。昨年は、この維和島からデカバンのチヌが釣れた実績から、いつかは来てみたいと願っていただけに、今回はクロはあきらめてチヌねらいに切り替えることにしよう。早速、この一帯を瀬渡してくれる「第二むつ丸」に電話した。「維和の港から出ます。6時半に来てください。」で商談成立だ。


さあ 行くぞ! 維和島西磯

チヌに逢いたくて
人吉を午前4時過ぎに出発。山本釣り具センターで餌などを買い、維和の港、鷺の浦港に着いたのが6時15分ごろだった。先客が2名。せわしく身支度をしていた。あいさつを済ませて、荷物を車から降ろした。丁度タイミング良く自転車に乗った船長が登場。時間通り、午前6時半に3名の客を乗せた「第二むつ丸」は無事出航。この船は小さいが本当に速い船だ。まだ薄暗い天草の海原を気持ちよく滑っていく。風が正面から当たってくる。予報通り北風のようだ。鷺の浦港を出て狭い水路を抜けると北の方向に橋が見える。さあどこに連れてもらえるのだろう。釣り人にとって一番幸せな時間を楽しみながら、風にあたっていると、正面に横長い島が見えてきた。釣り雑誌にも登場したこともある名礁横島だ。むつ丸はその横島の北側でエンジンを一気に緩めた。


若者2人 寒チヌ実力ナンバーワン 横島北側へ

今回の舞台は
「2人の方どうぞ」船長が渡礁をうながしてる。一番客を乗せる磯だから、この維和島の中でも一番の実績を誇る場所なのだろう。「ここはこのところずっとあがっとるとです。タナは竿1本と1ヒロ。」2月にはいって、デカバンチヌが顔を見せてる維和西磯だけに期待は否応なく高まっていく。2人の若者が渡礁した後、今度は自分の番だ。船は全速力で北へ向かっている。天草釣り堀レジャーランドを過ぎるとでかい橋が目の前に現れた。エンジンを低速にしてゆっくりと橋に近づいていく。えっ、どこに磯が?ふねはどんどん橋に近づいていく。橋脚を四角い堤防が囲んでいる様子が見える。その堤防の下に人が1人分のれるような岩があるだけだ。船は、その岩につけた。「ここもずっと釣れとるとです。橋の下のところに船が沈んでいて、そこに魚が居ついとるとですよ。潮が引けば、どこに船があるかわかりますよ。その周りをねらってください。タナは竿1本と1ヒロです。風が強いですが、潮が引けばもう少しこっちで出で釣れるから気にならないでしょう。」そう言い残してむつ丸は去っていった。

荷物を四角い堤防の向こう側に置いて、早速仕掛け作りに入った。竿はメガドライM2 1.5ー53、道糸2.5号、ハリス2号。ウキはツインセンサーG3で全遊動でゆっくり沈める作戦だ。堤防の角から釣り開始だ。しかし、こう風が強くてはやはり全遊動は無理だ。1号の棒ウキ釣研BMウキに切り替えた。潮は緩やかに左へと動いている。沈没船はおそらくこの堤防の右手前にあるはずだから、この潮では喰わないだろう。沈没船の潮上から釣りたいが潮が引くまで待たなければならないようだ。


この竿1本先に船が沈んでいて チヌが居着いている

潮がやっとで引いたので、下に降りて船の周辺をねらうが中々当たりが拾えない。この風何とかしてくれよ。風は収まるどころか日増しに強くなっていった。水温は11℃から12℃というオキアミも冷たかった。魚の活性は餌の頭だけをとる状態だ。予想はしていたがかなりシビアな釣りだ。
水中では餌盗りさえいない厳しい状況だが、水上では、カモメの活性が高く、撒き餌に群がってくる。おいおい、君たちがいたらお魚さんが警戒するだろう。仕方がないので、カモメ用の撒き餌もするはめに。


水中にはいないが 水の上には餌盗りがいた・・・カモメ

食いが渋いためできるだけ違和感をなくした仕掛けに、つまり全遊動にしたいが、この風では無理だ。遠投したくても仕掛けが飛ばない。遠投するには最強のウキ遠矢ウキでとばすが、それでも風で道糸があおられ当たりが拾えない。そうこうしているうちに時間切れ。無念のボウズ。これで2連続のタイ記録樹立。


ああ無念の橋脚下


春の気配 鷺の浦港

2月27日の2回目の代休。やはり宇治群島行きを計画していたが、天気回復の後というのに、波高3m。これでは沖磯は絶対無理。ええい、前回のリベンジ維和へ行こう。乗せられた磯は同じ橋脚下。大潮2日目。釣れそうな予感もする。しかし、今回も風にやられた。下げ潮になれば、下に降りて船方向に流して行けばいいと思ったが、どうしても喰ってくれない。こうして、予想通り、前回と同じ付け餌がそのままついて戻って来るという超暇な釣りとなったのでありました。でも魚は絶対いる。2回ほどつけ餌にチヌらしき魚の噛み後が残っていたからだ。船長にリベンジを誓い、でもなぜかすがすがしい気持ちで維和島、鷺の浦港を後にするのだった。これで新記録樹立。3連続ボウズ。

♪えーさをまいても釣れないよ
今日は楽しいひまなつり♪

水温11℃に完敗!


満潮時 橋脚下釣り座


干潮時 橋脚下釣り座

下げ潮は左へ 上げ潮は右へと回り込んで右斜め前方へと動く

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