4/8 なごりグレ 硫黄島

「♪汽車を待つ君の横でぼくは 時計を気にしてる 季節はずれの雪が降ってる♪」

何かなつかしい歌が聞こえてくる。40代から50代のおじさんおばさんたちにはたまらないイルカの名曲「なごり雪」だ。その音源はテレビからのようだ。いっけねえ、どうやらテレビをつけっぱなしで寝てしまったようだ。時計を見ると、午前5時半。昔、受験雑誌で必ず広告に出ていた古代エジプトで行われてたという睡眠学習のような状態で、それが懐かしの名曲を集めたCDのテレビショッピングだったことをやっとで理解した。そして、懐かしさのあまりテレビの音にあわせて歌い出してしまった。

「♪なごりグレを釣る時を知り、ふざけすぎた季節の後で、・・・・」

と無意識のうちにこんな替え歌を歌っている自分に気づき、思わず苦笑してしまった。やっぱり私は釣りバカだなあ。

季節はすでに春爛漫。4月にはいるとさすがに桜も散り始めていた。この時期は、中国大陸からやってくる移動性高気圧で3日と晴天が続かない。そのため、私はこの3年間で4月に釣りに行けたのは僅かに3回。メイタ1枚、ボウズ、クロ3枚と散々たる釣果である。2006年の今シーズンは何とか魚拓がほしいと意気込みだけは一人前だが結果が伴わない。ここは一発、チヌねらいはやめて、今流行のスローライフのクロちゃんをターゲットにすることにした。


春の到来を告げる我が家の桜

この4月は、クロ釣りには厳しい時期だ。すでに産卵を終えた個体もあれば、乗っ込み終盤の個体も混じっているだろう。そんな中、クロ釣り師の中には早々と石鯛竿に持ち替える者や銀鱗に会いに行く者が出てくる。当然、クロ釣り師の活気も冬場ほどではなくなる。ところが、4月になるとクロ釣り師が一斉に活気づきめざす場所がある。鹿児島県甑島手打西磯である。ここは、11月1日〜3月31日までは、甑島伝統のパン粉漁を守るために漁師以外は魚を獲ることができない。当然、釣り人があまり上がっていないわけだから、魚資源は守られている。4月1日に一般釣り人に解禁になると多くのクロ釣り師が手打へとねらいを合わせる。

ところがだ。自分も手打へ行きたいのだが、釣行予定の4月8日(土)の前日には、職場のスタート会で幹事の役になり、飲み方の陣頭指揮を執らなければならない。ということは、手打西磯へと誘ってくれる串木野港から出港するFナポレオン隼には乗ることができないということだ。ナポレオンは、大抵午後10時頃の出航だからどうやっても間に合わない。かといって、海上タクシーを利用しても地元渡船に乗り換えなどをしているうちに西磯は満杯状態で乗ることができないのは目に見えている。

ああどうしよう。迷っていると刻々と時間が過ぎていく。瀬々野浦に行きたいが、2日前となっては今までの実績ではもう満員は間違いないだろう。久しぶりに鹿島はどうだ。誠芳丸が最近船を新しくして30人乗りになったと聞く。
よしっ、今回はN船長が操る誠芳丸に決めた。えーっと、携帯電話の鹿児島渡船のアイテムを開けて、アイウエオ順に並んでいる、渡船名を探していると誠芳丸に行き着く前にカ行のところで止まってしまった。

何?「黒潮丸」。4月に入っても離島ではクロが釣れるんだろうか。それともいまだにデカ尾長が回遊しているのだろうか。この時期は石鯛師が離島釣りの主役となるわけだが、ねらう人が少なくなるだけで、もしかするとクロはまだ釣れるのではないだろうか。携帯の渡船リストを見ながら、思わず黒潮丸へと変更し、すぐさま電話を入れてみた。

「このところ時化で船は出てないけどね。それまでは、ずっと尾長が釣れてたよ。」「昼釣りは、青物がねらえるところにお願いしたいんですけど。」「いいよ。尾長釣りの後は、青物ねらえるところに乗せてあげるよ。餌は2つずつでよかったよな。2時半集合だよ。」すっかり顔なじみになった船長と意思疎通はあっという間だった。またまた、船長にモチベーションを高められ今までの迷いは吹き飛んだ。よしっ、尾長アンド青物ねらいでいくぞ。


黒潮丸で春の離島に挑戦だ

4月8日(土)若潮。このところ不安定な天気が続いていたが、幸運なことに土日だけが晴れるという予報。飲み方を1次会で切り上げ、自宅に帰りあっという間に準備を終え、人吉を午後10時半に出発。九州自動車道〜指宿スカイラインを経て枕崎港へと着いたのが午前1時半だった。ちょっと早すぎたかなと仮眠していると続々と釣り人が集まってくる。午前2時過ぎには総勢20名以上に膨れあがっていた。道具を見ても石鯛師だけじゃなさそうだ。上物もいる。この時期にこれだけの釣り師が集まるとは予想していなかった。やはり硫黄島ブランドのすごさだろうか。

午前2時半、船長がいつもの軽トラックでさっそうと登場。船から海につけておいたガンガゼウニをとりだして底物師に餌を分けていく。氷の世話をした後、いよいよエンジンが点火される。「ブルン、ブルルン」と力強いエンジン音で釣り人の動きがにわかに速くなった。船長にあいさつを済ませ荷物を乗せようとすると、「カマタさん、荷物を乗せるのもう少し後にして」と船長に言われた。これだけの荷物があるのだから把握するのが大変なんだろう。始めの方に渡礁するのに荷物をあわてて乗せてしまうと、今度はそれを探し出すのが大変だ。船長の指示に従い荷物を無事に乗せた。

乗船名簿に名前を書き、キャビン内を覗いたが、いるはいるは、おっさん釣り師たちが思い思いの格好で横になっている。場所がなくなっては大変と、すかさず空いている上の段の寝床を確保した。20数名乗ってるのだからぎゅうぎゅう詰めだ。そのうちエンジンの回転が変わり、午前3時に船は港を離れた。


尾長ねらいは西磯1番瀬で

仕事の疲れからか、いつの間にかぐっすり寝てしまっていた。やがて、エンジン音がスローになって目が覚めた。時計を見ると午前4時半。ここに何人かの釣りクラブっぽい人々が渡礁していった。湯瀬のようだ。この後、船は再び全速力で走り、今度は硫黄島が誇るいや南西諸島を代表する名礁「鵜瀬」につけた。その後平瀬へと乗せ、いよいよデカバン尾長が潜む硫黄島西磯群へと到着した。大瀬、ミジメ瀬には先客がいるようで、中ノ瀬に乗せたところで、「カマタさん次です。」と呼ばれた。船は今度は硫黄島本島へと近づいている。地磯で壁のようなところに2人を乗せた。いつか上野さんと乗って尾長ねらいで惨敗を喰らった2番瀬だった。今度は自分の番だ。船はやはり地磯へと向かっている。2番瀬の隣の1番瀬に渡礁のようだ。船首に荷物を乗せて待機していると、めずらしく無口なポーターのおじさんが話しかけてきた。「ここは、この前も大きいのが釣れてたよ。」この無口なポーターのおじさんが言うんだものかなりの実績のあるポイントらしい。

満潮が午前4時50分頃。今はほとんど満潮で潮位が最高潮に達しており、渡礁が難しかったが何とかセーフ。船長のアドバイスに注目した。しかし、「左側の高いところから釣ってください。」だけだった。船にあいさつをした後、荷物を高い場所に置いて、釣り座となるであろう高いところをリサーチする。やはりここにピトン穴が空いていた。釣り座はこれで決定。時計を見るとすでに午前5時になろうとしているではないか。急がないと尾長釣りが終わってしまう。

尾長タックルは、竿がダイワ幻覇王石鯛竿、同じくダイワのシーライン石鯛両軸リールに道糸石鯛20号。ウキなしのおもり20号の宙釣り仕掛け。ワイヤーハリスに石鯛鈎。掛けたら絶対とるというコンセプトだ。撒き餌はオキアミ生と赤アミを混ぜた物だ。他には何も足さない。早速、釣り開始。瀬際に撒き餌をたっぷりと撒き、尾長を呼び寄せなければ。タナは2ヒロから始めた。10分ほど撒き餌を続けて、仕掛けを回収すると餌は盗られていない。そのまま第2投。タナを2ヒロ半に。おそらく潮は下げ潮に変わったばかりのようで、左へと流れている。これでもかと撒き餌をするが、幻覇王の穂先を引っ張るような当たりはまだない。

前方に目をやると、赤い海ほたるが海面を漂っている。この一帯にいる尾長ねらいの釣り師はみな電気ウキによるウキフカセ釣りのようだった。時々電気ウキの様子をみているが、釣れている様子はない。仕掛けを回収すると、餌が取られている。よしよし、魚の活性がないという最悪のシナリオではなさそうだ。今度は仕掛けを3ヒロ、竿1本と入れてみる。何者かが餌を盗っているのは間違いないが、本命のとり方ではないようだ。


尾長の気配なく惨敗(左から立神、ミジメ瀬、中ノ瀬、二番瀬)

時計を見ると5時半を過ぎ、いよいよ空が白み始めた。時間がないと気持ちばかりが焦る。しかしながら無情のタイムアップ。夜が明けてしまった。他の釣り師たちはもうあきらめて昼釣りの準備に余念がないようだ。私も名残惜しいが尾長釣りを終え、瀬変わりの準備をすることにした。

すると、遠くの方から船のエンジン音が聞こえてくる。迎えにきてくれたかなと、腰を上げると、それは黒潮丸ではなかった。その白い船は、大瀬に乗っている釣り人を回収して去っていった。硫黄島は黒潮丸だけが瀬渡し船だと思っていたがそうではなかったようだ。午前6時半をまわったところで、ようやく黒潮丸が迎えにきてくれた。船に乗り込むと、いつものように船長が尋ねてくる。「釣れましたか。」「だめでした。」言いたくはないが、事実だから仕方がない。

船は、そんな釣り人の落胆の思いを引きずらせないように、硫黄島南回り航路のクルーズの旅を渡しにプレゼントしてくれた。すがすがしい朝の光の中を船はぐんぐん滑ってゆく。左側は、雄大な硫黄島の断崖が続いている。口白やアラなどの好ポイントであるシラトリ、カメクレなどが見えている。右は、果てしない東シナ海が釣れなかった私の心の傷を癒してくれる。更に進んで、硫黄島の真南に位置する永良部崎までやってきた。ここも尾長、地グロの好ポイントであるみゆき瀬、ひれ瀬、洞窟、洞窟のハナレ、ハルマ瀬が見えている。複雑な地形でかくれんぼや肝試しができそうである。永良部崎を過ぎると、硫黄島港が見えてくる。このあたりはいつもは茶色っぽい濁りの海色だが、今日はそれほどの濁りはないようだ。港の奥に寄り添うように集まった人家と学校らしき建物が見える。一度は上陸して観光してみたいものだ。おそらく森進一の歌「襟裳岬」のように「♪硫黄島の春は何もない春です♪」という世界なのだろう。しかし、何もないからこそ何もないという素晴らしさがあるような気がする。「襟裳岬」の歌を聞けば聞くほど、何もないということがどんなに貴重で素晴らしいことなのかを認識させられるのではと思うのは私だけであろうか。

左前方を見上げると、雄大な活火山「硫黄島岳」がそびえている。相変わらず至るところで白い煙を出している。その麓にはここからは見えないが、自然が作ったような天然温泉「東温泉」があるはずだ。このあたりは浅く釣りはできないような地形だ。そこを過ぎると東の立神がすぐそばに見えてきた。東の立神はこんなに小さかったっけ。いかんいかん、観光に来たんではないんだった。これから魚との真剣勝負が待っているんだった。立神の裏は、タジロだから、どうやら予想通りタジロに乗せてもらえるようだ。気持ちを再び戦闘モードに切り替えた。タジロの前にきて、エンジンがスローに変わった。

「カマタさん、今日は潮も行ってるし、濁りも丁度いいし釣れるよ。12時45分に迎えにきますわ。」難なく渡礁を済ませ、船長にあいさつして荷物を高いところに置いた。さて、青物ねらいでこの一番実績が高いタジロだが、この春にシマアジなどの青物が釣れるんだろうか。もちろん自分も挑戦したことがないし、今までそんな釣れる話を聞いたことがない。不安だらけの釣り開始だ。とにかく魚を寄せなくてはと、撒き餌をしばらく続けることにした。


昼釣りはタジロで青物ねらい

しばらくすると、別の黒潮丸の釣り人2人がタジロの隣の磯に乗ってきた。この時間帯にやってくると言うことは、魚の活性がよくないか、これから海が時化てくる予報で前もって風裏に乗せておこうというせんちょうの判断なのかのどちらかだろう。

撒き餌をしながら、仕掛け作りに入った。渡礁の時、磯玉網を落としてしまったので、振りあげ可能なダイワマークドライ遠投3号ー52にダイワプレイソ3000番のリールに道糸4号。ハリスは2.75号で、ウキはキザクラLets0号に水中クッションという組み合わせだ。魚の活性はあまり高くないことを予想して、できるだけ魚が食い込んだときに違和感を与えないように、そして、撒き餌とつけ餌が長時間同調することを重視した仕掛けにした。ハリはこれまでの失敗の経験から大きめのグレ鈎10号をむすんだ。小さいハリを使うとどうしても口切れを起こしてバラシが多くなるのがその理由だ。仕掛けを作りながらも撒き餌を続けた。6時40分頃から撒き餌を続けて、1時間が経過した。仕掛けはとうにできてはいるが、まだ、釣り始めていない。それは、魚を寄せる必要があるのと、もう一つの理由は、これまでの経験では、シマアジは寄ってくるのにかなり時間がかかり、朝方はどういうわけだかイスズミばかりが竿を曲げるからだ。

4月はおそらく今までよりイスズミが多くなっていることは間違いない。だからできるだけ撒き餌を切らさないようにして、イスをかわしてシマアジの口元につけ餌を届けたいのである。

時計を見ると午前8時前を回った。黒潮丸が通りかかった。撒き餌をしていると、船長のアドバイスが飛んできた。「潮が右へ行ってるから、左へ撒き餌して」とても親切だなあ、と思うと同時に我が腕の未熟さが情けなくなるのであった。でもいいのかなあ、船長そんなこと言って。私がいっぱい撒き餌したら、潮上にいる2人の釣り人は不利になるでしょうに。

もう良かろう。黒潮丸が去ってから、10分ほどしてようやく第1投。潮はあまり動かなくなっていた。いきなりの入れ食いを期待していたが、肩すかし。餌がそのまま帰ってきた。潮はどうやら右に行ってはいるようだが、右の温泉が沸いているワンド方向へと当たり気味に流れている。この潮じゃだめだよねと思っているとところへ突然ウキが消し込み道糸が走った。3号竿を結構絞り込んでいる。さあ最初の獲物は何でしょう。期待とは裏腹に浮いてきた魚は、イスズミの40オーバー。がっくり。やはり、この季節はイスズミ天国なのかあ。

気を取り直して第3投。今度もウキが勢いよく消し込んだ。今度はかなり軽い。足裏サイズのイスズミだ。そのうちシマアジが当たってくるさとあきらめずに竿を振り続けるが、今度は魚が警戒し始めたのか、当たりは出るのだが食い込みには至らない状態になった。落としたくないが、仕方がない。ハリを8号に、ハリスを2.5号に落とした。

釣り初めから20分が経過した。さっきまで船長の言葉によるといい感じの濁り方だったが、だんだん温泉の成分が強くなってきたのか、濁りが増してきた。どうなってんだよお。早くも焦りが支配し始めた頃、潮が右斜めにいい感じで流れ出した。この流れは幸運をもたらすことをこの時点では筆者は気づいていなかった。ウキがゆらゆらと前当たりを見せた後、やる気のあるスピードで消し込まれた。間違いない今度こそ当たりだ。合わせを入れるとギューンと竿にのってきた。そいつは、手前に突っ込んでかなりのトルクで竿を絞り込んだ。しかし、こちらは3号竿。やつは、観念したのかしばらくすると浮いてきた。すると、視界に飛び込んできたのは、とても意外な魚だった。「うわっ、尾長だ」思わずこう叫んでしまった。慎重に振りあげると40cmオーバーのきれいな尾長だった。


尾長の朝のあいさつ

尾長が釣れるとは予想していなかっただけに、うれしさがこみ上げてくる。小さめの鱗、切れた尾ひれ、えらの黒縁。紛れもなくそれは尾長ちゃんだった。ハリは上あごを貫通していた。飲まれなくて良かった。尾長が釣れると言うことは、潮がいいということだよね。これはチャンスと釣り再会するが、その尾長が釣れた潮はこのときだけで、やがて、再び潮は手前と当たってくるようになった。これじゃあ、いくら撒き餌をしても全部手前にきてしまう。これじゃあ、撒き餌はシマアジを呼ぶことができないよ。

釣り人の嘆きは予想通りイスズミばかりがハリ掛かりする状況となった。それも、良型のイスばかり。竿を折られちゃあかなわんと慎重にやりとりを楽しんだ。潮は相変わらず当たってくる。潮はますます濁り始めた。左手前のサラシができているところが濁りが少なく魚がいそうな雰囲気がするので、そこをしばらくは集中してねらうことにした。


大活躍のデカバン イス


釣れないと回りを見回したくなるもの。隣はというと、いきなり魚とのやりとりをしているではないか。なかなかしぶとい魚のようだ。ようやくあがってきた魚はイスズミのようだ。それも特大サイズ。あっちの方もイスズミの洗礼を容赦なく受けているようだった。どうすりゃいいのさと、ウキを見つめていると、Letsがサラシの切れ目からいい感じのスピードで海中に消えていった。道糸が走った。竿先をコンコンと叩いている。しかし、これは今までのイスズミの引きではないようだ。浮いてきた。黄色いしっぽが見えた。浮いた。よっしゃ、本命シマアジじゃあ。とぶりあげようとすると、ハリはずれのバラシ。おいおいせっかく喰ったのに。頭に血が上った。そうかあ、今までの喰い渋った当たりはおそらく全部イスだろう。よしっ、とハリをがまかつ遠投グレ10号にあげた。

10時頃、イスに混じってついに本命シマアジ君700gが顔を見せてくれた。うれしい。これで家へ帰れる。その後、やはり、イスズミが大活躍する中、何とか潮が動いた時間帯に500〜700gのシマアジを3枚追加した。そして、今回の釣りのクライマックスが訪れる。


やっとで本命シマアジ

潮がやっとで当たり潮ではなく右へと動いたときだった。ウキが最近見たこともないような超高速スピードで消し込まれた。道糸が走ったので竿を立てるとコンコンと竿を叩いている。また、イスかあと浮かせると、なんとびっくり。浮いてきた魚は、銀鱗に輝くおチヌ様ではありませんか。殿、こんなところにおられましたか。殿もしかしてご乱心では。そう言いながら、チヌを振りあげた。本当にチヌかい?しかし、何度見てもチヌに間違いなかった。自分の辞書に新しく付け加えたいと思う。離島でも4月になれば乗っ込みチヌがつれるんだと。


珍客 ありえない?離島ののっこみチヌ

チヌが釣れた後は、魚からの反応が途絶え、最後にイスズミのデカバンを掛けたところで12時になったので、ここで納竿とすることにした。隣の釣り人は残念ながら釣果に恵まれなかったようだ。私も釣果に恵まれなかったが、適度にイスズミが竿を曲げてくれたので退屈しなかったし、尾長やチヌが釣れてそこそこ楽しめた。ありがとうとタジロに言葉を掛け、1時頃回収に来た黒潮丸に乗り込んだ。


ありがとうタジロ

枕崎港へ帰って釣況を確認した。今日は釣れているところとそうでないところがはっきりしていた。地グロはほとんど釣れなかったようだ。また、ボウズも何人かいたようだった。石鯛はそこそこ釣れていたようだった。「今日は水温が低かったね。」ある釣り人が船長に話しかけている。「潮が通すところは、温かい潮が入って釣れたんだけどね。」と船長は説明していた。本日は鵜瀬の一人勝ちだったようだ。昨日からの2日釣りの人が、アカジョウやらタバメ、尾長の58cmを釣っていたのが竿頭。石鯛師の方も何人か釣っていたようだった。そして、いつもの船長の評価だ。


本日の釣果

「かろうじてという感じだな。」と船長がクーラーに氷を入れてくれながらこんな評価を下してくれた。
そして、携帯サイト「釣りナビ」では、この日の硫黄島の釣況を次のように伝えている。

釣況:○期待
天候:晴れ
風強:普通
潮:若潮
波高:普通
水温:21℃
魚種:
尾長50〜58cm 3匹
石鯛1.5〜3.2kg全体11匹
バラハタ3〜4kg2本
仕掛け:
フカセ釣り・宙釣り・ブッコミ釣り
船長アドバイス:
水温安定で、3キロ級の尾長が依然堅調となり、バラシも数回あった。日中は、北西の風が強くポイントが限られたことで、地グロは目立った釣果がなかった。また、底物では口白の3.2kgが交ざり石垣や本石合計で11匹と活発だ。他、カツオのハラ皮を餌にブッコミ釣りでは、バラハタ3〜4kgとフエフキ5kgが上がるなどこちらも今後楽しみ。シマアジ500〜700gも回遊中!

シマアジ500〜700gも回遊中とは私のことですね。でも、クロは・・・・。

「♪今 春が来て君(クロ)は釣れなくなった。去年よりずっと釣れなくなったあ♪」

なごりグレも楽しいよ。


春の恵みを仲間と満喫

息子やすの採点
シマアジのにぎり寿司★★★★★
尾長・シマアジのからあげ★★★★
チヌの塩焼き★★★★
尾長・シマアジの造り★★★★


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