9/22 一発大物か おかず釣りか 硫黄島

9月に入ったが依然として真夏の陽気が続いている。暦の上では、すでに秋彼岸を迎えている。二十四節気では、昼夜の長さがほぼ等しくなる23日頃を「秋分」という。いつもなら、通勤途中の田んぼの緑のあぜ道に赤い彼岸花が私を楽しませてくれるはずなのに。朝晩の肌寒さを体に感じたら彼岸花というのが例年のパターンだと思うのだが、今のところその気配はない。このところ、最高気温は連日30度を超えていて、熊本県でも36度なんて日があった。この時期は、我が学校でも運動会の練習の最盛期だが。子どもたちが熱中症にならないかと細心の注意を払いながらの練習になっている。最近は、北極の氷が溶けている話や、ヨーロッパの氷河の後退、そして、紫外線の問題など、地球にとってはいい話が聞こえてこない。自然に遊ばせてもらっている自分にとってこの問題はとても深刻だし、まして人類の存続、地球そのものがどうなっていくのか想像するだけでも恐ろしい。何かしなければならないのであろうが、自分は1人では無力。今のところせいぜい自分たちでCO2をできるだけ出さないようにするとか、自然との接点を持ち続けるしかないのか。

そんな中、私と師匠uenoさんは、9月に入っても高水温で気候上では夏真っ盛りの硫黄島で夜釣りを楽しむことにした。硫黄島でのナイトゲームは今シーズン初めて。いろいろ忙しかったり、夏に時化が続いたりで硫黄島釣行を計画すると実現できないの日が続いたからだ。9月初旬の硫黄島では、シブダイ700〜2.5kgを釣る人15匹。アカハタ、アカジョウ、フエフキなどの根魚が混じり半分以上の人がクーラー満タン釣果だったそうだ。9日は、天候に恵まれなかったこともあり、シブダイが小型中心で1人5〜6匹だったそうだが、水温は28度まで低下しており、これからもまだまだ期待できるとのこと。日中30度を超える中で釣りをするためには、ナイトゲームしかありえないと、我々2人は、22日からの夜釣りをと黒潮丸に予約を入れた。


離島の夜釣り終盤戦にかける夢とロマン

22日は、上り中潮初日。硫黄島の潮汐は22日17時00分が満潮で22時42分が干潮。翌23日は2時10分が満潮で9時37分が干潮という具合。渡礁してすぐに下げ潮で勝負し、夜中は上げ潮で朝方にもう一度下げ潮でチャンスタイムがくるという展開。南海上に熱帯低気圧が2つほどあるもののほとんど今回の釣りに影響ない位置にあるし、波高予想も1.5m。9月に入り、台風などで、時化が続いていたことを考えれば、ここ最近では最高に近い海況である。

前日に黒潮丸に連絡を入れると、出るとのこと。「シブば釣りたかなあ」とuenoさんがこの吉報を喜んで迎えてくれた。我々は久しぶりの硫黄島で、道具の積み込みに戸惑いながらも、午前11時過ぎ人吉ICを出発した。高速道路で必ず休憩する桜島SAで異変を感じたのが、午後12時過ぎだった。風が強い。7,8mはあろうかという突風混じりの風が南国情緒たっぷりのソテツを揺らしている。「風の強かなあ」とuenoさん。東からの強風だから、西磯なら大丈夫ではないか。また、波予想が1.5mだから鵜瀬や今回最ものりたいと思っている平瀬には乗れるのではないか。こんな楽観的な面持ちで枕崎港についたのが、集合時間きっかりの午後2時半だった。

「お世話になります」船長にあいさつして、荷物を船に積み込み、クーラーに氷を入れる。このクーラーの中をお魚さんが賑わせてくれればいいのだが。こんなことを考えながらキャビン内に滑り込み、下の段に寝っ転がった。本日の客は、船釣り師3名に磯師が8名の11名。やはり最盛期の離島釣りとしては少ない人数だった。乗船名簿に記入し、カーペットに横になりながら、今回の作戦についてuenoさんと語り合った。2人とも希望は平瀬で、できれば乗ったことのない高場にいければと願っていた。uenoさんは、使える両軸リールを持っていないため、スピニングリールでのブッコミ釣りをするという。uenoさんは、ブッコミよりはるかに好釣果をたたき出している電気ウキによりフカセ釣りをメインの釣りとするようだ。それに対して、私はブッコミをメインに、竿を2本出す予定。場所によっては、ブッコミ釣りが難しいところもあるから、念のためフカセ釣り用として5号竿を持ってきた。電気ウキ数個と一応かご釣りができるように1セットだけ準備をしてきた。

uenoさんと話していると、ガラガラガラとエンジン音が変わって、船が港を離れた。午後2時55分に高速船黒潮丸は、静寂を守った枕崎港を後にした。枕崎の堤防を過ぎるとエンジンは高速に切り替わる。ほとんど揺れない凪ぎの海を順調にいくと90分で到着するはずだ。途中、船が揺れる場所があったが、概ね凪で快適な船旅だった。磯のフィールドでの戦いに備え、少しでも体を休めたいところだが、中々寝付けない。それどころか、益々目がさえわたってくる。頭の中では、すでに磯のフィールドがくっきりとイメージされていた。そこで、早くも大型魚との格闘をする自分が見えてくる。一気に竿先が海中に突っ込み、あわてて大あわせをする自分の背中が。何が釣れた?しかし、残念ながらイメージ体験はそこまでで釣れる魚までは教えてくれない。そうするとまた、場面は変わって他の磯に乗っている自分。魚との知恵比べに敗れ、うなだれながら回収の船を待つ自分の姿だった。さあ、さあ、今回の釣りではポセイドンは自分に一体どんな結果を用意してくれているのであろう。現実から逃避するためにできるだけ見ないでいた時計をつい誘惑に負けて見てしまった。まだ午後3時48分だった。


硫黄師たちが次々に渡礁していく

それから、2度目に時計を見たのは、エンジン音がスローに変わった午後4時35分だった。凪なのに時間がかかったのはなぜ?とキャビンの外に出ると、鼻をつく硫黄の臭いが出迎えてくれた。沖向きに見慣れた沖磯が見える。石鯛の好ポイントの浅瀬である。ということは、その反対側に目を向けると私のお気に入りの磯タジロが見えた。おかしい。いつもなら、鵜瀬や平瀬からの渡礁となるはずなのに。船はしばらくの間、タジロの前で止まっていた。周りをよく見てみるとかなり時化気味である。風によるものと見られる三角波が船を大きく揺らしている。ここは、東風をまともに受ける場所のようで、夜釣りには適していないと思われた。しばらくの間、タジロに乗れるかどうか考えていたようだが、素人の自分でも危険とわかるくらい高場のほうでも時折波を被っていた。それを見てあきらめたのか、船は人を乗せることなく永良部ア方面へと走り始めた。

もしかして、鵜瀬や平瀬には乗れないのかな。期待と不安が交錯する。永良部アの先端にあり、冬場のクロ釣りの好ポイントで、シブダイでも大型の実績が高い「洞窟」を過ぎた。ここからは、さっきの海とは大違いで、不思議に風もなく凪ぎの海が現れた。最初の渡礁はその永良部アの西側にあるみゆき瀬だった。2人の常連さんが無事渡礁。さらに船は少し走ってやはり風裏の地磯「カメクレ」に1人の釣り師を。この釣り師は、アラをねらうという。船は島の西側に沿って走る。我々はどこに乗せられるのであろう。

見慣れた風景がやってきた。釣り雑誌でもよく紹介される西磯群だ。「立神」と地磯の水道に位置する好ポイント「ミジメ瀬」に3人の釣り師を渡礁させた。さあ磯師は我々二人だけが残った。船長が私を呼んで、「ミジメ瀬」の隣の巨大な巌「立神」を指さしながら「鎌田さん、立神はどうですか」と誘った。「ここは、昨日は乗せてないところだよ。ここは型のいいのがくるよ。ここでもいいしこの先のあそこに見えるヒサガ瀬とか北のタナでもいいよ。」と言われてもなあ。本当は船長に決めてもらった方がいいのだが、せっかくの申し出だ。自分たちで決めなくちゃ。uenoさんとまだ行ったことのない場所ということと、大型が潜んでいるということで「立神」に決定。「風が当たるかもしれんけどね」と船長は立神の船着けに近づいた。


一発大物の夢を立神で

事件は、その時起こった。二人とも渡礁については細心の注意を払って安全第一で磯に渡る。まず、私が最初に磯にのり次にuenoさんが。そして、ポーターの方から荷物を受け渡してもらうのだ。竿ケース、磯バッグを受け取ったところで、突然uenoさんが、「鎌田さんが前に行きない」と私にポーターからの荷物受け取り係を命じた。私は、uenoさんと入れ替わり、uenoさんは荷物を高く安全なところへ置く係となった。実は、この途中交代が裏目に出たのだ。次は、イグロークーラーの受け渡しだ。重いから細心の注意を払わなければならない。まずはuenoさんのクーラーを受け取り、uenoさんに渡す。そして、私のクーラーだ。重い。たっぷりの氷と飲料水、食料品、餌などがぎっしり詰め込まれたクーラーを受け取った。渾身の力をこめて上の段にいるuenoさんに渡すと、何とuenoさんは私のクーラーをあろうことか斜めになった場所に無造作に置いた。「uenoさん、そこはあぶないですよ」というのが早いか、クーラーはバランスを失い、磯をスローモーションで転がりあっという間に海中へと転落してしまった。

当然、その衝撃でクーラーのふたは開き、中に入っていたものがすべて海へと放り出されてしまった。おろおろしていると、黒潮丸はなれた操縦でクーラーに近づくと、ギャフを使ってまずクーラーを救助。さらに網で浮いているものすべてを掬ってくれた。釣りができなくなると思っていただけに有り難い。失ったのは、氷とドリンク剤、餌の冷凍イカ、撒き餌ブレッダー、アイスピックだけであとは無事だった。まあ、食べ物が多少塩辛くなるのは我慢するとして、飲料水やビール、釣り餌が無事だったのは不幸中の幸いだった。

のっけから波乱含みの展開だが、荷物をすべて受け取ってから、落ち着いて船長のアドバイスに集中した。「下げ潮で、そこの釣り座(船着け)で釣って。そこに白いところと青いところが見えるでしょう。青いところが海溝だから、そこがポイント。上げ潮になったら向こうに行って釣って。7時回収です。」ということばを残して去っていった。本当に、I船長のアドバイスは無駄がなく的確である。


私の釣り座 左右に根があり悩まされる

感心しながら下を見ると、うわっ、こりゃ大変だ。沈み瀬が前に出ていて、仕掛けを回収するときに根掛かりの危険ありという場所だ。上げ潮のポイントである右の方に観察に行ったuenoさんが、「あっちは釣りはできんばい」と一声。我々は、この船付けで勝負することにした。沖に向かって右をuenoさん、左を私が陣取った。私のタックルは、ダイワ石鯛竿「幻覇王」MHと石鯛竿「弁慶」MH。リールは両方ともダイワシーライン石鯛遠投の両軸リール。
25号の中通しおもりによる瀬ズレワイヤー仕掛け。ハリスはワイヤー37番を1ヒロとり、ハリは小さい魚はいらないと鋼タルメ22号を取り付けた。付け餌のサンマをぶつ切りにして、撒き餌のキビナゴを刻んでいると早くもuenoさんがウキフカセ釣りで第1投。餌はオキアミボイルとのこと。フカセ釣りならきっとイスズミの餌食になるはず。とブッコミ釣り一本でいく方針を立てた自分は余裕で、uenoさんの釣りをビールを呑みながら観察していた。すると3投目ぐらいに予想外の出来事が起こった。、

ウキが明らかにまともな魚という魚信をとらえ、海中に消えていった。あわせを入れ、やりとりを始めるuenoさん。どうせ、イスズミさ、と無関心を装っていたが、釣れてきたのは意外な魚だった。45cmほどの青物魚。細長くしっぽに鋭い切れ込みがあり、体に七色の横島が走る魚。磯のレインボーランナーの異名を持つツムブリだった。へえーと思わず声を出してしまった。立神ではツムブリなどの青物魚が釣れることは知っていたが。硫黄島に来てこの時期にこんな魚が釣れるのは、タジロくらいだと思っていたが、ここも中々のポイントかも知れない。

それから、uenoさんは、下げ潮が走る9時までにツムブリを最大50cmを6本ゲット。おみやげを確保したと安堵の表情だ。こちらは、夕方はアカジョウねらい。夜になってからは、シブダイねらいと竿を打ち返すもエサトリの猛攻で本命の気配さえない釣況。そうこうしているうちに、干潮の潮止まりを迎えた。両方とも本命のシブダイを手にしていないが、おみやげを6本釣っているuenoさんが、さしずめ野球で言えば序盤戦「6−0」でリードというところだろう。


第1号はお約束のオキナヒメジ

uenoさんはおみやげを釣っているが気にしない。自分はあくまでシブダイを釣りに来たんだ。おみやげを釣りに来たのではないと、仕掛けを打ち返す。そして、その意志を揺るがすショッキングな出来事第2弾がやってきたのだ。仕掛けを回収するときに根掛かりし、それを解消しようと竿をあおっていたところに、いきなり、磯では絶対聞きたくない鈍い音が静寂の夜に鳴り響いた。

「ボキッ」

えっ。しばらく言葉を失ってしまった。何と愛しの石鯛竿「幻覇王」が真ん中から見事に折れていたのだ。うちの母ちゃんにこれでまた秘密ができてしまった。次の瞬間、修理代の数字が頭の中を駆け巡った。丁度アタリ潮になったので仕掛けを回収して休もうとしたところだった。くやし〜い。ショックが尾を引いていたので、頭を休めるためにどっかと腰を下ろした。起きてしまったことはしょうがない。大切なのはこれからどうするかということ。そこで、おみやげをキープしてややリラックスモードになってたばこを吹かせているuenoさんを見ながら、釣りの選択肢を広げるために、急遽自分もウキフカセ釣りで勝負しておみやげゲット作戦をすることを決めた。

フカセタックルは、ダイワブレイゾン遠投5号に10号道糸を巻いた6500番のスピニングリール。ハリスは10号を2ヒロとり、ウキは2号の電気ウキ。タナを竿2本に設定した。uenoさんからツムブリの餌であるオキアミを分けてもらい、干潮の潮止まり後の、午後11時前に結局ブッコミ1本という計画は破棄され、ウキフカセ釣りでの勝負が始まった。uenoさんが最後にツムブリを釣ったポイントに仕掛けを入れた。潮はアタリ潮で手前によってくる。上げ潮が動くはずだからと仕掛けを回収しようとすると、あれっ根掛かり。風が強く糸ふけが予想以上に出ていて、仕掛けが磯際の根に触れて根がかったようだ。

何とか回収し、第2投。こんどはウキが一気に海中に消えた。あわせを入れるとまずまずの手応え。振りあげてライトを当てると、おなじみのイスズミだった。自虐的に「さすがイス釣り師」と自分に向かって吐き捨てるように独り言。手前はイスズミなら遠投と、今度はさっき投げたところよりも2倍の距離のポイントを攻めた。こんどは、手前にはおっつけてこない。磯に対して平行に潮がほどよい速さで走っている。あの先に根があるからまた根掛かりするかもと回収しようとしたとき、鮮やかな電気ウキの赤い光がゆらゆらと波紋を残しながら海中へと消えていった。あわせるも竿にのってこない。糸ふけをとって2度目のあわせを入れると今度はぐんと竿にのった。慎重に振りあげてみると、やっとでおみやげ魚のツムブリが釣れた。


君はここにもいたか


一応本命だけど

「おっ、釣れたバイな」uenoさんが声をかけてくる。はっきり言って、オキアミをプレゼントしてくれたuenoさんのおかげである。さっきはクーラーを落としてしまったせいか、私にかなりやさしいuenoさん。そのやさしさのおかげでこの後私は猛反撃に転じる。上げ潮が右に向かって走り出すと、uenoさんの竿が沈黙した。その代わりに、私の竿が忙しくなった。完全にツムブリねらいになった私は、足裏サイズのシブダイを釣り上げた後、タナを竿1本半くらいに浅くし、遠投してポイントを攻める。すると面白いように、2匹、3匹と連れ続く。その後、魚が学習したのか餌だけを取るようになった。そこで、さらに遠投して仕掛けをしばらく引き戻し、道糸を張ってアタリを待つと1投ごとにアタリをとらえることができた。これで完全にパターンをつかんだ私は、一気にuenoさんの釣果を抜き去り、ツムブリを6匹、コバンアジ2匹、ホウセキキントキ1匹と9連続の入れ食い状態に。

一方、uenoさんはこれで完全に悩める人になってしまった。「鎌田さんは釣れとるとに、なんでおいには釣れんとな」ブツブツと独り言。その後、キビナゴでも釣れるということがわかった私は、午前2時の満潮潮止まりまでに更にツムブリ2本とメアジを追加した。途中途中でブッコミをやってはみるが、一向に本命の気配がない。竿かけから外して手持ちに変え、魚をかけるもイスズミだった。


釣れんなあ ぼやくuenoさん


かなり引いたと思えばこれ


塩味がよく効いた晩ご飯


なやめるuenoさん 私の釣り座で勝負


幻覇王の戦線離脱は大きかった

午前3時頃から最後の下げ潮が走りチャンス到来のはずだったが、潮は走らず、走ったように見えても表層だけがすべったり、アタリ潮だったりで、これといった出来事もなく夜明けを迎えた。「最後の夜明けまでが最悪の潮だったバイな」夜中にはおみやげ確保し、朝方に本命をゲットという作戦だったが、潮に見放された。残念。

回収の船に乗り込み、下の段に寝てミジメ瀬から回収されてきたおじさんに話しかけた。「どうでしたか」「いやー」とあまり芳しくない反応。潮がさっぱりだったよ。そのおじさんはかなりのベテランで硫黄島のポイントにかなり精通していた。「立神は、上げ潮と下げ潮で釣り座を変えなければいけないところですよ。」「えっ」どうやら、我々の釣り座選択は間違いだったようだ。下げ潮時は沖に向かって左に流れるので船着けでいいが、上げ潮の時は右に流れるので磯の一番北の先端まで移動しなければならなかったそうだ。上げ潮になっても船着けの場所で釣っているとどうしても根かがりなどのトラブルが頻発するのだそうな。「ミジメ瀬は立神との水道側がシブダイのポイント、本島側がアカジョウのポイントだよ。でも潮がねえ」と教えてくれた。


釣れましたかあ 回収でーす

そうかあ、ちゃんと船長のアドバイスをしっかり聴いていればよかった。それから自分で磯の全体像をつかむ作業を怠ってしまったのが敗因の1つのようだ。また、途中で本命ねらいからおみやげねらいの誘惑に負けてしまったことも残念な結果となる原因だ。悔やんでもしかたがない。惨敗だったが、立神という磯を経験できてよかった。この経験はきっとこれからの未知なる磯に挑戦するとき、役に立つはずだ。そして、一回り自分を成長させていつか再び立神に挑戦したいと思う。

今回の釣果は全体的にぱっとしなかったようだ。なぜなら、自分からクーラーを開けたのは船釣りの3人組だけだったからだ。今日は潮の流れが悪く、船釣りでも釣果があったのは、前半の下げ潮に限られていたとのこと。クーラーに氷を入れてもらいながら船長が話しかける。「鵜瀬や平瀬に乗せてあげようと思ったんだけど。東風が強くてね。でも、今日はクーラー落としたからこんなもんやな。まだまだ、水温が高いからね。石鯛は釣れないよ。10月にはいっても夜釣りに行きますから、鎌田さんまた来てくださいな。」こんな厳しい条件の中でも魚と出会わせてくれる硫黄島のすばらしさを改めて確認するのであった。夏空の中を帰路につく我々。今回は、クーラー事件などがあり、特に安全運転をと心がけた。時は正に秋分。やはり夏の日差しが降り注いでいたが、あぜ道にはいつの間にか鮮やかな彼岸花が凛とした姿を見せてくれたのだった。


本日の竿頭 船釣り5人(船長も参加)での釣果


今回の釣果 結局おかず釣りに

ツムブリ×11
コバンアジ×2
メアジ×1
シブダイ×1
ホウセキキントキ×1


今回の料理

ホウセキキントキとシブダイのアクアパッツア
ツムブリの造り

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