2/11 天然の水族館 硫黄島

「この世に大切なのは♪尾長を釣ることだけと♪あなたは教えてくれる」息子が、松崎シゲルの愛のメモリーの替え歌を歌っている。小学5年生になる息子が、なぜこの奇妙な歌を歌っているのには、わけがある。私が釣りを始めた頃、スカパー!でダイワフィールドテスターの丹羽正さんの番組を繰り返し見ていたときがあった。そのころ保育園児だった息子が、テレビをいっしょに見ていていつの間にかその番組で流れた歌を覚えてしまったというわけだ。三つ子の魂というものは恐ろしいものだ。えらく気に入ったみたいで、小学校5年生になってもこの歌を歌っている。

しかし、この歌がもしあるとするなら、その歌に出て来るであろう釣り人とは、実は今の自分のことではないかとぎくっとするのであった。私は、いつの間にか尾長に恋してしまったのだった。2004年1月31日に硫黄島の平瀬で尾長に出逢って以来、自分の思考回路はシナプスレベルで尾長という言葉にも敏感に反応するようになってしまっていた。尾長、ワカナ、クロメジナ、尾長グレ、茶グレ、デカ番、草垣、硫黄島という言葉に対して条件反射のように心拍数が急上昇する。こんな体になってしまった。

2005年12月に鵜瀬で尾長に出逢っていらい、もう2年以上も尾長を見ていないのだ。この切ない気持ちをどう表現したらいいのか言葉が見つからない。ああ、今後いつになったら逢えるというのだ。エメラルドグリーンの瞳を持つしっぽの白い恋人に。尾長のなかでも黒潮の支流に乗ってやってくる大型尾長のことを鹿児島では「ワカナ」と呼んで畏敬の念をもたれている。

そのしっぽの白い恋人に逢わせてくれる釣り場がある。南九州の離島である。草垣群島、宇治群島、津倉瀬、鷹島、黒島、竹島、湯瀬、そして、わがHG硫黄島である。夜釣りでねらうため、比較的浅いタナで、瀬際をねらうことができ、それほど細かい神経を使わなくてもいいということで、ワカナ釣りは人気が高い。南九州だけでなく、北部九州や、関西方面からも釣りにやってくるほどだ。


今期2回目の尾長への挑戦

ここ数年、硫黄島では、12月のハシリの時期から尾長の好釣果がきかれていた。ところが今年は、水温が高いのか、はたまた秋から上げ潮と下げ潮の海水温が極端に変わることが原因なのか、中々尾長の釣果がきかれない。散発的な釣果にとどまっている。どうしてなの?と魚にきいてみなければわからないが、産卵のためにやってくる尾長にとって、今の硫黄島は最適な環境とは言い難いのは確かであろう。

しかし、それでも硫黄島。1月26日のチャーターでも、2月2日の便でも散発的ではあるが、尾長が出ている。何としても尾長に逢いたいと2月9日に黒潮丸に連絡を入れる。ところが、「カマタさん、9日は北西が吹くのでね。時化ですわ。出てもいいところに乗れないから、11日はどうですか。」というрェ入ったのだ。10日は息子の部活の試合に応援に行かなければならないから、それ以外なら11日でもO.K。「船長、11日でお願いします。尾長ねらいで。クロ釣りでは新島が空いてればお願いします。」「わかりました。新島に乗せてあげるよ。」

新島とは、昭和硫黄島と呼ばれている。硫黄島本島の東約2Km地点の海底で、1934年から溶岩の流出を伴った海底噴火が始まり、新しい火山島が形成された。約半年間続いた火山活動が終息した後に残ったのが、この岩礁である。昭和の時代の火山活動のなごりで現在も海岸線に沿って海水の変色域が見られるし、島の低い場所では、温泉がわき出て足湯に丁度いいところもある。島の形は丁度曲玉のようになっていて、曲玉のワンドが南側を向いている。冬場のポイントは主にこの南側向きになるし、夏は逆で北側がポイントとなる。冬は北風や北からのうねりに強く、夏は南からの風とうねりに強い。ということは、この場所は、時化たときによく乗せられるポイントということになる。普通時化たときに乗れる場所は、あまりおすすめでないポイントが多いが、この新島に関しては例外である。

この新島に予約を入れたのには、わけがある。この島は魚影がすこぶる濃いのがその一番の理由。流紋岩で形成された複雑に入り組んだ岩礁は、根魚たちの格好の住みかを提供している。今の時期なら、クロはもちろんのこと、夜釣りや昼釣りでも大型の尾長が出る。南向きの海岸線はすべてクロのポイントと言えるくらいかなりの釣り人を収容できる。硫黄島本島の東側の独立礁のため、潮通しも抜群によく、石鯛や青物も期待できる。また、夏場は北向きでシブダイなどの怪力魚が釣り人を楽しませてくれる。魚影が抜群に濃いということの証明として、ここに来れば、一日中なにがしかのアタリがあり、その魚の種類も多い。正に天然の水族館という名にふさわしい場所なのだ。

しかし、このポイントは長所があればやはり短所もある。東からの風やうねりに弱く、東風にはとにかく要注意である。また、この釣り場は全体的に浅い。底が見えている竿1本ないポイントもあるくらいだ。そのため、船をつけられる場所は極端に少ない。南側のクロのポイントと石鯛場ぐらいである。ということは、クロのポイントに行くには、船を着けるポイントから、重い釣り道具を運びながら、道なきゴロタ場を、渓流の沢上りのように進んでいかなければならない。これが、年齢や体重に比例してこのポイントが敬遠される理由となる。師匠uenoさんも「おら新島はいやばい。」の名言を吐いておられる。でも、よく考えてみると、多くの釣り人が歩くのを敬遠するならば、船着け付近のポイントは、多くの釣り人や餌が入っている。そこから遠くに行けば行くほど、魚はスレていないということになる。自分はまだ40代。道具をもってできるだけ遠くへ行って溶岩グロに挑戦するなら今のうちだ。

1月から2月にかけて、天候は、我々サラリーマン釣り師に味方してくれていた。平日に北西が吹いたと思えば、土日になれば、東風が吹いて波が収まるという展開だ。9日は、風とうねりで10時半途中回収だったそうだが、10日も無事に出て、夜釣りのお泊まりさんがいるという。「餌は、いつもの2/2(オキアミ生2・赤アミ2)でよかったよな。2時集合です。」船長からの連絡で出港決定。10日の午後11時に人吉を出発。いつもの九州自動車道を通り、枕崎港についたのが、午前1半。前回の1月の時と違い、かなりの釣り師の車が止まっている。草垣群島へ行く第八美和丸の車も多数止まっていた。その隣が黒潮丸の客の車だ。

午前2時前、いつもより早めに船長の軽トラックが到着。それを合図に、釣り師の動きがにわかに速くなる。いつものように船長に挨拶をすませ、荷物を手早く船に積み込んだ。上物師と底物師が半々。14,5名の釣り師を飲み込んだ黒潮丸は、暗黒の海へとひた走る。波高予想1.5mの通りあまりゆれない快適な航海。いつの間にか眠っていて、気がつくとはやくもエンジンがスローになっていた。

スローになると渡礁までしばらく時間がある。チャールズブロンソン似のポーターのおじさんが、荷物を出している時間だ。キャビンから外に出てみるが、結構風がある。波もうねりがとれていない状況のよう。「○○さん」船長が最初の釣り人を呼ぶ。船のサーチライトが目標の岩礁を照らしている。天空に突き出た硫黄島の中でも超A級ポイントである鵜瀬だ。幸運な釣り人が、平瀬側に3人、竹島側に2人が渡礁。

立神 大型の尾長が出る1級ポイント
「○○さん、石鯛釣りの人はそこの船を着けたところで、クロは裏に水道があるでしょう。そこでサラシが出るところで釣って。(タナを)浅くして。」的確にアドバイスする船長。感心しているとすぐに声がかかった。「カマタさん」さあ、新島に行けるかな。船長に近寄ると、「カマタさん、タジロでいいですか。タジロはこの前も結構クロが釣れていたよ。」えっ、新島を予約していたはずだけど。「新島はね、夜釣りの船客がいますから。カマタさん、尾長の仕掛けもってきてるの?」うんだあよ。だって尾長を釣りに硫黄島までやってきたんだもの。「西側に尾長のポイントがあるからそこへ行こうか。おとといね。立神で58cmが釣れたよ。その近くの地磯かヒレ瀬とどっちがいいですか。と言われても、困ったものだ。でも地磯なら1番瀬、2番瀬と乗ったことがあるので、一度も乗ったことのないヒレ瀬にいくことにした。なんのあてもない中で「ヒレ瀬」を希望した。

船は暗闇の海をしばらくひた走り、エンジンをスローに。サーチライトが目の前の巨きな巌を照らしている。石鯛、青物のポイント立神である。ここの大型の尾長の実績も高いらしい。「○○さん、ここは58cmが出ているよ。瀬際をねらって、昼になったらヒラスが喰うから」ベテラン釣り師が二人渡礁。大瀬にも釣り人を乗せ、船は反転し、永良部ア方面へ走る。ここは風裏になるとあって、夜釣り師という海ほたるが息を潜めて尾長を待っていた。そんな中空いている瀬に近づく黒潮丸。ヒレ瀬に渡礁。初めての場所だけに船長のアドバイスを聞き逃すな。「尾長はそこの足下、裏の水道もいいよ。クロは、その左側か裏でも喰うよ。」沖向きでも水道側でもいけるというありがたい瀬のようだ。

さあ、こうしちゃおれん。待ちに待った尾長釣りだ。急いで、タックルと撒き餌を準備。竿は幻覇王石鯛竿。10号道糸を巻いたスピニングリール。2号の電気ウキにハリス10号。タナは2ヒロから始めることにした。午前5時過ぎに第1投。撒き餌を効かせて瀬際をねらう。しばらくは餌が盗られない時間帯が続いたが、20分ほどたつとエサトリが出始めた。潮は手前に当たってきている。瀬際に仕掛けを落ち着かせることができ好都合だ。左側は昼にはクロのポイントになるため、サラシが出ている。よって釣り座から右に仕掛けを入れて流すようにした。

第1訪問者はやっぱり君か 尾長に変身しないかな

それまでまったく動きのなかった電気ウキが消し込んだ。竿を立てて応戦。しかし、軽い!浮いてきたのは、予想どおりイスズミ。キロサイズの元気者をタイドプールに生かしておく。とにかく、魚の活性は悪くない模様。最悪ではなさそうだ。その後も、瀬際をねらい続けるが、釣れてくるのはイスズミだけ。そして、尾長釣りで最も濃厚な時間夜明けを迎えた。白い朝が水平線からやってこようとしたその時だった。電気ウキがロケット弾のように一気に海中へと消し込んだ。反射的にあわせを入れる。今回は心の準備をしていたので、竿を立てられた。そして、確かに魚の疾走を止めた気がした。この引きからして、かなりの怪力魚であることは間違いない。このチャンス逃がすものか。一度止めたと思えたが、次の瞬間、やつは再び足下への突っ込みを開始した。こちらは石鯛竿だ。そう簡単にのされるはずはな・・・・・(という独り言の途中で、無念。竿先が天を仰いだ。)い。あれっ。幻覇王は強い魚からの応答から解き放たれた。痛恨のバラシ。なんでだ。瀬ズレはあり得ないし。仕掛けを回収して原因を確かめる。ハリのチモトがぶち切られていた。この時間帯でのバラシはチャンスが途絶えたことを意味していた。この後、何の音沙汰もなく夜釣りを終えたことはいうまでもない。


10号ハリスぶち切られ


悔やんでも悔やみきれないバラシ。やはり石鯛竿に対して強度のバランスが悪すぎたか。ワイヤー仕掛けがよかったか。後で硫黄島に精通している関ちゃんに聞いたら、「55cmUPの尾長なら、月夜で12号から16号ハリス。闇夜ならワイヤーハリス。」が正解だったという。また、腕を磨いて、そして、しっかりした準備をしておいで。硫黄島の尾長から宿題を出されたと自分でその悔しさを飲み込み。昼釣りの準備を始めることにした。

昼用の撒き餌をつくり、昼用のタックルを撒き餌をしながら準備にかかっていたが、まわりの状況を確認した。硫黄島のクロ釣りの定石であるサラシの出ている場所を確認した。船長が勧めた場所はほどよいサラシが出ている。しかし、どうもこの場所でクロ釣りをする気持ちになれなかった。1月にこの周辺でカスミアジ(このあたりの釣り人はナンヨウカイワリのことをカスミアジと呼ぶので、本当にカスミアジならいいのだが)が入れぐったという情報が気になっていた。このところの硫黄島では水温が高めのせいなのかはわからないが、青物がクロを駆逐する情報が多い。平瀬では、ムロアジ攻撃。鵜瀬はツムブリ攻撃だった。できれば青物のいない場所がいいなと本心は瀬替わりに傾いていた。

以下は、尾長の状況である。

夜釣りはほぼ壊滅状態 みゆき瀬

ヒレ瀬の船着け ぶち切られ

三段もアタリなし


鵜瀬はコナガ1匹

するとタイミングよく、黒潮丸が登場。マイクで状況を確認している。「カマタさん、釣れましたか。」いつもの×のサインを送る。「瀬替わりしますか。」これもいつものうんうんの返事。ここでなければ、タジロでもいいか。そんなことを考えながら荷物をまとめ船に飛び乗った。西磯周辺の状況を聞きながら回収する過程で、立神で1.5kgの尾長が釣れたのが一番の好釣果だった。船は西磯を抜け鵜瀬に向かった。自分はどこに乗せてもらえるのだろうか。

鵜瀬に向かう途中で、海が予想以上に悪いことがわかった。北よりの風とうねりで船は、減速を余儀なくされた。船の前部分にすわることは危険と、キャビンの後ろにかくれた。東に行けば行くほど、海は悪かった。東からのうねりだろう。平瀬をチェックしたが、やはり誰も乗っていない。鵜瀬に近づいた。「○○さん釣れましたか。」平瀬側はダメのサイン。「○○さん尾長釣れましたか。」竹島側では、両手の人差し指でサイズを表した。大きくないサイズだが釣れた模様。竹島側のベテラン釣り師を回収して、船長が言葉をかける。「カマタさん、新島行きますか。」2人しかいないので大丈夫とのこと。尾長を釣ったというベテラン釣り師に聞いてみた。「サイズはどうでしたか。」「小さい。コナガだよ。」顔の渋い表情でも不本意なサイズだったことがわかった。


新島へ瀬変わり 高場のポイント


新島に近づく。海は相変わらずよくない。季節風に強い新島の船着けのはずだが、サラシで真っ白。私とコナガを釣ったベテラン釣り師二人での渡礁。うねりで中々船は近づけない。先客は、2人とも船着けで釣っている。しめしめ。何回かに分けて何とか渡礁完了。早速、ベテラン釣り師の方が、「どこで釣ります。あっちへ行きますか。」「はいっ。」「なら上の方から行った方がいいですよ。あそこに鳥がいるでしょう。あの鳥の右側から行くと楽に行けるよ。もうすぐ満潮だから釣れるよ。」この方も硫黄師のようだ。あのポイントを知っているということはただ者ではない。

さて、いよいよ道無きゴロタ場を歩く。竿ケースに竿2本玉網入れて、リールも入れて。バッカンには、餌とドンゴロスと飲み物などを詰めいざ出陣。直線距離は200m位だろうけど、このゴロタ場歩きは、距離以上の体力を要する。また、岩石も流紋岩が主なため、滑りやすい。今日は、フェルト系の磯靴だったのでかなりのアドバンテージだ。道無きゴロタ場を歩きながら途中のワンドのポイントなどもチェックするが、満潮も近いことだし、このうねりでは釣りは無理だろう。ということは、目的地である高場では何としても釣果をあげなくてはならない。


東からのうねりで洗濯機状態

15分ほど歩いてようやく目的地に到着。汗びっしょりだ。今日は汗を熱に変える下着を着ているので、安心。釣り座から海を見るが、東からのうねりで正に洗濯機状態。どこに仕掛けを入れていいのかわからないような状況。とりあえず、餌を撒きながら仕掛けを作ることにした。竿はがま磯アテンダー2−53。道糸3号にハリス2.75号。ウキは釣研競R3Bをチョイス。このウキは前回も活躍してくれた。感度がよく、安定感もありこの硫黄島の瀬際釣りにぴったりと思う。撒き餌をしながら潮の流れを読む。後1時間で満潮。上げ潮が釣り座から右に流れている。この潮は今まで余りよかったためしがない。

下げ潮が勝負だなと30分間撒き餌を続けて、午前8時半に第1投。さあ今日の新島の魚の機嫌はいかにと瀬際に仕掛けを落とす。タナは1ヒロ半から始める。すると、ウキが馴染むと一気に消し込まれた。あわせを入れる。竿先をがんがん叩く。離島のエサトリ代表選手イスズミである。すぐにリリース。いつもは、サラシのできるタイミングを見計らって仕掛けを入れるのだが、この状況ではむしろ逆で、仕掛けが落ち着くであろうサラシが弱くなったタイミングを見計らって入れなければならない。

ここは本当に魚影の濃いところである。その証拠に1投ごとに必ずアタリがある。常に魚からの便りがあるというのは本当に楽しいものだ。いろいろと教えてくれる。「仕掛けを入れる角度がわるいじゃないのさ」「あわせのタイミングがずれてるよ」「つけ餌と撒き餌があっていないよ」「あわせが弱いからだよ。」「仕掛けを張りすぎているよ。」アタリがあるからこそこちら側も手を変え品を変え工夫する。タナは、ハリは、ハリスは。そしてようやく釣り始めて30分たった午前9時、ウキが疑心暗鬼でないやる気のあるスピードで消し込まれた。竿を叩かない、一直線の華麗な引き。上がってきた魚は紛れもなくエメラルドグリーン色のクロだった。30cmを少しこえた許せるサイズ。ボウズ脱出にホッと胸をなで下ろす。


下げ潮は青物大会に
このクロの釣果をきっかけに魚の活性がぐっとあがった。イスズミとクロが交合に釣れる展開に。足裏サイズが多い。大きくなってからおいでとリリース。3、4枚目は39cmと38cmの良型が挨拶に来てくれた。5枚目を釣ったところでアタリが遠のいた。満潮の潮止まり。上げ潮でこれだけ喰うなら下げ潮は期待できるぞ。なにせこのポイントは下げ潮でもクロがよく喰うポイントだからだ。この釣り座の足下から流せば、仕掛けがクロが住みかとしている沈み瀬に一直線だ。前回の1月の釣行でよく釣れたパターンで数が稼げるはず。そんな期待を持ちながら下げ潮を待った。遅い朝食をとりながらしばらく磯を休ませ、撒き餌で下げ潮が動いたことを確認して、再び釣り始めた。さあチャンスだと思った瞬間、第1投からウキが消し込んだ。激しく竿を叩いている。また、イスズミかと思いきや上がってきた魚は意外な魚だった。青物のナンヨウカイワリである。塩焼きでうまいからとキープとここまでは余裕だったが、これから全く予想外の展開に。青物を中心に外道ばかりが釣れてくる展開になった。

ナンヨウカイワリ

タナを浅くした ダツ

ソウシハギ

タナを2ヒロくらいに深くする  赤ブダイ

鮮やかな緑色のベラ

イスズミ

またさっきのベラ

イスズミ

再び1ヒロ半に ナンヨウカイワリ

ギンガメアジ

瀬際釣りだい!  イスズミ

イスズミ

流し釣りだい! ナンヨウカイワリ

再びタナを浅く1ヒロに  またまたダツ

ナンヨウカイワリ

タナを1ヒロ半にもどす

イスズミ

イスズミ

ツムブリ

ナンヨウカイワリ

どうなってんの、クロはいずこに?とここまできたところで、近くのポイントで釣っていた釣り師が声をかけてくれた。「もうやめ」時計を見ると12時20分。1時回収だから、早めの撤収をと道具を片付けた。11時頃から予報に反して雨がぱらついている。ずぶ濡れになる前にと船が早めにやってくることも考えられる。声をかけてくれてありがたかった。風と波は益々強くなり、途中回収しやしないかとひやひやしながらの釣りだったが何とか時間いっぱいできたことは幸運だった。釣果は今一歩だったが、常に竿を曲げて楽しませてくれた。下げ潮は、正に天然の水族館のごとくいろんな魚が挨拶に来てくれた。新島の魚影の濃さをあらためて確認した今回の釣行。回収の船を待つ中、次こそは尾長に出逢いたいと早くも心は、次回の釣行へと向かっているのであった。


みんなずぶ濡れ お疲れ様

危険な回収 落ち着いて


港へ帰って、今回の釣りを振り返った。水温がまだまだ高いということと潮の動きが今一だったということだった。尾長も不発。口太も新島の2日釣りの方が、「足裏サイズを入れて20枚」が竿頭。「下げ潮からは、青物大会でしたよ。」と船長に新島の状況を説明した。「水温が高いからね。潮もおかしかったな。あれだけ小さいサイズが釣れるんじゃ。この雨と風とうねりじゃしょうがないね。また、いいときに来てぜひ大釣りしてください。」船長に礼を言って港を後にする。そして、まだまだおいらの尾長釣りは夢の60オーバーを釣るまで終わらない。再びこの天然の水族館硫黄島の夢ステージに立つことを心に刻んで、帰路につくのであった。


本日の釣果

クロ×5(39〜30) ナンヨウカイワリ×5 ギンガメアジ ツムブリ
硫黄島船長アドバイス

9・10・11日と連日出船となった硫黄島は、相変わらずの高水温の影響で青物が多く、上物ねらいは苦戦を強いられた。波風ともに強く、渡礁ポイントも限られ、場所によってはキロUPを頭に20匹好釣りも見られたが、平均一人4〜5匹と瀬ムラが目立った。エサトリの姿が見えなくなるほどいい雰囲気になる時間帯もあったのだが、この時期に足裏サイズが釣れてしまうなど、硫黄島のクロはまだ本調子までほど遠いようだ。今週は、寒波の影響で一気に冷え込む予報となっているので、釣況が好転してくれれば、大型尾長を頭に2桁釣りも有望。水温低下に期待したい。


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