9/21 鯛釣りでJAFを呼ぶ 蒲江

今年も道ばたの彼岸花が鮮やかな姿を見せてくた。秋彼岸にあわせたように凛とした姿を見せてくれる。この花がさくと、私は不思議と彼岸花ように鮮やかな色と見事なプロポーションをもつ魚に逢いたくなる。それは、魚の女王マダイである。小さなサイズなら結構釣り人を楽しませてくれるが、大きなサイズとなると中々出合うことはできない。この時期、本来ならば、硫黄島の夜釣りといきたいところだが、釣行を計画している土曜日の翌日に子供会の廃品回収があるため、自動的に昼釣りとなる。

 日中の昼釣りでこの時期のマダイとなると、大分蒲江の曳き船が頭に浮かんだ。養殖筏の周辺で良型のマダイやイサキがコンスタントに釣れているという。西の浦釣りセンターの船長に連絡をとると、1人では困るらしい。そこで、最近、釣りにハマリかけているKOHちゃんを誘うことにした。先週、錦江湾の弁天島で惨敗を喰らったKOHちゃんを立ち直らせるには、マダイを釣らせるしかない。連絡をとると、行きたいとのこと。金曜日の夜10時に自宅集合し、大分蒲江に向けて出発した。


快適な無料休憩所 西の浦釣りセンター


さあ出発だ 一番楽しいとき


ポイントは養殖生け簀まわり


午前中はジャンボイサキがポツポツ


今回の釣果 さみしい〜い


おいらの愛車が・・・JAFのお世話に

行きがけに猫、たぬき、しか、そして最後にイノシシに突進されながらも、ようやく愛車イプサムは我々を西の浦釣りセンターへ連れて行ってくれた。午前6時に出航。「昨日の台風で養殖生け簀を全部撤去してね、朝から修復作業だったよ。それで、今まで一番いいところにいけすがあったけど、変わってしまってね、喰うなら午後からかなあ」と今回の釣りが厳しいものになりそうなことを船長はさりげなく我々に伝えてくれた。

 仕掛けは、6号ハリスを3ヒロほど取り、そこに3号の本ハリスと枝ハリスを取り付ける。L天秤に蓋付きのカゴ。おもりは25号から30号。ハリはキンリュウのアジバリ5号でないと喰わないそうだ。撒き餌とつけ餌はオキアミ生。最初のポイントは、10〜13ヒロだ。
 朝からいい潮が流れている。先客の2人組がポツポツとイサキを釣り上げている。そのイサキのサイズ驚いた。小さいもので40センチ、大きいものは1.5kgはあるジャンボイサキだった。磯ではまず釣れないサイズだ。こちらは、ハリスが長いため、仕掛けを絡ませたりして、中々喰わせ切れない。午前中の上げ潮の時に何とか、42cm、40cmのイサキを釣った。KOHちゃんも小さいサイズながらもマダイとヘダイを釣り更なる獲物を求めて挑戦するも、潮が変わってからは、魚との更新が途絶えてしまった。一度港に戻って、午後から再び挑戦したが、魚からの反応はなく、午前3時納竿となった。

 事件はこの後起こった。愛車イプサムは、快調に国道218号線を延岡から高千穂の山道を越え、熊本県に入った。山都町の矢部を過ぎたあたりで、まず始めにKOHちゃんが車の異変に気づき始めた。「ラジオの音が出ているんですかね。」おいらも耳をすませてみると確かにわずかな音が車の内部から聞こえてくる。その音はやがて大きくなり、あきらかに車に何らかのトラブルが発生していると考えられるレベルまで達していた。ようやく砥用にさしかかったころだ。車を確認しようと、道ばたの広い地点に留め、フロントを開けてみた。ファンベルトが切れたのだろうかと調べてみるが、異常なし。タイヤにものが挟まっているのでもなかった。一体どうしたんだろう。時計を見ると、午後7時30分を過ぎていた。これはヤバイかもガソリンスタンドや整備工場でもあれば見てもらおうと、再び車を走らせることにした。

 走り始めると明らかにおかしい。音が更に大きくなったばかりでなく、回転している鉄製の輪が切れてまわりの鉄の壁に当たっているのではということが想像できるほど明確な音になっていた。シャカシャカという音は更に大きくなり、エンジンの回転数が急激に落ち始めた。そして、ついにはトンネルの前で止まってしまったのだった。路肩に車を寄せ、心を落ち着けることにした。

 JAFを呼び、来てもらうことにした。このまま車を自宅へ牽引するなら6万円はかかりますねと冷たい対応のお姉さんとは違い、駆けつけてくれたJAFのおじさんはとても親切だった。おそらく、エンジンの中のタイミングベルトが切れたのでしょう。「私の知っている整備工場がありますので、そこへ牽引しましょう。そこに家族に迎えに来てもらえばいいですよ。」おいらもKOHちゃんもただ呆然と立ちつくすしかなかったのだが、希望のもてる一言をもらい心が落ち着いたものだった。

 甲佐町の某整備工場まで運んでもらい、13キロだったので牽引料金4800円を支払い、お礼を言って別れた。災難だったのはKOHちゃんだ。おいらの誘いに乗ったために釣りで惨敗、しかも、JAFのお世話というダブルパンチ。フォローの仕様がなかった。救いは、また釣りに行きましょうという言葉に、返事を返してくれたことだった。

 今回のエンジントラブルは考えてみると不幸中の幸いがたくさんあったことに気づいた。まず、このトラブルが、釣りの後ということである。それから、トンネルの中ではなく、手前で止まったこと。そして、これが高速道路の走行中でなかったこと。また、遊びの帰りで、通勤中や仕事中でなかったなど、考えたらきりがない。そして、最大の幸運は、クーラーの中に魚がほとんど入っていなかったことで迎えに来たうちの奥様の車を汚すことがなかったことだった。釣れなかったことは、車のトラブルの時にはかなりの精神的アドバンテージになることを学んだのだった。





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