01/04 初釣り HETAは地球にやさしいのだ 甑島 鹿島 

  1月4日、小潮。干潮が6時04分、満潮が12時22分。甑島では、順調に水温が下がり、18度になった。これからクロの食いが活発になり、一年中でもっとも数型共にそろう時期にさしかかる。年末年始に寒波が到来したものの3日から緩んで4日は波高1Mとこの冬初めてというくらい安定した予報だ。


今年も初釣りは誠芳丸 今年もお世話になります

 午前1時頃、串木野港に到着。誠芳丸がつける場所は、海上保安庁が停泊している反対側の岸壁。そこに、離島のロマンに魅せられた磯釣り師がすでに集まっていた。我々の後も次々に車がやってきて、釣り師がふえていく。年末年始の休日最終日。クロが喰いだした甑島の釣況。様々な要因が、金融恐慌の中でもこれだけたくさんの釣り人を集めたようだ。
 しかし、それにしても多すぎる。40名近くにふくれあがっている。船の定員はどう考えても20人くらいのはず。その疑問も近くに停泊している漁船をみて解決した。「○○さん、向こうの船に乗ってください」N船長が釣り人に指示をしている。どうやら、あふれかえる釣り人に何とか釣りをさせようと仲間の漁師に頼んで漁船を出してもらったようだ。この2船体制がとんでもない人数の釣り人を飲み込んだのだった。
 通常、これだけの人数を乗せるなら、魚より人間の数が多くなり釣果があがらない。また、鹿島の渡船は、誠芳丸の他にも、ハーバーワン、親和丸、昴エクスプレスとそれぞれ離島へ乗せるに十分な大きさの船がある。のせる釣り場がなくなるなどの問題が生じてしまうのだが、鹿島のフィールドのふところはとても大きい。こんな状況でも多少瀬ムラはあるもののほとんどの釣り人にクロの釣果が得られるそうだ。だからこそ、これだけの不況の中でも釣り人が集まってしまうというわけだ。
 「uenoさん、荷物を乗せてください。」メモを見ながらN船長が荷物の積み込みを指示し始める。これだけの人数だ。荷物に関するトラブルをなくそうという、あるいは、瀬渡しをスムーズに行うための配慮だ。この釣り人の立場に立って仕事をするN船長の人柄が伺える。全員が乗り込むと、誠芳丸と漁船は暗黒の東シナ海へと旅だっていった。
 波高1mというこの時期にしては珍しい凪ぎの東シナ海をほとんど揺れることなく快適な船旅であっという間の60分間でエンジンがスローになった。「uenoさん、次です。」我々が乗せられるのは、鳥の巣というポイント。ここも釣果が安定している場所だ。


ビギナーズラック ミズイカ1kg

時間がもったいないため、夜明けまでの数時間、餌木の投げることにした。30投くらいした後、根掛かりかと思ったのは、生まれて初めてのイかのあたりだった。2009年の初釣果は意外にもミズイカ1kgということになった。


昨年のうっぷんをと今年にかけるuenoさん

夜が明けて早速、釣り開始。しかし、釣れてくるのはネンブツダイのみ。クロはいないのか。釣り開始から2時間ほどたってようやくイスズミが竿を曲げるようになった。下げ潮に入ったのに、一向に潮が左に流れる気配がない。下げになると左沖に本命潮が流れるはずだが。


久しぶりの鳥の巣で 本命釣り座


2009年第1号は、44cmの美しい口太

 そして、10時頃、ようやく左方向に潮が流れ出したところで、ウキがやる気のあるスピードで消し込んだ。合わせるとやつは一気に底に突っ込み、更足下に突っ込んだ。浮いてきた魚はしっぽの白いまぎれもないクロだった。慎重に玉網をかけると44cmのクロがやってきてくれた。


 足下に突っ込む君は誰だい!


おめでたい魚 アカハタ君でした


 40upの本命を釣りホッと一息

 uenoさんも何とかクロを釣り、ボウズ脱出。クロの食いが満潮を迎えるところでようやく出てきたようだ。しかし、一端本命潮と思われた流れは一瞬で、後は再びもとの右流れに変わってしまった。魚はいるのは分かるのだが、技術がなくどうしても喰わせられなかった。そこで、無情のタイムアップ。後ろ髪引かれる思いでこの磯を後にした。


訪問者のみなさん今年もよろしくお願いします


2日釣りのuenoさんとはここでお別れ

 私が、クロが2枚(44cm、40cm)とミズイカ1ハイ、uenoさんがクロ3枚という結果に。この後、uenoさんは、午前中で20枚釣れたというヘタの瀬上に渡礁。ちなみにuenoさんは、この後3枚追加し、翌日は1枚に終わったとのこと。釣りは中々思うようにいかないね。やっぱりHETAは地球にやさしいということを再確認した今回の釣行。本当のエコ釣り師というのは、HETA釣り師ではないかと本気で思うのだった。

本日の料理
クロとイカ、両方とも2日くらい寝かした方が甘みがでるようです。

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