7/26 マル秘釣法炸裂 硫黄島


盛夏の硫黄島

「ゲームセット」
 
 釣りが三度の飯よりも好きなおいらは、確実に最も釣りに行きたくない瞬間だった。この後結果として甲子園出場を決めたチームにわが息子のチームは敗れてしまったのだ。
 
 中学からの6年間、ずっと息子とともに野球の夢とロマンを追いかけ、土日はほぼ野球の試合に時間をさいてきた。不本意なプレーであれば、叱咤激励し、よい結果を残せれば楽しく試合を振り返りながらも次の試合に向けて気持ちを引き締める。
 
 試合が終われば、家族での野球談義に花が咲く。野球を中心に回る家族の時間。その野球がついに終わってしまったのだ。でも、皮肉なことにこれからは、土日に可能な限り大好きな釣りに行けるのだ。
 
 釣りに行ける時間ができた喜びは、同時に高校野球の終わりという寂寥感も伴っている。しばらくの間、野球のことも釣りのことも考えずぼーっとした日々を過ごした。
 
 しかし、ありがたいことに、そんな時に声をかけてくれた人がいた。Uenoさんである。
 
「もしもしkamataさん、今よかな。」
 
 久しぶりの師匠の声。電話の内容はほぼ特定できる。おそらく、釣りに行ってよかったことを誰かに聞いてもらいたいということと、釣りへの誘いだろう。もう20年近くのつきあいだから、容易に予想できる。
 
「この前、硫黄島に行ったっタイ。平瀬の高いところに乗ったバイ。」
 
「えっ、平瀬の高場ですか。おれ一度もそこに乗せてもらったことがないですよ」
 
と一応驚いてみせる。
 
「どがんだったです(どうでした)か。」
 
「あのね。9時までは全く当たりがなかったバイ。でもキロオーバーが3枚くらい混じって全部で7枚釣れたよ。」
 
 今まで夜釣りでは、野間池か黒島ばかり行こうとして、これまであまりいい思いをしたことのない硫黄島になかなか行きたがらなかった。でもその硫黄島に一人で行くなんて、今までなかったことだ。その気まぐれな冒険心は、uenoさんに味方した。
 
 今まで何度通っても一度も渡礁を許されなかった平瀬高場に乗ることができ、しかもuenoさんにとって硫黄島で最高記録となる7枚のシブダイを得ることができたのだから。
 
「よかですねえ。でも26日は出張が入っているんですよ。広島大学附属小学校に。すみません。」
 
「そうか。それは残念やなあ。また、時間ができたら行こい。」
 
 土曜日に出張が入るなんて、珍しいがこれも仕方がない。あきらめて数日間を過ごすと、ひょんなことから幸運が舞い込んできた。なんと決まっていたはずの広島出張がだめになっていたのだった。
 
この幸運を逃す手はないではないか。一瞬気を失ったかに思えたが、無意識のうちにいつの間にか黒潮丸の船長に電話をしていたのだった。
 
kamataさん、シブが釣れてるよ。この前uenoさんが平瀬に乗って結構釣ってたよ。」
 
いつもの船長の誘い文句。その言葉を疑いの念をもって聞く可能性はゼロだった。すぐさま
 
uenoさんとおいらの二人でお願いします。」
 
と切り返してしまった。
 
 かくして、釣りバカ二人は、硫黄島に向かって楽しく準備を始めるのだった。なにせ3年ぶりの硫黄島の夜釣り。何をどう準備していいのかなかなか見当がつかないでいた。
 
 
 シブダイのぶっ込み仕掛けってどんな感じだったっけ。昔の記憶をたどりながら、丸球おもり30号やアカジョウねらいのワイヤー仕掛けがないことに気づき、準備をして当日を迎えた。
 
 台風通過の10日以内というところで晴天が続き、シブダイ釣りに有利な条件となる日中の照り込みが十分に整った。
 
 九州自動車道を南へ下り、谷山JCTから一般道に入って、薩摩路を走ること2時間でAZ川辺店に到着。釣り具を買って、枕崎に入ったのが午後2時半を指していた。
 
 今日は、大潮周り。大潮周りでこの硫黄島であまりよい思いをしたことのないことを不安に感じながらも、気温34度の港で荷物を船付き場に持っていく作業に取りかかった。
 
 このところ地球温暖化のせいかどうか定かではないが、気温、水温ともに上昇気味である。
 
ちょっと荷物を運んだだけなのに全身汗でびっしょりだ。なにかまとわりつくような熱風を感じながら、荷物を岸壁に運んだ。
 
冬場の尾長釣りとは違った実にのんびりとした出航前の情景。3時出航と思って2時半に来てみたが、実際は3時集合みたいだった。
 
 
 ほどなく、船長がいつもの軽トラックで登場。硫黄島のベテラン釣り師2人組と話をしている。
 
「台風のうねりが入っているみたいなんだよ。」
 
 船長が渋い顔。確かに、さっきから空を見上げると、比較的早い夏雲の動きを確認できる。南風もそこそこ吹いていた。
 
 これでは、大潮周りのこの日、平瀬には乗ることが不可能かもしれない。う〜〜ん。心配しても仕方がない。本命の磯に乗れなくても、そこで最善を尽くすというのが磯釣り師というもの。
 
 荷物を運んで船に乗り込み、乗船名簿を記入し、キャビン内にすべり込んだ。クーラーが効いている船内はまるで天国だ。
 
 
 本日の釣り師は2人組が4組の合計8名。最近の状況はさっぱりわからない。なにせuenoさんが平瀬で好釣りをしたのは3週間も前の話だからだ。
 
 数ある離島便のなかでも指折りの快適さを誇る黒潮丸のキャビン内で、横になっていると、
 
「ぶるん、ぶるん」
 
 黒潮丸の命の息吹が躍動し始めた。ゆっくりと旋回しながら、湾内を進んでいる。もう10年も黒潮丸に乗っていると、キャビン内に寝ているだけでも容易に船の外の様子が想像できる。
 
 船はやがて沖堤防を過ぎると、高速走行になり、硫黄島めがけて一直線だ。90分ほどの航程だからゆっくり横になろうと思うが、どうも今日のクーラーは寒すぎる。
 
 今日は暑いことを想定して、フィッシングウエアではなく息子の野球用のアンダーシャツを借りてきたのが間違いだったが。体がどんどん冷えていくようだ。
 
 これはたまらぬと、キャビンの外に出た。外は、風が当たるので気温の割にとても涼しい。
 
 後ろを振り返ると、枕崎の港がどんどん遠くなっていく。右手に見えるのは薩摩半島の象徴でもある開聞岳。前方には、硫黄島らしき島影がわずかに見えるだけ。
 
 
 夏の夜釣り限定のクルージングを楽しんだ。これだけでもこの船に乗ってよかったと思う。
 
 心配した海況だったが、南西からのうねりはあるものの釣りはできそうな感じがする。しかし、大潮周りで平瀬にはたして乗れるのか。渡礁場所が限られる展開になるのではないか。と、期待と不安が交錯する。
 

 
 しばらく走っていると、左前方に竹島が見えてきた。ということは、前は硫黄島か。はっきりと見え始め、まもなく到着を予想する距離まで近づいてきた。
 
 到着が近いことを察した二人組の釣り人がデッキに出てきて声をかけてくれた。
 
 
「あのブログやっている方ですよね。」
 
 予想していなかった声かけに戸惑うおいら。
 
「ありがとうございます」と返すのが精一杯だった。
 
 聞くと、遠く福岡から来られたそうな。せっかく、硫黄島に来られたんだもの。いい思い出を作ってほしいな。
 
 
 新島がはっきり見えだした頃、その右横で米粒みたいな大きさの独立礁がだんだん大きくなってきた。硫黄島を代表する名礁「鵜瀬」である。
 
 また、低いけど名前に似つかわしくないほどでこぼこした巌の集合体である平瀬もみえてきた。
 
 
 
 そして、ちょうど出航してから90分で黒潮丸はエンジンをスローにした。さあ、どこに乗せてもらえるのだろう。そのとき、突然船長から声がかかる。
 
kamataさん、どこにのりたい?平瀬はこの前も結構釣れてたよ。Uenoさんと相談して。」
 
 極力客の要望に応えてくれる船長の気持ちはうれしい。これはあの名礁「平瀬」に乗れるぞ。Uenoさんに判断を仰ぐことにした。
 
「おら平瀬はよかバイ。あそこは、2人は難しかよ。やめとこい。」
 
 えっ、せっかくに平瀬に乗れると思ったのに。Uenoさんの意見は違っていた。
 
 Uenoさんの解説によると、平瀬の高場は、見た目よりも釣り座が狭く、2人は無理だという意見だった。上げ潮と下げ潮のポイントが違って、途中は足を水に濡らして移動しなければならないらしい。
 
 Uenoさんは、釣れるポイントよりも、足場とか釣りやすさを優先させる釣り師だった。
 
 
磯釣り師、みんなちがって、みんないい。それならいいが、みんないい磯はあり得ない。Uenoさんを説得することをあきらめ、平瀬がだめだとわかると、鵜瀬を提案してみた。すると、uenoさんは、「あそこは足場がよかけんよかバイ。」とあっさり承諾。
 
我々二人組は鵜瀬に渡礁することがきまったのだった。
 
 平瀬に2人組みの釣り師を低場に瀬上げしたあと、鵜瀬へ向かっていった。我々が鵜瀬を選択したことに対して船長は、
 
「平瀬は、大潮だから激流になるからね。でも鵜瀬は上げ潮、下げ潮ともに逃げ場があるから。」と評価してくれた。
 
 
 
 黒潮丸が鵜瀬の脇腹にがっぷり四つになる。無事に渡礁を済ませ、「上げ潮はそこ、下げ潮はここね。7時に(迎えに)来るから。」という声を聞いて、船が去って行くのを見送った。
 
「やっぱ鵜瀬はよかバイ。足場のよかもん。」
 
背中に夕陽を背負ってuenoさんが実に満足そうにつぶやく。そのuenoさんの左には、硫黄島を象徴する硫黄岳がもうもうと白い噴煙を上げている。
 
 心配した暑さも心地よい南西の風が吹いてきて心配するほどでもない。鵜瀬は硫黄島の北東側に位置する独立礁。南西からの風とうねりは気高き硫黄岳がふさいでくれている。おかげでこのあたりは凪だ。
 
 
 
 「Uenoさん、たぶん、この風とうねりじゃあ、西磯は無理みたいですね。」
 
と声をかけてみるものの、返答はなく。Uenoさんは自分の釣りに集中しているようだ。
 
今日は大潮周りで満潮は午後7時半。初めは上げ潮だが、夜釣りの前半は下げ潮での釣りとなる。
 
 下げ潮か上げ潮かのどちらのポイントにピトンを打つべきか思案のしどころだ。
 
「おっ、ここがよかバイ。」
 
 鵜瀬の周りの情景に見とれている間に、uenoさんは早速、よい場所を見つけ早々とピトンを打ち込んでしまった。
 
 さあ、まずは餌だ。付け餌はサンマだ。凍っていたサンマはちょうどいい具合に溶け出していた。この堅い状態の時に切っておくのがベストだ。
 
「サンマの頭が一番よかったバイ。サンマの胴体はぜんぜんもたんやったもん。」
 
 
 
 
このuenoさんの情報から、今回の釣りは、サンマの頭がメインの餌になりそうだと予想を立てた。サンマの頭の上から斜めに腹の方向に向けて切っていく。こうすることで、血合いや臓物を好む夏魚の趣向にも、餌取りの猛攻にも耐える付け餌としても使える。
 
 そして、そういえば船長のアドバイスも気になったっけ。
 
「明るいうちは撒き餌をしないでよ。」
 
これまでの経験から、船長がこんなことを言うときは、餌取りがものすごく活発で本命へつけ餌が届かない状況であることが多い。
 
 この状況は餌取りの猛攻が激しく、まるで温泉のような水温になった8月の海と考えた方が良さそうだ。
 
 海をみると、いたいた。ここ鵜瀬の要塞を守る歩兵集団が。まるで春先の浮きグロのように集団で悠々と流れに逆らって泳いでいる。ほとんど天敵がいないこの魚は、警戒心も薄く、釣り人の気配を感じているようだが、いかにも餌を食べさせてくれるカモとしか人間を見ていないようにも思える。
 
 おまえらに食べさせる餌はないぞ。こう吐き捨てるように言いながら餌の準備を行う。
 
彼らは冬でもクロや尾長釣りでも最強の餌取りとして君臨する。水温の低い時期でも大暴れするのだから、夏はたまったものではない。船長の「撒き餌はしないで」の意味がよくわかった。
 
餌を切り終えると、ようやく仕掛け作りに入った。竿はダイコーの海王石鯛竿。道糸ナイロン20号に丸球おもり30号サルカンで繋ぎ、ハリスはカーボンの20号。鉤は鋼タルメ22号。これはシブダイ仕掛けで、昼仕掛けのアカジョウねらいでは、錘が真空になり、ハリスがワイヤーになる。
 
釣り座は、uenoさんの斜め後ろに構え、午後6時半に第1投。サンマの頭をつけた仕掛けが美しく弧を描き海中に吸い込まれた。潮は、相変わらず右から平瀬に向かってごうごうと流れている。仕掛けはその本流を避けて、船付けの反転流ができたところをねらってみた。
 
 
 
錘が着底し、仕掛けが落ち着くと、すぐに竿先に反応が表れた。小刻みに揺れる竿先。普通なら当たりがあるのはうれしいことだが、この当たりは本命でなく、餌取りであることが濃厚。ウツボでないことを祈るばかりだ。
 
仕掛けを上げてみると、サンマのあの鋭角的な頭は、餌取りの荒食いで見るも無惨な姿になっていた。
 
今度は、本流に仕掛けを入れてみる。これも反応あり。しかし、上げてみると結果は同じだった。全く撒き餌をしていないにも関わらず、この餌取りの強さには閉口させられた。この勢いは水温30度近くある状態ではないだろうか。
 
「こら釣れる気せんバイ」
 
 Uenoさんのぼやきが始まった。早くもあきらめて、夜釣りの準備を始めていた。
 
こうして、アカジョウねらいの二人はともに餌取りの猛攻をかわすことができずに、あっさりと夜を迎えてしまったのだった。
 
 
 午後7時半を過ぎ、下げ潮の時間帯になった。ここ鵜瀬は、どちらかと言えば上げ潮に実績があるように思う。早速、下げ潮のポイントに撒き餌して、仕掛けを入れた。やや左前方に根があり、その根元の海溝をねらった。
 
 昼と同じ反応だった。錘が着底と同時に、小刻みに揺れる竿先。30秒ほどして仕掛けを上げてみると、付け餌はあとかたもなかった。サンマの胴体では勝負にならず、サンマの頭をつけて第2投。
 
「でた〜〜〜。こいつ〜〜〜」
 
このとき、uenoさんが雄叫びを上げて竿を上下に動かしている。
 
「根掛かりバイ。」
 
Uenoさん早くも根掛かりのトラブル発生。この釣りではつきものであるが、この根掛かりを減らしていくことも釣果をあげる大切な要素だ。
 
 根掛かりは、確かに海底の形状にも関係があるが、潮の具合や仕掛けを回収するときのスピードにもよる。おいらは、根掛かりしないように注意しようと思ったときだった。
 
「でた〜〜。こいつ〜〜〜。」
 
 自分も根掛かりしてしまったのだった。あ〜〜あ、やむなく仕掛けの回収作業に入る。何とか回収成功。こういうトラブルに見舞われながら、仕掛けを打ち返すものの全く本命が鉤掛かりする気配はなく、たまに根掛かり回収作業をするという実につまらない時間だけが過ぎた。
 
 餌取りの勢いは衰える気配はなく、持ってきた中では最強の餌取り対策であるカツオの腹側も食い尽くされてしまっていた。
 
 こうなると休憩が多くなる。最もよさそうな時間帯にもかかわらず、おいらは満天の星空を眺めながら缶ビールを開けた。さわやかな潮風に当たりながら飲む冷えたビールは最高だ。
 
 北斗七星、遠慮がちな北極星、そして、硫黄岳の上に浮かび上がった巨大なさそり座。天の川もくっきり見えるし、願い事を言い終わることができない速さで、あっという間に表れては消える流れ星を見つめながら、離島の夜釣りの醍醐味を味わう。あとは魚が釣れてくれれば最高なんだが。
 
kamataさん、もうめしば食いよっとな。」
 
少々驚きながらuenoさんが話しかけてくる。
 
「釣れますか。」
 
「いや、ぜんぜん。この前(75日)とはぜんぜん状況が違うバイ。この前はすぐに本命の当たりがあったもん。今日はかなり厳しいバイ。」
 
kamataさん、サンマの頭は上げ潮のときにとっておいた方がいいかもしれんバイ」
 
 確かに、ここ鵜瀬は、魚が多いことで知られており、おいらたちは、ここでボウズを喰らったことはない。しかし、この時点でまだ魚を手にしていない状況はかなりのピンチだ。
 
 すると、突然uenoさんの竿に異変が。
 
「なんか喰ったバイ。」
 
 竿先が一気に絞り込まれたあと、竿を持って魚とのやりとりを始めている。この石鯛竿の曲がり方からして、小魚ではなさそう。
 
「結構引くなあ。」
 
 Uenoさんバラしてなるものかと必死で魚を抜き上げる。さて、この魚はいったい何だ。
 
「シブ、シブバイ」
 
 Uenoさん歓喜の表情を浮かべて、魚を手に取る。1.5kgはありそうなまずまずのサイズだ。
 
「よかったですねえ。おめでとうございます。」
 
Uenoさんに声をかける。時計を見ると、午後10時前を指していた。
 
「いきなり喰ってきたバイ。」
 
「餌は?」
 
「サンマの頭。」
 
 おいらが盛んに誘いをかけている釣り方を見ていたようで、uenoさんは、
 
「竿はやっぱり置き竿に限るバイ。」
 
と一言。魚釣りは結果が全て。置き竿にして何もしない釣り方に軍配があがったのだ。
 
 これは天然のプラネタリウムを鑑賞している時ではない。シブダイは続けて釣れることが多い。おいらは、あわてて仕掛けを入れた。
 
 ところが期待された魚信は途絶えてしまった。また、あの小刻みに揺れる餌取りの猛攻を受け続ける時間となった。
 
「うわ〜〜、根掛かりだ」
 
「でた〜〜バックフラッシュ」
 
 Uenoさんは根掛かりだけでなく、バックフラッシュにも苦しめられていた。仕掛けを投げたあと、ラインを元通りにしているときだった。
 
「あれっ、なんかついとる。」
 
 Uenoさんは、バックフラッシュのトラブル回避中に、魚の反応を感じ、仕掛けを手で抜き上げた。すると、不思議なことに、30cm強のシブダイが跳ねていた。
 
 Uenoさん、恐るべし、置き竿釣法のあとは、バックフラッシュ&手釣り釣法で2匹目のシブダイをゲット。
 
 3匹目も意外な形で釣れた。餌取りの魚信が途絶えたので仕掛けを回収しようとすると、そこにもなぜか魚が着いていた。これで3匹目。仕掛け回収釣法。3回のミラクルをやられちゃタマラナイ。
 
 おいらは気が気ではなかった。しかし、このままこの本命でない下げ潮のポイントで釣り続けて大切なサンマの頭がなくなってしまったら元も子もなくなる。
 
 そこで、1匹30cmオーバーを釣ったところで、仮眠タイムとした。不本意な釣りだが、上げ潮になればきっと自分にも魚信が来るさ。そう信じて波の音を子守歌に浅い眠りについた。
 
 
 どれくらい時間が経っただろう。目が覚めて起き出してみると、時計は午前2時を指していた。干潮は1時半ごろだから、そろそろ本命の上げ潮が動き出す時間だ。私が起き出して釣りを始めると、uenoさんも釣りを開始。さあ、これから、夜が明ける5時半まで約3時間が勝負だ。
 
 船付けの根と根の間の海溝に仕掛けを入れる。餌取りの反応はあったが、下げ潮ほどではない。
 
「餌が残るバイ」
 
uenoさんからもうれしい情報がとどいてきた。
 
 そして、uenoさん今回4度目のミラクルを起こした。根掛かりをやらかしたと、トラブル解消しながら、
 
「なんか釣れとるバイ」
 
と本日最大のシブダイをゲットするのだった。46.5cmの中々のサイズ。体高もあり、食べたら絶対うまいと容易に想像できる魚だった。名付けて根掛かり釣法。Uenoさんのこのマル秘釣法で、こちらは完全に魚信まで持って行かれた格好。
 
 
「今日は、おもしろかったバイ。これだけ釣れれば満足バイ。」
 
Uenoさんは笑顔で夜明けを迎えた。キロオーバーを含む6枚のシブをゲットした。
 
 一方、おいらは、小さいサイズを3匹と全く精細を欠いた。回収の船が待ち遠しかった。
 
kamataさん、どう?釣れた?」
 
「だめでした。小さかったです。」
 
と小声で答えるのが精一杯。釣れないときは、このときがちょっとつらい時間帯だ。
 
 
 
 
 
 
 港に帰って、反省会だ。
 


「今日は激流で平瀬は釣りにならなかったよ。餌取りがすごかったでしょう。」
 



「下げの時間は全く釣れなかったよ。」
 
新島で、2〜3キロクラスを2人で3枚釣ったベテラン釣り師が今回の厳しい状況を説明してくれた。



また、南西からのうねりで西磯は無理で浅瀬も渡礁できなかったそうだ。



そこで、南東部の地磯タジロに乗った組は、ぶっ込みで餌取りすらいなかったそうだ。






 
 厳しい状況の中で、uenoさんのマル秘釣法は確かに光っていた。おいらは、根掛かりを恐れて、餌取りの魚信が少なくなるとすぐに仕掛けを上げていたがこれがいけなかったか。











 
 また、今日は本命の食いが渋かったから、鉤はuenoさんが使っていたように少し小さいサイズの方がよかったのかもしれない。













 
 そして、uenoさんが攻めていたところがよかったと考えるべきだろう。ああ、このままでは終われない。早くも次回の硫黄島出撃のため、M中さんに連絡を取るのであった。
 


久しぶりの黒潮丸でした



結構風がありましたよ〜〜^^;









黒潮丸の快適な船内



枕崎がどんどん遠ざかっていきます


薩摩半島に堂々とそびえる開聞岳





南西からのうねりがありました





竹島が見えてきました



これは新島です



手前は平瀬 奥が鵜瀬です^^








平瀬低場に渡礁するみたいです




やっぱ 足場がよかバイ




こちらが下げのポイント




こちらが上げのポイント


釣り座を物色中



夏はやっぱりこれです


歩兵軍団元気です!



3週間ぶりだそうです



2パックくらい買っておけばよかった



準備完了





ようやく1尾目が


小さいサイズしか><


恥ずかしくて 氷に隠れてます


uenoさんの釣果

朝まずめはアカジョウねらい

朝焼けに輝く硫黄岳



7時に回収でした

平瀬の釣り人も回収

久しぶりに出た 惨敗の足上げ

釣れましたか〜〜〜〜〜〜〜


ありがとう鵜瀬

小さいサイズはシブダイそうめんに

ネギのせソテーもまいう

シブダイの手こね寿司です まいう〜〜〜

シブダイのカマ焼き めちゃうまいっす


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