7/1,2 フロンティアな釣り 硫黄島



鹿児島県三島村硫黄島 洞窟瀬から硫黄岳を臨む

硫黄島夜釣り第3戦目は、第2戦から2週間後となった。空梅雨と思われていた状況を一掃するかのような見事すぎる傘マークが並んだ1週間。なぜか週末だけは、梅雨前線が北上し、釣り人に釣行許可を与えた。

 

これは、もう行くしかないでしょう。釣りに行きたいという欲望は、釣りに行く理由を週末の天候に求めた。そして、前回の釣行でお世話になった硫黄島に通って40年のN村さんに失礼ながらも連絡するという行動にまで発展。しかし、

 

「いいですよ。洞窟へ行きましょう」

 

とうれしい返信が。

 

ここで、洞窟という言葉に思わず反応してしまった。洞窟とは、硫黄島港の西側から南へ張り出している永良部半島の先端に位置する地磯だ。沖から見て船付けの左側に洞窟があることがこの磯名の由来と思われる。

 

左右に岸壁を伴う奥まった磯ではあるが、この左側のワレに少しずつ撒き餌を入れていくと、寒の時期なら洞窟の奥からメジナが食ってくるそうだ。

 

よくメジナが釣れるのであれば、何度も渡礁する場面に遭遇してもいいはずだが、不思議とこの磯に渡礁するクロ釣り師をあまり見たことがない。その理由は磯を見れば合点がいく。唯一の釣り座と思われる船着けは、波気のある冬期には心許ないような高さだ。

 

更に、釣り座の左側は溝が走っており、うねりが襲うと波が釣り座の左側をかけ上がり、磯壁に当たって釣り人はもれなく海水シャワーを浴びるという洗礼を受けてしまう。東向きに開いているため、東風や東からのうねりに弱く中々渡礁できないことが、メジナ釣り場として脚光を浴びるほどではないということか。

 

では、なぜに洞窟に心躍らせるのか。それは、そこがシブダイを始めとする夏の夜釣りで数型ともに実績が高いところだからだ。その辺の話をN村さんに聞いてみた。

 

「これは、私が開拓した磯です。この磯に乗っていたとき、上の段があることに気が付きました。」

 

何とか後ろの磯の崖をよじ登ると、上の段は平らになっていることに気付いたそうだ。何とかここで釣りができないかと考えたN村さん。縄ばしごを持参し、2人組でロープでの荷物の上げ下ろす方法を考案し、見事上の段での初磯釣りを果たしたとのこと。

 

「低い船着けからの釣りでは、どうしても魚に根に入られてしまうから、高いところから釣ることを考えたんだよ。」

 

まるで堤防みたいな磯から仕掛けを投げると、錘を底に着底させるブッコミ釣りなら、磯の高さはあまり気にならない。こうして、N村さんは洞窟瀬のフロンティアとなったのだ。

 

「あの50m先からがかけ上がりになっていて、大きな魚が喰ってきます。」

 

上の段から仕掛けを投げるからこそ、デカ版の巣へ仕掛けを届けることができる。更なるシブダイのポイントを開拓する執念が、デカ版が住むかけ上がりの存在を発見することになったのだ。

 

それ以降、ここで数々のデカ版シブダイ・アカジョウを釣り上げたN村さん。その方の有り難い計らいにより、今回洞窟に上礁できるチャンスが巡ってきた。硫黄島に通って10年以上になるが、洞窟は初めての磯である。

 

思い通り週末にかけて梅雨は小休止し、海は凪ぎの予報が出た。

 

「出航が決まりました。3時までに来てください。」

 

N村さんからショートメールが入った。小さくガッツポーズ。あまりにわくわくするので「不眠グウエィ」になり、朝の目覚めもすっきりだった。釣行を控えている釣り人は、だれもが幸福感を平等に得ることができる。

 

九州自動車道を南へ走り、指宿スカイラインから南薩縦貫道を経て、黒潮丸が待つ枕崎港へ着いたのが、午後2時半をすでに回ったところだった。

 

枕崎港では、N村さんが率いる釣りクラブの仲間たちがすでに楽しく談笑しながら出船準備を始めていた。みんなの心はシブダイ・アカジョウ・スジアラを釣ることに奪われているようだ。程なくN村さん登場。

 

「暑いね。今日は。」

 

早速、あいさつを済ませた。確かに、この日は大変暑い日だった。梅雨空になれている皮膚が久しぶりの直射日光に痛めつけられている。

kamataさん、今日はこの人といっしょに洞窟に乗ります。」

 

紹介された釣り人は、もうすぐ70歳に届くのではないかと思われるベテラン硫黄師で、名前をK地さんと言われた。すかさず挨拶をして、釣りの状況について情報を交換した。

 

「沖縄から秘密兵器を手に入れたよ。」

 

にこにこしながらまるで少年のように、準備を始めるN村さん。M口さん2人はタジロ、

鵜瀬のハナレはU本さん

 

「鵜瀬はだれも乗らないの?」

 

と瀬割をしている途中に突っ込みを入れる船長。鵜瀬には必ず誰かを乗せたいようだ。平瀬高場にM吉さんらをというように瀬割が決まったところで荷物の積み込みが始まった。

 

「洞窟から乗せてください」

 

船長が積み込みの順序を指示している。このことから、船は鵜瀬のハナレ鵜瀬平瀬低場平瀬高場タジロ洞窟という順序で瀬渡しを行うようだ。

 

それにしても、暑い。台湾沖に突然発生した熱帯低気圧の影響か、湿気を大量に含んだ風が肌にまとわりついてくる。じっとしていてもじわっと汗が噴き出してくる。今回の夜釣りは暑さとの戦いになりそうだ。そんな中、ナイスなタイミングで船長がまくし立てる。

 

「いきなりクーラーが壊れてね。後ろの人は、後ろの戸を開けておいて、風が入れば結構涼しいから」

 

こんな時に限ってということはよくあることだ。硫黄師は平均年齢が高い。私はこれでも若手の方だ。後ろに寝ることにしよう。

 

「ぶるん、ぶるん」

 

午後3時20分、黒潮丸は硫黄師たちの夢とロマンを乗せて港を離れ、プルシャンブルーの海に向かって力強く走り始めた。ほとんど揺れることのない船内で、釣りのイメージトレーニングに励んでみる。平瀬とミジメ瀬では、イスズミ歩兵軍団がシブダイを守るために磯の周りを包囲していたが、洞窟では一体どんな餌盗りたちが我々を迎えてくれるのだろう。

 

考えても仕方のないことをああだこうだと思い巡らせていると、あっという間にエンジンがスローとなった。キャビンの外に出てみると、抜けるような青空と青い海。本土にはあり得ないような海水の透明度。船の下には、水深10メートル以上あるはず海底が視認できるほどだ。

 

今日は、西南西の風で硫黄島北東に位置する鵜瀬・平瀬は問題なく夜釣りができる。潮周りは小潮で、午後5時頃が干潮。上げ潮でアカジョウ釣り、シブダイ釣りをすることになり、ここが一番のチャンス。午前1時過ぎから下げに変わり、ここからどれだけ数を稼げるか。また、午前3時頃にやってくるとんでもないデカ版魚にどのように対応するか。

 

「ぶるん、ぶるん。」

 

船は平瀬の低場と高場に釣り人を下ろすと、船は南東向きにエンジンを高速回転にして走り出した。

 

火山ガスが吹き出し、硫黄が剥き出しの硫黄岳の岩肌を見ながらのクルーズを楽しむ。航路は島の海岸近くを通っている。このことから、今回の浅瀬の渡礁はないことを悟った。

 

島の海岸近くは、いつもの変色域が見られる。至る所で温泉が湧き出しており、バスクリン色の帯が続いている。その変色域を見ているとエンジンがスローになった。シブダイ、タバメ、青物の実績が高い地磯タジロが眼前に広がった。

 

タジロにはベテラン釣り師2人が渡礁。渡礁を手伝うと、今度はいよいよ洞窟だ。船は、硫黄島港を右手に見ながら、今まで経験したことのない永良部半島に向かって走る航路を進んでいる。

 

永良部半島の先端近くに来ると、エンジンがスローになった。左にどう考えても渡礁できる高さではないハナレ瀬であるハルマ瀬を見ながら、船はゆっくりと洞窟の船付けに近づいている。

 

ああいよいよ憧れの磯「洞窟」に渡礁できるんだな。2004年に初めて硫黄島を訪れて以来13年目にしてようやくこの磯に渡礁することができるこの瞬間をかみしめながら、荷物を船首部分に運ぶ。

 

「私が前にいくから、kamataさん次に乗って。」

 

70歳近いベテラン釣り師K地さんからのエスコートを受けて、無事洞窟へ渡礁。荷物を受け取り、N村さんもまるで饅頭のような船付けに渡礁。息つく間もなく、N村さんが、

 

「さあ、荷物をあげましょう。」

 

N村さんがまず崖をよじ登り、ロープを太細の2種類を使って、荷物を上げる作業に入った。おいらが荷物を崖下まで運ぶ。それをK地さんが荷物をロープで結ぶ。それをN村さんが引き上げる。

 

(竿ケース、餌の入ったバケツ、磯バッグ、クーラー、バッカン等)×3もの荷物を上げなくてはならない。気温30度、湿度70%の中の作業は、遊びとは言え大変な作業だ。汗が毛穴からこれでもかと噴き出してくる。

 

すべての荷物を荷揚げすると、そこには楽園が待っていた。だれかが、岩を人工的に削って作ったような驚くほど平らなコロニーが現れた。目の前には雄壮な硫黄岳が白い噴煙を上げておいらたちを歓迎している。

 

kamataさん、あれを見てください。」

 

N村さんが、神社にある力石くらいの大きさを指さして、こう話し始めた。

 

「あれは、去年はありませんでしたよ。上から落ちてきたんでしょう。」

 

改めて、磯釣りは危険をはらんだ遊びであることを再認識させられた。

 

汗をかいた肌にさわやかな風が心地よい。海面から10mほどの高さにいるためか、硫黄島の他の磯と比べると景色が違って見えることに、まず面白さを感じた。なにか登山をしていて頂上に到達したようなそんな感じだ。

 

しかし、我々は登山者ではない。これから、始まるのだ。

 

「さあ、餌の準備をしましょう。」

 

N村さんはおもむろに、サンマをぶつ切りにし、撒き餌のタレクチイワシの入ったバケツに放り込んだ。頭は、付け餌用にキープ。おいらもその作業に加わった。

 

「イスズミは釣らなくていいのですか。」

 

アカジョウ・シブダイの最良の餌であるイスズミ歩兵軍団が気になっていたが、

 

「ここは、イスズミがいません。それより秘密兵器を沖縄から取り寄せました。」

 

とN村さん。取り出したのは、沖縄で売っているタマンの集魚材。その集魚材を放り込んで混ぜるN村さんは、まるで少年のよう笑顔だ。今年は開幕戦からタバメが中々釣れないから、いいかも。

 

準備が終わったところで、

 

「釣り座を決めましょう。ここは、3つの釣り座があります。左は根掛かりが多いですがでかいシブダイが釣れます。真ん中も釣りやすいです。真ん中でkamataさん釣ってください。私は右の釣り座で釣ります。」

 

この磯に案内していただいただけでなく、釣り座までよいところを譲っていただいた。名人の慈悲深い行動にただただ感謝である。

 

さあ、いよいよ初めての磯「洞窟」での実釣だ。竿はDaikoの石鯛竿海王口白。シブダイ釣りには固い竿がいいとN村さんにアドバイスをもらって手に入れたシブダイ釣り用の勝負竿だ。

 

道糸20号に、アカジョウねらいのワイヤー仕掛けにワイヤーハリス。ハリはもちろん鹿児島港近くにある漁具店から仕入れた鋼タルメ25号。

 

サンマの頭を付けて、第1投。硫黄島本島と浅瀬の間に向かってえいっやあっと投げる。夕空に30号の錘を伴った仕掛けが舞い、やがて海面にぽちゃんという音と波紋を残して海中に消えていった。

 

リールカウンターで46mのところで着底。仕掛けをまっすぐにするために糸ふけをとり、カウンターが38mのところでアタリを待った。しばらく様子を見て仕掛けを回収する。身の柔らかいところだけが取られていて固い部分だけが残った。ミジメ瀬のような猛烈な餌取りのアタリではなかったし、餌もとられないという最悪の状況ではなさそうだ。イスズミもいないようだ。

 

他の二人の硫黄師の竿にも同じような状況。潮が港の方に向けて流れている。この潮はあまりよくないらしい。ここでの良潮は、少し沖に本流が流れ、その引かれ潮が沖に流れるときらしい。

 

残念だが、アカジョウやスジアラは我々を歓迎してはくれなかった。夜の帳がおりて、いよいよ本命のシブダイ釣りの開幕だ。仕掛けを夜釣り用にフロロカーボンハリス・鋼タルメ22号のハリのコンビを装着。

 

午後8時頃にようやく暗くなってきた。竿先に取り付けたケミホタルが幻想的な雰囲気を醸し出している。整然と並んだ3つのケミホタルの中で一番右の灯りがコンコンという前アタリを知らせた後、一気にお辞儀した。

 

最初に、魚のアタリをとらえたのは、やはりN村さんだった。あっさりと抜き上げた魚は本命のシブダイだ。サイズは納得いかないようだが、本命には間違いない。

 

「豆あじで釣れましたよ。」

 

俄然やる気になる二人。程なく、K地さんが赤い魚をゲット。そしてシブダイも釣り上げる。

 

さあ、その間で焦るのは自分。その気持ちを察してか、N村さんがイカをくれたり、アジゴをすすめてくれたり、投げるポイントをアドバイスしてくれたり。ベテラン釣り師二人に囲まれて至れり尽くせりの釣りだった。

 

しかし、それにも関わらずアタリをとらえることができない自分が情けなかった。K地さんは、再び良型のシブダイを抜き上げている。

 

kamataさん、餌取りがたくさんいるよ。キンメだね。」

 

暗闇にライトを当てると、ピカピカ光っているという。キンメとは標準和名でホウセキキントキのことを指す。釣れるとガス臭のような残念な臭いがするが、刺身にすると甘くておいしい。外道だが、歓迎すべき相手だ。イスズミ歩兵軍団よりはマシだ。キンメ調査兵団でもいいから釣れてくれないか。

 

こんな馬鹿げた願いは不思議と実現するもので、何度も何度も海王の竿先が小さなお辞儀を繰り返す場面に遭遇。仕掛けを回収しようとすると、案の定小さな魚が付いていた。小さめのキンメ調査兵団がご用となっていた。警戒を示すまだら模様の体色になっていた。外道だが、うまい魚なのでキープ。

 

kamataさん、これなら上物竿でなんぼでも釣れますよ」

 

と笑うN村さん。アタリのない中でのこの1尾は本当にうれしかった。と同時に、イケるのではないかと妙な自信が生まれてきた。さっきまでは、不安で仕方がなかったくせに。

 

せっかくポジィティブになったのに、それに反比例するかのように本命魚のアタリはなぜか遠のいていった。もちろん、本命の気配がなくなるということは、それに呼応する形で餌取りが活発になってきたということ。イスズミがいないこの海域で、どんな餌盗りがいるのだろう。

 

その答えはすぐに出た。仕掛けを回収すると、ハリに食い付いている魚を確認する。やっぱり。釣り人を悩ませていたのは、冬期の尾長釣りで「レッドでビル」としてお馴染みの「ナミマツカサ」だった。彼らは、一餌盗りとしては脅威を感じないが、数で勝負してくる時はもうお手上げである。

 

この餌取りは現在結構猛威を振るっているね。冬期は「レッドでビル」と呼んでいるが、夏の夜釣りは数で勝負してくるから、敬意を表して「マッカーサー元帥」と呼ぶことにしよう。

マッカーサーは、おいらの仕掛けだけではなく、両隣の釣り師の仕掛けにもウツボに混じって食い付いてくる。

 

潮が悪いんだなと悟しかない。それでもシブダイは、いつ食い付いてくるか分からないから油断は禁物である。時計を見ると、十時を過ぎていた。もう、今のうちに来てくれないと、ボウズもあり得る展開だ。

 

そんな時、コンコンとアタリを知らせる海王の竿先が、一気にお辞儀した。

 

来た!

 

まずは底を切らなくてはと、竿を立てて強引に引き寄せる。始めは、中々の引きだったものの、途中からいきなり手応えがなくなった。案の定、30cm位の小さな魚が釣り座に飛んできた。

 

釣れた魚は、小型ながら本命のシブダイだった。

 

黄金色に光るヒレ。美しく体高のあるボディー。薄い赤ピンク色の体色。シブダイはなんと美しい魚なのだろうか。サイズは納得いかないが、とりあえず本命ゲットにほっとした。

 

時合いだ。最大の集中力をもって仕掛けを打ち返す。今日のシブダイは気まぐれで、次の当たりは30分待たなくてはならなかった。大きな魚は、前アタリの後間髪入れずに喰ってくることが多い。今回もそれだった。

 

海王が何者かによって一気に海へと引きずり込まれようとしていた。ケミホタルが異変を知らせる角度と振動で釣り人にそれであることを知らせた。竿に飛びつき手持ちの態勢に。この動作が遅れると、魚は根に入ってしまいジエンドだ。

 

この手応え、間違いない。竿のタタキもない、シャープな引き。良型の本命シブダイだ。コンコンと魚が抵抗する。最初の竿の曲がりで思い切り体をのけぞらせた後、道糸を巻く。よしっ、何とか底を切ることに成功したようだ。

 

しかし、この魚そうやすやすとはご用とはいかない。必死の抵抗を試みている。海王の剛力を信じて竿を起こしにかかるが、中々寄せきれない。

 

「巻いて、巻いて。」

 

業を煮やしたN村さんが声を掛ける。こんなことなら、毎日筋トレしておくべきだった。年々衰えていく我が肉体と魚を釣りたいと思う欲求は、悲しくも相反している。我ながらどんくさいやり取りを続けてようやく魚を浮かせられたようだ。

 

「もっと、後ろに下がって。」

 

N村さんの激が飛ぶ。ここ洞窟は海面から10mほどの高さがあるため、一人で魚を振り上げることは不可能だ。N村さんにギャフを使って道糸をつかんでもらい。一気にランディングという共同作業に入った。

 

N村さんが抜き上げたのは、手応えに比べるとやや物足りなさを感じるサイズではあるが良型のシブダイ。暗闇の中に咲く一輪の花のように圧倒的な存在感を見せつけている。

 

「ありがとうございました。」

釣り仲間に、そして、この真夏の夜のメインターゲットに、おのずと感謝の言葉がもれてしまった。

 

「いい型じゃね(ですね)。」

 

K地さんも祝福してくれた。もうこれで家に帰れる。メジャーを当てると、47cm。残念、目標の50cmには届かなかった。

 

「あのバケツの中に、魚を入れてください。魚の頭を下にして血抜きしましょう。せっかく釣れたから、おいしく食べるようにしましよう。」

 

N村さんは、良型の石鯛が釣れても、魚拓を拒否し持ち帰ってみんなに魚料理を振る舞うほど、究極のキャッチ&イート派である。私もその後を追っていきたいと思った。

 

その後、もう一枚40弱のシブダイを追加し、アタリが遠のいた。潮が止まってしまったようだ。ウツボやマッカーサー元帥が次々と釣れてくるようになった。やがて潮止まり。N村さんは仮眠に入った。K地さんと私も満潮の潮止まりに仮眠をし、夜明けまでの最も良型が釣れる時間帯に備えた。

 

K地さんが魚を捕らえたところで、目が覚めた。時計を見ると、午前2時。ほどよく下げ潮が流れているようだ。これから2時間の間に、40cm~30cmのシブダイを3枚追加して夜明けを迎えた。

 

洞窟瀬の朝は早い。回収が一番早いため、荷物を下ろす作業を考えると、最後のアカジョウタイムは短めだった。また、3人で協力して荷物を下の段に下ろし、船付けに荷物をまとめて回収を待った。

 

ここで、N村さんから洞窟での寒グロ釣りのレクチャーを受けていると、沖から黒潮丸がゆっくりと近づいてきた。いつも思うことだが、回収の船が近づくと、この場所を離れるのがとても寂しくなってしまう。そして、再びここを訪れて思い切り釣りをしたいと強く願うようになる。

 

回収の船に乗り込み、回収を手伝うとともに硫黄島のクルージングを楽しんだ。朝のさわやかな風が肌に心地よい。今日の日中も暑くなりそうだ。

 

クルージングを楽しみながら、改めて磯釣りの面白さについて考えてみた。釣行を計画することで、釣りまでの期間わくわくする時間を生きることができる。そして、南の海の大自然を心ゆくまで堪能できる。魚信を感じ、魚との出逢いを果たせる。離島のクルージングは最高の瞬間だ。忘れてはならないのは、釣り仲間との出逢い。今回の釣りでもサポートいただいたN村さんやK地さんには本当にお世話になりっぱなしだった。

 

そして、最後は、家族に無性に会いたくなる。家族との団らんを希う自分がある。その憩いの団らんに向かって炊事場に立つ自分を想像しながら、残り90分の高速船の船旅を楽しむのだった。

 

 

 

 















いつものような鵜瀬から渡礁です











シブダイの好ポイント平瀬











今日も 硫黄島があたたかく迎えてくれました













初めての磯 洞窟へ渡礁




















ここに縄ばしごをかけて上の段に上ります



上の段から船着けを臨みます



まずはアカジョウタイム





さあ 来い! アカジョウよ







キンメがわいていました
















でました 47cm


















キンメとマツカサがわいとる







K地さん順調に釣果をのばしています
















餌盗りのアタリが頻繁に















めっちゃわいてました















下げ潮でぽつぽつ本命が










これもキロクラス









シブダイ釣りの終演











名残惜しいシブダイ釣り






風が止まっています 雲が硫黄岳に







なごり惜しい洞窟瀬







美しい洞窟瀬の朝

















本日の釣果














冬場のクロ釣りポイント









回収の船を待ちます











黒潮丸が回収に































タジロ 釣れたかな?








脂がべっとり これはうまいのサイン





炙ると香ばしくなります






刺身が甘い!









にぎり寿司も絶品です








いつものニラ天







カマ焼きはかなりうまいです^^


















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