11/20 次も行きたい釣りを 上甑里



鹿児島県上甑里

50の半ばを迎えた筆者は、最近言いようのないわびしさを感じることがある。子どもは社会人となり、再び夫婦二人の生活が始まった。子育てを終えた事実は、自分に子育てをしていた時期に味わえていた感動は、いとも簡単になくなることを教えてくれた。寂しいことだが、これは仕方のないこと。乗り越えなければならない。

 

自分が20代の頃、50代の先輩方が異口同音につぶやいていた言葉があった。それは、「最近、感動することがなくなった」だ。その頃は全く同感できなかったが、今となっては残念なことだがそうつぶやきたくなるのもわかる気がする。人はだれもがこうやって老け込んでしまうのか。

 

いや、そうではない50代の人もいた。「50代は楽しいぞ」と実しやかにのたまう方もいた。そういう人はその誰もがアクティブで人生を楽しんでいる風に見えた。

 

世の中には、そのように年を重ねてもアクティブでいられる種族がいる。それは、釣り師である。彼らは、釣行日を決めると、釣り道具を整理しながら、釣り竿の手入れをしながらにやついている。釣行日までの期間は、まるで子どもが遠足に出かける前のように、大きな幸福感を持ちながら生活することができる。(もちろん、実際の釣りでは落胆することも多々あるが)

 

夢とロマンを求めて、あこがれのフィールドに繰り出し、未知の魚をターゲットに、あらゆる知恵と技術で魚と対峙する。この面白さを感動と言わず何と言おう。釣り師にしかわからないこの世界は、間違いなく人生を楽しむもう一つの「人生の楽園」なのだ。

 

とは言え、筆者は職場である学校の研究発表のため、9月の間泊以降、磯に立てない日々が続いた。釣り師である自分が、磯に立てない日が続くというのは、精神衛生上いいとは言えない。何とか磯のフィールドに立ちたい。クロのよい釣果がまだ聞こえて来ないが、そんな状況でもいい。

 

そう考えていると、チャンスがあっさりとやってきた。学校行事が土日に行われる関係で、平日の月曜日が休みとなることだ。サラリーマン釣り師である自分に、平日釣行は夢のまた夢。このチャンスを逃してはならない。

 

釣行日を決めた後にやってくる問題は、どのフィールドを選ぶかという点だ。南九州はどこも水温が高くクロのよい釣果は聞かれない。寒の時期になり、水温が20度前後に落ちて、磯に海苔が付き始めないと、いわゆる渡りグロが大量に瀬にやってこない。それまでは、磯に居ついている地グロをぽつぽつ狙うしかないのだ。

 

そこで、南九州でも例年比較的早い時期にクロの釣果の実績がある上甑里が候補として浮かんだ。黒石会会長さんの情報では、里で行われた釣りの大会で結構良い雰囲気だったという。ここは行くしかないでしょ。早速、串木野港から出港する蝶栄丸さんに連絡をとると。「天気がまだどうなるかわからないけど、いいよ。一人ね。わかりました。入れておきます。」こうして、2017年秋磯開幕戦は、甑島里ということになった。

そこで次の問題は天気だ。週末に全国的に荒れ模様の天候であることがメディアで報じられたが、月曜日には波は落ち着くとのうれしい予報が。前日の午後5時頃、船長に連絡を入れてみた。「出ます。4時出航ね。」と出航を知らせる船長の返答に安堵する。

 

前日から釣り道具の準備をしておいたが、何せ久しぶりのウキふかせ釣りだ。道具の確認も心もとない。余裕をもって午前0時に自宅を出発した。九州自動車道を南へ下り、鹿児島ICあたりで南九州道へ入り、市来ICを経由して串木野港に着いたのが、午前2時過ぎだった。

 

港は静寂そのもの。今日の予報では、沖に出る遊漁船は、蝶栄丸くらいだろう。先客が車3台という状況。平日とは言え、この人の集まり具合は芳しくない。

 

車の中で仮眠していると、ぼつぼつ自動車がやってきた。3時過ぎには、釣り人の人数も確定した。何と6人だった。素晴らしい釣りポイントが目白押しの甑島里地区。にもかかわらず、6人とは。うれしいのか残念なのか磯は選び放題だ。

 

釣り人の動きが静から少しずつ動に変わる頃、岸壁にゆっくりと近づく大型船が見えてきた。、南九州最強渡船の一つである蝶栄丸が、きらびやかなLEDライトの光を放ちながら登場。船首部分を岸壁に押し付けた。

 

釣り人たちは、協力しながら荷物を船に積み込んでいく。あっという間に、荷物を積み終わった。さあ、出航だ。乗船名簿を記入し、キャビンの底にころがった。

 

ぶるんぶるん。

 

大きな船にしては小さなエンジン音を響かせながら、いよいよ出航の時を迎えた。ゆっくりと旋回しながら港を進み、沖堤防を過ぎると、エンジンは高速回転となった。

 

硫黄島・竹島、宇治群島行きの船からすると、甑島里行の船は、乗船時間が短く感じる。甑列島と九州本土との中間付近で、波がやや高くなり船はスピードを緩めたが、あとは造作もない快適な船旅だった。一睡もできずに港に到着したおいらは、少しは仮眠したいところだったが、全く眠ることができなかった。釣りへの期待に胸を膨らませている間に船のエンジンがスローになった。

 

たまらずキャビンの外へ出る。目の前に大きな巌が現れた。左手に街の明かりが見える。周囲の状況からして、ここが港に近い近島のエボシの磯であることがわかった。

 

一人を渡礁させると、次はしばらく南に向かって走り出した。クロのハシリの時期によく釣れる獅子の口の地磯に向かっているようだ。沖は、まだまだ風や波があったが、地磯は風裏になり波も穏やかだ。

 

「〇〇さ~~ん、7番」

一人また一人と渡礁していく。「つぎはkamataさんね。」あと2人というところで声がかかった。目の前に一人用の小さな独立礁が見えてきた。後で聞いたが、この磯の名を「地磯3番半」というそうだ。

 

釣り座が狭く、荷物を乗せる平らなところがほとんどない。気を付けて、無事に渡礁を完了。船長からのアドバイスを待った。

 

「潮が左に流れるからね。遠投。竿1本半で。」

 

潮の流れを示して攻め方の土台を築かせる。遠投ということは、イスズミなどのエサ取りを手前に撒き餌で釘付けにして本命と分離させる釣りがいいということ。それから、一番大切なタナを明確に示してくれた。短い言葉だが、的確なアドバイス。さすがだ。

 

蝶栄丸は、最後の釣り人を誘うために去っていった。時計を見ると、午前5時頃。さあ、これから夜明けまで約1時間半。時間はたっぷりある。ゆっくりと仕掛けづくりに入った。

 

最近老眼が進んだためか、糸をウキに通したり、サルカンに糸を通したり、針を結ぶことが難しくなってきた。久しぶりだったこともあり、仕掛けづくりにかなり手間取ってしまった。竿は、ダイワインプレッサ2号―53。道糸2.5号にハリス2号。ウキはプロ山元G2.風が強い状況ではあるが、仕掛けを入れるのは難しいことではないと考えていた。

 

タックルができあがると、撒き餌を始めた。潮は船長の言う通り左に動いている。右にワレがあるため、そこに間断なく撒き始めた。また、遠投しなければならないことがわかっているので、撒き餌も遠くに投げてポイントを作るイメージをもった。

 

11月の乾いた風が体を吹き抜けていく。水汲みバケツで水温を肌で感じてみた。生ぬるい感触で、クロ釣りにはまだ早い感じの温度だ。

 

紫色の水平線からオレンジ色のグラデーションが現れ始めた。夜明けを迎える準備を始めた甑島の海。これからの釣りに精神の高揚が止まらない。漆黒の眼前の海面下、間断なく続けている撒き餌に群がるクロの魚影を想像しながら、撒き餌を続けた。

 

撒き餌を続けて30分。もうすっかり明るくなっていた。ウキも視認できるようになっていた。早速、振りかぶって第1投。船長の言うように、遠投して撒き餌を3倍かぶせた。とろとろといい感じで潮が流れている。硫黄島ならアカジョウが喰いつきそうな潮だ。

 

まだ薄暗くウキもやっとで視認できる状態。上潮と底潮がうまく流れているようだ。仕掛けの入りがスムーズ。道糸の面倒な操作も必要ない状況。

 

一番緊張感をもってこれから起こる変化に対応しなければならない中で、一瞬バッカンに目をやった瞬間だった。道糸がとてつもない速さで走り、竿が絞り込まれた。

 

「来た!」

 

水温が高い時期は、朝まず目がチャンス。特に、第1投は注意すべきだったのに。相手に先手を取られた格好だ。イップレッサが容赦なくしなっている。奴はかなりのデカ版だ。竿を握った左腕がずしりと重たい。道糸2.5号やつは、予想通り手前に全速力で走りだした。こりゃ手前に根があるらしい。そうはさせまいと懸命にごり巻きする。相手が走っているときが距離を縮めるチャンスだからだ。

 

やつは、スピードが思いのほか速く左の足元に来ていた。しかし、ごり巻きでウキが視認できるところまで距離を詰めることができた。

 

もう一息だ。そう思った瞬間。やつは最後の抵抗を見せた。再び一気に左の根に突っ込みを見せた。予想できない動きに対応できずハリスが根に触れてしまった。ふっと竿が軽くなった。仕掛けをチェック。やはりハリスが針から1ヒロあたらいのところで切れていた。痛恨のバラシ。

 

口惜しさと魚からの思いがけないファーストコンタクトに期待感が最高潮に。里の地磯は、今回2回目だが、地磯だと言ってなめてはいけない。そう思い知らされた。

 

第2投、第3投と仕掛けを打ち返すが、エサだけ取られた。エサ取りがいる模様。まもなく、正体がわかった。小さなイスズミだ。たまに、口太のコッパも混じった。船長の遠投の意味を体感。

 

さあ、遠投だと思いきや、潮がどんどん速くなってきた。もうウキがG2では、仕掛けが馴染まなくなってきた。ウキを2Bに変え潮の本流に流していく。竿1本半あたりをこの潮で探るなら、この程度の浮力がなけりゃね。

 

ところが、潮が速くなると魚の反応がなくなった。イサキや真鯛が喰いつきそうな潮だが。それらの外道の反応もない。かといって、潮の緩い所を攻めると、浅いタナではイスズミが、深く入れすぎると、訳の分からないトルクで竿を絞り込まれ、数秒しかやり取りが許されないバケモノが当たってくる。今回ほどウキとりパラソルが役に立ったと思うことはなかった。

 

潮が速い時間帯がしばらく続き、ようやく落ち着いてきた。満潮が午前8時半ごろ。この時間までに成果を上げておかないと。

 

ところが、潮がこの後2枚潮になったり、手前に当たってきたりと難しくなってきた。あれこれと試行錯誤するも成果を上げることができずにいると、見回りの船がやってきた。

 

「どうですか。」

情けないが、ダメのサインを送る。

 

「替わろうか。」

 

船長の瀬替わりの指示にほっとする。荷物をまとめて狭い船付けに集めた。事件はその時起こった。

 

船のホースヘッドに荷物を上げて、最後に磯バッグを取ろうとしたときだった。持ち手を取りそこない斜めに傾いた磯から磯バッグが転げ落ちてしまった。磯バッグが水際に漂う。取れそうな雰囲気に近づこうとすると、うねりが一気に黒いバッグをさらっていってしまった。

 

「近づかないで。あとでとるから乗り込んで。」

 

船長の指示は絶対だ。ここは慌てない方がいい。

 

船に乗りこむと船長がギャフを貸してくれた。

 

「これで引っ掛けて」

 

船を磯バッグが浮いている磯のワレの部分につけてくれた。ギャフで引っ掛けようとするが、これが中々難しい。UFOキャッチャーより大変だ。というより、磯バッグは沈んでしまっているではないか。

 

「磯に乗って」

 

今度は船長がおいらを隣の磯に渡礁させた。そこから引っ掛けろという作戦。確かに、磯際からの方が船からより浅いから理にかなっている。しかし、うねりは容赦なくこちらの作業を邪魔してくる。磯バッグを引っ掛けるには、肩紐か持ち手の3か所のどこかにギャフを引っ掛けたいところだが。波打ち際でギャフをよけるように動き回るのでこの作業は釣りよりも難しく思えた。

 

「乗って」

 

今度の船長作戦は、アンカー作戦。どこからか小さなアンカーを持ってきた。これを底に落として引っ掛けろという作戦だ。

 

磯バッグは視認はできるが、すでにやや深い所に落ちており回収はとうてい不可能に思えた。何度も底に落とすもののどうしてもバッグの動きを読みづらい。

 

ああ、このままこのバッグともお別れか。あの中には、底物用両軸リール(正直持ってきたことを後悔した。もしかすると、スジアラとれるかもとひそかに忍ばせておいたのだが)、ウキやハリ、ハリスの数々、ダイワのトーナメントISOのリールなど、被害額を計算していた。

 

「代わって」

 

今度は、自動操縦に切り替えた船長がアンカーを落として回収作業に入った。ボラを引っ掛ける釣りやUFOキャッチャーよりは明らかに難しいと思われた作業だったが、何と5回目くらいでアンカーが磯バッグを引っ掛けることに成功。慎重に引き上げにかかった。

 

引き上げるところからは、再び交代。バッグの中に水が入っているので水面に上がってからは、そうとうな重量がかかった。20Lなら20kgの負荷だ。わらび座の民舞ソーラン節を踊るような動きをしながら見事にランディング成功。心の中でマグロや鰤を仕留めたとき以上に魂を込めたガッツポーズをしていた。

 

「ありがとうございます。船長! 助かりました。」

 

磯バッグの救出劇がこんなに興奮するとは思わなかった。興奮に浸っていると、

 

「海水に浸かったからね、ここに入れて。」

 

船長が真水をバケツに汲んで持ってきてくれた。何という優しくてきめ細やかな船長だろうか。ただでさえめんどくさい客なのに。

 

「よくあることだから」

 

こちらの謝辞に対して、あっさりとこんなセリフが言える船長ってかっこよくない?思わず自分の発した音声が乙女言葉になるほど動揺が激しく且つ感動を味わっていた。

 

ぼくは、自分の今の仕事を本当に真剣に向き合っているのか、一人一人を大切にしているのか。自分に改めて問いただすほどの感動をもらった。大自然の中で、こんな人間ドラマを見せつけられるなんて。やっぱり、釣りは素晴らしい。天人合一という日本人の自然観が織りなすドラマの余韻に浸りながらも船はもう次なる磯を目指していた。

 

こんな体験をした直後は、磯バッグが戻ってきたことで魚を釣ることはもうどうでもよくなっていた。しかし、次なる磯が見えてきたら、また、釣りへの意欲がわいてきた。同じように瀬替わりしてきた初老の釣り人が、

 

「イスズミばっかりやった。潮がいっとらんやったもんね。ようやく1匹釣ったよ。」

 

「こちらもぶちぶち切られましてね。」

 

相手の独り言に対して無理やり会話に持ち込んでいる自分が情けなかったが、いまだ1匹も釣ることができない心の傷が少し癒えた。

 

船は、さらに南へ下り小さな独立礁に船をつけた。さっきよりはやや広いし、平らなところもある。一見して釣りやすそうな場所だ。

 

「風は当たらないと思うよ。そこ(船付け)からまっすぐ、今度も遠投ね。撒き餌をしっかりしてから釣って。」

 

後で聞いたが、ここはよく取材対象となり、釣り雑誌にも掲載されることがある「蓑掛2番」だ。風が北東に変わる予報で、さっきよりは風が当たらないという船長の配慮の結果だ。磯バッグのトラブルで迷惑をかけた分なんとしても魚を持ち帰らなければ。時計を見ると、午前10時前になっていた。

 

撒き餌を20分ほど続けた。魚は見えない。タナが深いのだろう。ウキ止めを竿1本半のところに。まずは半遊導で様子を見る。

 

追い風に乗せて遠投する。潮はあまり動いていない。仕掛けをチェックすると、エサが盗られている。どうやら、仕掛けが馴染む前にエサ盗りに盗られているようだ。この潮と波なら重い仕掛けは必要ないとG2のウキを使っていたが、すぐに再び2Bに替えた。

 

不思議なもので仕掛けを変えた途端に、魚は喰いついてくるもの。早速、ウキが勢いよく消し込まれ道糸が気持ちよく走った。

 

インスパイヤ―の曲がりから良型を確信。手前に寄せるところまできた。今度こそ取ったぞ。と思いきや、魚が手前に来ると急に勢いがよくなり、左手前に強烈な突っ込み始めた。おいっ、そこは根じゃないか。竿を根に行かせまいと操作するものの、相手の抵抗は予想以上に強く、朝一番と同じくハリスが触れてしまい無念のバラシ。

 

カーッと頭に血が上った。一度ならずニ度までもやられるなんて。すぐに、仕掛けを作り直しさっき喰った地点に仕掛けを入れる。

 

さあ、来い!今度こそ取ってやるぞ。しかし、ここから3連発のバラシをやらかしてしまった。とにかく、食わせたらごり巻きしなければならない。手前の根に突っ込み切られてしまうからだ。また、ゲテモノも喰ってきているようで針が曲げられるバラシやハリ外れも多発。

 

仕掛けを変えたいが、あの磯バッグに入っていた替えスプールやハリがすべて海水に浸かってしまったので、とにかくこの心もとない仕掛けで釣りを続けるしかないようだ。その後も面白いようにぶちぶち切られた。あたりが頻繁に訪れたのは10時から11時までの1時間ほどで、その後は右のワンドに潮が流れ、手前に強烈に当たるようになり、魚の喰いが止まってしまった。

 

11時を過ぎると、魚が見え始めた。こりゃ取れないはずだ。50~70cmはあろうかという魚がエサを縦横無尽に追っているじゃないか。これは、しっぽの色や魚影からクロではないね。さらに目を凝らしてみると、あれだよ。フエフキダイだ、タバメじゃん。

 

ここは、どうやらフエフキダイの巣だったようだ。あれだけたくさんのフエフキダイがいるなら、本命を釣るのは難しいかも。こうなりゃ対象魚をクロからフエフキにチェンジしようかな。フエフキダイのフライは絶品だし、刺身も結構いける。さあ、太ハリスに太いハリの準備だ。ああ、そうだった。海水に浸かっていたっけ。仕掛けを変えることもできない中、秋磯坊主の大ピンチ。

 

その後、回収50分前に、手前に当たってくる潮で食わせた魚が、尾っぽが白い魚だったのが唯一の幸運だった。大切に玉網に入れて手にした魚は、35cmのクロちゃんだった。玉網かけたときに予想よりあまりに小さいのでびっくりした。

 

ここの魚は引くねえ。感心しながらも釣りを続けたが、磯バッグ事件の後は大きなドラマは何も起こらずあっという間に回収時間となった。寂しい釣果となったが、魚信は何度もとらえられたので、とても楽しかった。この蓑掛2番にまた挑戦したいと思った。

 

この日は、闇夜の20日潮といって、最も漁師さんが期待を寄せる潮回りだったが、潮切れが悪くどこもよい結果がでなかった。竿頭は2人で8枚だった。

 

結果は、釣果もだったが、磯バッグを落とすという自分にとって最悪の汚点を残す釣りとなってしまった。しかし、次回への釣りの意欲を大いに高めてくれたという点では、大いに感謝すべき釣行だ。それに、磯バッグを最後まであきらめずに救出してくれた海猿ともいうべき船長の執念にプロフェッショナルとは何かということを学んだ。

 

ああこれだから釣りはやめられない。自分は最近いつ磯釣りを引退することになるのだろうと考えていたが、船長の言動でそんなことを考えることがいかにばからしいことであるかということを再認識させられた。そんなことより次の釣りがあるということが大切なんだという思いを噛みしめた。心の爽快感とは裏腹な鉛色の空と海の串木野港をそそくさと後にするのであった。

 





















































蝶栄丸登場


















近島エボシからの渡礁
















暗いうちから撒き餌を始めます






地磯3番半の釣り座













ここは風裏です








































真水につけて後処理をしました


たくさんの釣りアイテムを海水につけてしまった


蓑掛2番 この先に遠投がセオリー


ここなら風をよけられます

魚はぜんぶこの根に一直線



今回はこれが大活躍でした



ゲテモノさんの仕業でしょう








貴重な1尾です





ここはフエフキダイの巣でした











ありがとう 蓑掛2番


蝶栄丸さん お世話になりました


やっぱり ニラ天は欠かせません


焼き切りにしました まいう~~^^


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