8/31 なごりイカ 大分県豊後水道のアカイカ釣り



大分県 豊後水道のアカイカ釣り

硫黄島釣行が台風13号に阻まれたので、この記事でも^^;


豊後水道の名残アカイカ釣り

夏は釣り人にとって魅惑の時期。

筆者の大好きなシブダイ釣りと、船イカ釣りができる時期だからだ。

特に、イカ釣りは、ゲーム性と費用対効果、そして、イカ料理の万人受けする要素から人気が高く。


春先までは、石鯛竿を握っていた人や、尾長グレに恋をしていた人たちも、夏になると、なぜか、「スッテの色はどうしよう」などとつぶやいている。


そこで、サラリーマン釣り師に不利な要素が出てくる。あまりに人気が高いため、人気の船には土日にすぐに客がついてしまい、ぼやぼやしているおいらたちは、「もう満員です」の船長の声を聞かされることになる。


競争率の高いこの釣りに、焦燥感が否めないボクであったが、穴場があることを知っていた。


それは、豊後水道のイカ釣りだ。ここは、まだあまり知られていないこともあり、土日に空きがあることがある。


「イカ釣りいきたかあ」

と、毛穴からアドレナリンを噴出させながら、イカ釣りに大きな憧れを抱いていたM中さんを誘って、佐伯港から釣り人のロマンを誘う松風さんに夏の終わりの名残イカ釣りをお願いすることにした。

あと、問題は天気! 令和元年は、釣り師にとっては試練の年になりそうだ。なぜなら、悉く土日に梅雨前線、台風と大荒れの天気で、出港できたのは、6月後半の硫黄島と7月最後の甑島のイカ釣りだけだった。


統計学上では、もうそろそろ凪になってもいいころだ。案の定、船長から出港の吉報を受け取った。

「でます。午後5時半出港です」

7月最終日に、甑島で撃沈を食らった以来の釣り。

午後1時に人吉を出発。九州自動車道を南へ。すぐに、えびのICで降り、一般道を進む。

宮崎西ICから東九州自動車道を進むこと4時間丁度で佐伯港に到着。

久しぶりに対面する船長にあいさつ。それから、SNSで知り合ったせきそうさんとご一緒できることに。

「フグが多いから、鉛に黒いビニルテープを巻いてください。」

早速、本日の状況を知らせる情報が船長の口から飛び出した。

「わずかな灯りに金属の部分が反射して、フグが近づいてくるのかあ。」

こりゃしまったぞ、仕掛けや錘がが足りるかな。頭の中で、仕掛けの数がスッテの数を思い浮かべてみるが、不安だらけだ。とにかく、船長のいうとおり錘に黒いビニルテープを巻く。

ぶるんぶるん、釣り人の興奮の高鳴りに呼応するようにエンジンに命が灯され、ゆっくりと港を離れる。

台風の襲来と秋雨前線の発達の隙間を縫って、奇跡的な凪が釣り人を待っていた。しばらく走ると、鰤釣りでおなじみの鶴見大島が見えてきた。

もちろん、ここをスルーして船は豊後水道へと出て行く。薄暮の時間がやってきた。ここらへんにくるとうねりが出てきた。沖にいくつか夜炊き船がポツンと灯りを灯しているのが見える。

前回、この船に乗ってイカ釣りに行ったことがあったが、そのときは四国のすぐ手前まで2時間上走った。今回はその方角からしてそこまでは行かないだろうけど。

さて、船は1時間50分ほど走って、ようやくエンジンをスローにした。すでに、夜の帳が降りようとしていた。

釣り人の動きが静から動に動く瞬間だ。船長がアンカーを入れ、いよいよ1年ぶりの豊後水道でのイカ釣りが始まった。マイクで船長が釣り棚をアドバイス。

「20Mで始めてください」

あまり釣況としてはよくないようなので、渋いイカの食いを想定した釣りをすることに。まずは、仕掛けを小刻みに動かしてイカにアピール。

ほどなく、私の竿にイカのアタリが。なんだ、簡単じゃないの。イカを1杯早くも抜き上げる。船長が早速その釣果をカメラに収めてくれた。(後日、この写真は「週間釣りニュース(西部版)」に掲載されるらしい。)

20Mではアタリがなかったので、30Mあたりを探っての釣果だった。透明で赤く色づいたヤリイカは間違いなく釣り人以外は知るよしもない美しさだ。小さかった甑島のそれとは違いまずまずの型だ。さあ、これから数をと意気込んだ。

そう思ったが、それが間違いの始まりだった。それから、全くイカを食わせることができなくなってしまった。他の釣り人はポツポツとイカを拾っているのに。

釣れない原因は、概ね次の2つだった。

まずは、闇夜の大潮なのに、2枚、3枚潮という複雑な潮で、仕掛けのトラブルが絶えなかったことだ。スッテ6本仕掛けを基本としていたが、悉く絡んでしまい。仕掛けをほどく時間帯が増えてしまった。

それなら、フグ対策に1セットだけ準備していたワイヤー仕掛けも、まるでウツボにやられたようにぐちゃぐちゃになって上がってきた。

仕掛けを直す時間の方が釣る時間より多いという辛い時間が続いた。

そこで、8本仕掛けを半分に切って4本の仕掛けに作り直して対応することにした。数釣りより手返し重視だ。これでとりあえず仕掛けのトラブルはなくなった。

第2の問題は、フグの大量発生だ。初めの1杯目は、おそらくフグが寄っていなかったからだろう。1杯目以降は、フグの噛み噛み攻撃にさらされた。

フグは興味をもったものをとにかく囓った。スッテならまだしも、幹糸を囓られると錘がなくなってしまう。船のあちこちで錘がなくなったり、スッテを囓られたりと釣り人のストレスの原因となっていた。

「30Mから40Mのラインを狙ってください。」

船長もフグを避けようと懸命のアドバイス。しかし、状況は悪くなるばかり。フグが多すぎてどうにもならない。水面にたくさんのフグが見えるほどになっていた。

そして、M中さんフグを釣り上げてしまった。

「これは食えますか」

「いや、これはコブラ並の毒がありますから」

せっかく、フグ釣ったのに食べられないフグだったとは。

「スッテあるね」

M中さんもスッテをかなり失い、私からスッテをレンタルする羽目に。この調子でいけば、釣りができなくなるところまでいきそうだ。

「仕掛けを上げてください。しばらく走ります」

ほっとした。このままここで釣りを続けても何も変わらない気がしていたからだ。ここまでボクの釣果はわずかに2杯。イカ釣り始めて以来の撃沈をくらいそうな気配。

船は、30分以上走り続けた。あのフグのいないところならどこでもいいや。

エンジンがスローになり、中断していた釣り師に活気が戻った。

そして、よい潮が流れると、イカが釣れ始めた。M中さんが釣った。

「どれくらいで釣ってますか」

「30Mくらい落としてから少しずつ上げていったよ」

この情報を頼りに、ようやく潮目が変わった。イカの入れ食いが始まった。

イカの棚が夜中に近づくとともに深くなってきた。初めは40Mから少しずつ上げて、さらに、50Mから上げていくとついに、ダブル、トリプルでイカがかかるようになった。

さらに、60M落としてから少しずつ上げていくと、スルメが混じるようになった。

一投ごとに仕掛けを入れると、アタリを捉える楽しい釣りは、午前1時まで続いた。いつもは午後11時頃納竿らしいが、船長の計らいで1時半まで釣りをさせてくれた。

小さなサイズは、用意していた沖漬けのタレにダイブさせ、比較的大きなイカは大切にジッパー袋に入れた。時間を忘れてイカ釣りに没頭した濃密な時間も55杯を数えたところでタイムアップ。

かなり潮で流されたようだ。帰りの船は、3時間弱の船旅だった。時折、弱い雨が降ったが涼しく快適な釣り条件だった。せきそうさんたちもイカをたくさん釣っておられた。

午前4時15分頃佐伯港に到着。今年最後のイカ釣りを心ゆくまで思い切りできたことに、船長に、釣り仲間に、そして、豊後水道の自然に感謝して港をあとにした。




さあ 出発 松風さんお世話になります








ブロ友さんと はいポーズ









結構遠くまで走りました










フグが多いという前情報に不安なスタート




フグの猛攻にお手上げ状態






場所を変えてからは入れ食いが



私にも待望の1杯が


タナを深くするとスルメが混じりました



お疲れ様でした


終わってみれば55杯のまずまずの釣果



このスッテが安定していました




やはり 天ぷらは最高ですね




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