ブリ(ハマチ、ヤズ)料理

評価(★・・・おすすめできない ★★・・・あまりぱっとしない ★★★・・・まあまあ ★★★★・・・美味しい ★★★★★・・・最高)

 鰤は、博多育ちのおいらには懐かしい思い出がある。おいらの地元の正月の魚と言えば、鰤である。刺身で、切り身を焼き物にしたり、ブリ大根にしたり。そして、アゴ(トビウオ)で出汁をとったすまし汁のお雑煮を食べる。これが博多の正月なのだ。年末の楽しみは福岡市東区の香椎の市場に正月用の鰤を買い出しに行くことだった。大工をしていた父親の景気がよい年は、正月用の鰤を買い付けに行ける。玄界灘で育った天然ものの寒ブリはその当時から高値だった。少々根は張るが、その寒ブリの味は今だに忘れることができない。魚の脂がこんなに上品で味わい深いものだったなんて。いつかは、あの時の衝撃の味を味わいたいと釣りを覚えてから、いつの間にか鰤釣りにはまってしまったのだった。
 春先から夏にかけての鰤はまずいが定説だ。はやり鰤は秋から冬にかけて脂がのる。その時がはるかにうまい。食欲は旺盛で人間の生活圏の堤防近くまで回遊する鰤。その引き味はタマラナク強烈だ。大きいものになると10キロを超える。いつかはその引きを味わってみたいものだ。


鰤シャブ    ★★★★ 
 鰤が釣れたら、新鮮なうちにまずしゃぶしゃぶで味わいたい。身を薄くそぎ切りにし、大皿に盛り付け、季節の野菜や豆腐、きのこ類と一緒にいただく。ポン酢がうまい。新鮮なうちだからこそ、味わえる一品だ。

鰤の刺身   ★★★★
 40cmのヤズサイズなら釣れたその日のうちに刺身にしなければならないが、ハマチサイズ以上なら、2、3日冷蔵庫で寝かせて頂いた方が、鰤の旨みと上品な脂を堪能できる。冷蔵庫に寝かせる場合は、3枚におろした身を塩水で洗い、ラップでしっかりと包めば、3日間寝かせても美味しくいただける。ワサビ醤油でも、ショウガ醤油でも美味しくいただける。

鰤のホルモン炒め ★★★★★
 新鮮な鰤をさばく時に、心臓と肝臓、そして巨大な胃を取り出し、きれいに水洗いする。包丁で食べやすい大きさに切り、季節の野菜と一緒に油をひいたフライパンで炒める。塩コショウで味付けをし、皿にもるとビールのあてに丁度よい分量となる。この味は最高。まるで動物性のホルモンを食べているような感覚。心臓と肝臓は正にレバー、胃は極上のホルモンの食感だ。魚の臭みは全くない。ハマチサイズ以上の魚が釣れたらぜひ試してほしい一品である

鰤茶漬け  ★★★
 刺身が余ったら、ぜひたれに漬け込んでおきたい。たれは、醤油とみりんを1対1、ごまを入れてたれをつくっておく。刺身をそのたれにひたひたになるように漬ける。十分にたれがしみ込んだところで、アツアツご飯の上に乗せ、熱いお茶ををかける。お湯でもよい。身に直接かかるように、かけるのがこつ。魚の旨みが溶け出していい感じ。そのまま一気にかきこもう。

鰤のカマ焼き ★★★★
 鰤のカマ焼きは新鮮なうちがお勧め。あわてずじっくりと焼きあげたい。パリパリの皮を破ると、中から脂をたっぷり含んだジューシーな身が現れる。さすがブリカマだとその実力を思い知ることだろう。大根おろしはぜひ準備したいアイテムだ。

鰤の黄身衣焼き ★★★
 鰤の切り身に卵の黄身をからませてフライパンで焼く洋風料理。ピカタと言えば合点がいく人もいることだろう。照り焼きに飽きたらぜひ作ってみよう。卵黄に片栗粉を少々入れてかき混ぜ衣を作る。塩をしていた鰤の切り身に衣をからませ、油をひいたフライパンで焼く。弱火でじっくりと焼くのがコツ。三杯酢、トマトソースなどお好みでつけてたべる。あつあつのままいただこう。

鰤皮のポン酢和え ★★★
 3枚におろし、刺身にする時に皮をはぐが、その皮を捨ててはいけない。皮に極上の旨みが隠れている。色が変わるまで熱湯で湯がく。湯からあげたら、すぐに水でさらす。食べやすいように短冊切りにして、ポン酢であえていただく。焼酎の最高のお供だ。

ヤズの刺身 ★★★
 鰤の幼魚をヤズというが、ヤズも50cm近くになると、りっぱな刺身になる。秋も深まるとヤズとはいえ、脂がのる。その脂の効いた刺身はマニアにはうれしい一品だ。あっさり目の魚が好みの人はやや敬遠されるかもしれないということで評価は★3つ。 

鰤のアクアパッツア ★★
 フロンティア精神で作った鰤のアクアパッツア。鰤で作るとどうなるか。う〜む。正直やはり鰤はオリーブオイルより醤油やみりんの方がお似合いだ。魚から出る出汁が勝負のこの料理。アサリの出汁とオリーブオイル、鰤とのコンビネーションは微妙。魚好きの息子もさすがに箸が止まっていた。

鰤のムニエル ★★★
 フライパンにバターをひき、中火〜弱火でゆっくりと焼く。塩コショウでよいが、ハーブの効いた各種調味料を加えて鰤の臭みを和らげることも美味しくいただくコツ。

鰤のフライ ★★★★
 皮つきのまま切り身にし、小麦粉、卵、パン粉でコーティングし、からっと揚げる。鰤の臭いが気になる人は、たれに漬け込んだり、風味を加えると美味しくいただける。お子様には外せない料理の定番だ。

鰤大根 ★★★★
 ブリのアラを醤油、砂糖、みりん、ショウガなどで味香りを整えた出汁に入れ、大根とともにじっくりと煮込む。ブリのアラから出る出汁と調味料とがうまく絡み、納得の味に仕上がる。大根がその旨みをたっぷり含んだ出汁を吸い取る。15分ほど煮込むと、大根もほどよく色がつく。一度火を止めて、十分に煮汁を吸わせてブリ大根の出来上がり。鰤の頭を豪快に煮つけたが、みなさんはきちんと食べやすい大きさに切りましょう。

鰤の照り焼き ★★★★
 ブリを食べやすい大きさの切り身にし、塩をして醤油タレに漬け込みます。程よくつかったらフライパンで焦がさないように焼きます。みりんや砂糖で照りが出て食欲をそそります。

ヤズの中華風刺身★★★★
 9月の一辺島で小型のヤズが釣れた。そのまま刺身では、あまりうまくないと判断し、漬けにごま油を足して中華風の刺身にしてみた。これがなかなかうまかった。同じように味があまりない刺身をおいしく食べたいときに有効な料理と感じた。今度はツムブリでも試してみたい。


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