シマアジ料理

ガラスの唇を持つ怪力魚とほんのりやさしい甘さの高級魚の2つの顔を併せもつ魚

美味しいアジ科の魚の中でも、最も高値がつく高級魚。九州では晩秋になると、各地で釣れ出す。硫黄島では、タジロという瀬で、例年12月になるとシマアジの群れが接岸する。硫黄島では他の半島周りの磯と違って、潮などの条件がよければ、40オーバーの良型が磯から狙えるところにある。

評価(★・・・おすすめできない ★★・・・あまりぱっとしない ★★★・・・まあまあ ★★★★・・・美味しい ★★★★★・・・最高)


シマアジの造り   ★★★★★
 釣れたら、まず刺身で味わおう。もともと脂分が豊富にあり、しかも、秋になれば脂がのって美味しくなる。40cmオーバーから特に脂分が濃厚だ。アジ独特の臭みがなく、味わい深い身は薄造りにして味わうのが一押しだ。

シマアジのりゅうきゅう  ★★★★
 りゅうきゅうは、切り身にしたアジやサバなどの魚に、醤油、たまねぎ、ごまなどを混ぜた大分県の郷土料理。魚の旨みと調味料が融合し、癖になる味に仕上がるから不思議だ。刺身に飽きたら、ぜひこのりゅうきゅうをためしてみたい。
 作り方はいたって簡単。この絵は、シマアジの切り身に、醤油、みりん、黒ゴマ、玉ねぎ、万能ねぎなどを混ぜたものだ。そのまま食べてもよいし、アツアツご飯の上に乗せて丼感覚でいただいても美味しい。また、それに熱いお茶をかけても魚の旨みをたっぷり含んだ濃厚なお茶漬けができあがる。宴会の〆にぜひほしい一品である。

シマアジの握り鮨  ★★★★★
 硫黄島で46cmのシマアジが釣れたので、迷わず握り鮨にしたのがこれ。包丁を入れるときから、脂がべっとり。これがうまくないはずはない。うすくそぎ切りにして握り鮨をつくってみた。これがもう何とも言えず美味。口の中でシマアジの甘みのある脂がふわっと広がり、すし飯と混ざって極上の料亭で食事している上品な気分になれる。「シマアジが釣れたら、とりあえず握り鮨を作りなさい」とそんな格言が頭に浮かんでは消える。クロ釣りの外道とやっかいもの扱いする釣り師もいるそうだが、それならおいらにくださいな。いやどこで釣れたのか教えてくださいな。今年も愛する「縞ちゃん」に逢いに硫黄島へ行くだろう。

シマアジのタタキ  ★★★★
 アジのタタキと同じ作り方で、3枚におろした身をまな板の上で軽くたたく。ショウガ、ねぎ、味噌、醤油などをまぜて盛り付ける。シマアジの上品な甘みと脂が意外に合う。酒の肴にぜひ準備したい一品だ。

シマアジの骨せんべい  ★★★★
 アジの骨せんべいの要領で3枚におろした後の骨つきのアラにたて塩をしてしばらく待つ。小麦粉をつけてカラッと揚げる。骨まで食べられるようにしっかりと2度揚げしよう。バリッとした歯ごたえと骨からにじみ出る旨みのハーモニーは魚が苦手な人でもその味の虜になるはず。

シマアジのフライ  ★★★★★
 この高級魚をフライにするとは何事だと叱られそうな一品。刺身でうまいのにフライでもグルメの期待を裏切らない。パリッとした衣の食感の後に訪れるのは、シマアジの上品でジューシーな脂とふわふわの身。ソースなどかけなくとも納得の味に仕上がるだろう。

シマアジのカマ揚げ  ★★★★
 カマは通常焼きが常識だが、小さいサイズならす揚げにしてみよう。塩コショウで味付けすればスナック感覚でぼりぼり食べられる。そして、魚のヒレが旨みがあって美味しいことに気づくだろう。ふかヒレやヒレ酒が珍重されるのもわかる気がする。

シマアジのてこね寿司  ★★★★
 アツアツご飯を寿司酢で混ぜて、ごま、刻み大葉なども入れて再び混ぜてシャリをつくる。小さく刻んだきゅうりをその上に敷き、土台は完成。シマアジの切り身を醤油、みりん、黒ゴマを混ぜた漬けダレにひたひたになるように漬ける。切り身の漬けがつかったら、シャリの上に乗せて、上から刻み海苔をかぶせて完成。簡単な調理なのに、その複雑な旨みをもつ寿司に変身することにだれもが感嘆するだろう。

TOP     BACK