新島(昭和硫黄島)

新島とは、昭和硫黄島と呼ばれている。硫黄島本島の東約2Km地点の海底で、1934年から溶岩の流出を伴った海底噴火が始まり、新しい火山島が形成された。約半年間続いた火山活動が終息した後に残ったのが、この岩礁である。昭和の時代の火山活動のなごりで現在も海岸線に沿って海水の変色域が見られるし、島の低い場所では、温泉がわき出て足湯に丁度いいところもある。島の形は丁度曲玉のようになっていて、曲玉のワンドが南側を向いている。冬場のポイントは主にこの南側向きになるし、夏は逆で北側がポイントとなる。冬は北風や北からのうねりに強く、夏は南からの風とうねりに強い。ということは、この場所は、時化たときによく乗せられるポイントということになる。普通時化たときに乗れる場所は、あまりおすすめでないポイントが多いが、この新島に関しては例外である。
この島は魚影がすこぶる濃い。流紋岩で形成された複雑に入り組んだ岩礁は、根魚たちの格好の住みかを提供している。冬場の時期なら、クロはもちろんのこと、夜釣りや昼釣りでも大型の尾長が出る。南向きの海岸線はすべてクロのポイントと言えるくらいかなりの釣り人を収容できる。硫黄島本島の東側の独立礁のため、潮通しも抜群によく、石鯛や青物も期待できる。また、夏場は北向きでシブダイなどの怪力魚が釣り人を楽しませてくれる。魚影が抜群に濃いということの証明として、ここに来れば、一日中なにがしかのアタリがあり、その魚の種類も多い。正に天然の水族館という名にふさわしい場所なのだ。


新島全景
しかし、このポイントは長所があればやはり短所もある。東からの風やうねりに弱く、東風にはとにかく要注意である。また、この釣り場は全体的に浅い。底が見えている竿1本ないポイントもあるくらいだ。そのため、船をつけられる場所は極端に少ない。南側のクロのポイントと石鯛場ぐらいである。ということは、クロのポイントに行くには、船を着けるポイントから、重い釣り道具を運びながら、道なきゴロタ場を、渓流の沢上りのように進んでいかなければならない。これが、年齢や体重に比例してこのポイントが敬遠される理由となる。でも、よく考えてみると、多くの釣り人が歩くのを敬遠するならば、船着け付近のポイントは、多くの釣り人や餌が入っている。そこから遠くに行けば行くほど、魚はスレていないということになる。

1  口太、尾長ポイント

新島の南向きはすべてがポイントと言えるくらい広大な釣り場があり、かなりの釣り師を収容できる。北西の季節風にめっぽう強い。サラシのあるところならどこでもクロのポイントとなる。ただし、足場がでこぼこで流紋岩の磯場はすべりやすく、注意が必要。クーラーを担いでうろうろするのは危険。ドンゴロスが必須アイテムとなる。

@船着け

船着け〜竹島向き
このワンドすべてがポイントと言えるほど大人数を収容できる
夜釣りでは大型のワカナの実績あり またサラシが適度にあれば 口太のデカ番も当たってくる 奥に見えるのが石鯛場でその隣にもクロの秘密ポイントあり 上げ潮での実績が高い
船着け〜硫黄島向き
硫黄島本島向きに上げ潮が流れるときがチャンス 昼間でも大型の尾長が当たってくる 全体的に浅く 根だらけ サラシのできるタイミングを見計らって波打ち際に撒き餌をすると岩礁の割れ目 くぼみなどから口太が喰いあがってくる 1ヒロ半などの浅いタナで釣る

Aワレ

B温泉下

船着けから高場へ行く途中に温泉が湧き出ているところあり。足湯にちょうどいい。釣りの疲れをいやしてくれる。

C高場

船着けから300mほどの距離がある 途中道なきゴロタ石場を進みここまで釣り道具を持ってくるのに所要時間15分ほどである 上げ下げ両方よく釣れる サラシのできるところに撒き餌をして喰い立たせる  ここも浅く船が着けられない 干潮時は底が確認できるほどだ 下げ潮では右に見えるサラシに撒き餌をして流していくと 良型の口太が高確率で当たってくる 潮次第では入れ食いを楽しめる


D高場奥

2 石鯛場


新島南東向きワンドの竹島側の先端が石鯛ポイント

この先端のサラシ場ではクロが必ず釣れる秘密ポイントあり
 

3 シブダイなど夏魚のポイント

新島の北エリアに位置し、夏魚の好ポイントである。台風などの南からのうねりに強く、多少時化気味でも渡礁可能。釣れる魚は、シブダイ、フエフキダイ、アカハタ、スジアラ、コロダイなど。

新島A
上げ潮が沖に向かって右に流れるときがチャンス 右側は浅いためウキ釣りも可能 左側は極端に落ち込んでいる
新島B
新島Aに比べると多少釣果は落ちる 全体的に浅くゴロタ石が密集しており根掛かりに要注意 ウキ釣りのほうがお勧めだ

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