鵜瀬

       
鵜瀬本島                                 鵜瀬のハナレ


鵜瀬全景

硫黄島本島から東北東約2km地点に浮かぶ高さ22mの独立礁が、硫黄島をいや薩南諸島を代表する名礁「竹島ノ鵜瀬」だ。魚影の濃さ、季節を問わず魚種が豊富であるなど、人気実力ともに硫黄島ではナンバーワンの釣り場。気の遠くなるほどの時間の経過の中で風雨にさらされた結果、本島の中心部に残った巌がまるで天空に突き出した鵜の頸のような形状をしているためそのように呼ばれたのであろう。平瀬とは350mしか離れておらず、その水道は潮回りに関係なくしばしば激流が流れ、釣り師を困惑させる。

鵜瀬でまず紹介しなければならないのが、冬期のデカ尾長だ。鵜瀬の南東向きの船着けでは、北西の季節風が避けられ、島の両側はやや浅い根があるため、潮流や波は比較的穏やかになる。ここが、黒潮の支流にのってやってくるデカ尾長(ワカナ)の産卵場所だ。毎年、12月の後半から1月上旬にかけてワカナの群れが接岸すると、好調な年は4月過ぎまで釣れ続く。ゆるい上げ潮が船着けに当たってくると、60を超えるワカナが1ヒロ半から2ヒロほどの浅いタナで喰ってくる。瀬際からできるだけ仕掛けが離れないように注意しながらたっぷり撒き餌を効かせる。過去にも石鯛竿を折られたなど数々の逸話に事欠かないポイントだ。

鵜瀬は硫黄島の磯場の中では、足場が抜群によく。瀬泊まりにはもってこい。離島ならではの1泊2日釣りがお勧めだ。1日目の夜明けにワカナをねらい、昼釣りは石鯛や口太を。石鯛は夜釣りでは再びワカナ。水温が高めならシブダイ、アカジョウも釣れる。また、サバやムロアジ、ツムブリなどの青物も釣りをにぎやかなものにしてくれる。明け方が最もワカナ釣りの期待が高く油断できない時間帯だ。2日目の昼釣りものんびり口太を狙える。釣りに疲れたら、横になって休むことができる。夜は満点の星空、昼は圧倒的な存在感の硫黄岳の情景が釣り人の心を癒してくれるだろう。


鵜瀬底物

鵜瀬底物ポイント 高場 鵜瀬底物ポイント 潮が引けば下の段に
シブダイ下げのポイント シブダイ上げのポイント

鵜瀬はシブダイの好ポイントとして知られている。硫黄地北東部に位置し、大変潮通しのよい環境からか、底物のポイントとして最も人気のある瀬の一つである。鵜瀬本島の西向きが夏の夜釣りの最も実績のあるポイントである。釣り座の左から上げ潮が入ってくるとシブダイの群れがやってきて喰いが活発になる。水深は、浅いところで竿2本程度、深くて竿3本程度と浅いが魚の型は大きく、しっかりした太仕掛けで対応することが大切である。下げ潮になると、その釣り座では撒き餌が流れて行ってしまい、釣りにならなくなるので、南側のポイントに移動し、下げ潮の激流が流れる場所を探して釣る。やや沖が根が荒いので根掛かりなどのトラブルには要注意。上げ潮に比べると、下げ潮はやや釣果が落ちる。

      
      
冬場のワカナポイント

12月終盤から春先にかけて デカ尾長が高確率で狙える硫黄島を代表する超A級ポイント。1ヒロ半から2ヒロくらいのタナで瀬際を攻める。数型ともによく最盛期には、デカ尾長の入れ食いに遭遇することも。過去に石鯛竿を折られたなどの逸話が数多く残されている。明け方からムロアジ、ツムブリ、サバなどが入れ食いになることもある。また、アカジョウの魚影も濃く、明るい時間帯でも油断が出来ない。

       
本島裏のワンド

口太の実績が高いポイント。上げ潮はワンドの出入り口、下げ潮では右の先端のサラシを攻める。潮などの条件が揃えば、尾長、青物、石鯛が当たってくることも。

       
鵜瀬のハナレ

表は石鯛、シブダイ、アカジョウの好ポイント。上げ潮で実績が高い。下げ潮では裏を攻める。裏は瀬際がオーバーハングになっており、口太のハシリの時期は、毎年大釣りがみられる。サラシの出るタイミングを見計らって仕掛けを入れる。瀬際から仕掛けが離れないようにして流すと、イスズミに交じってクロが高確率で当たってくる。






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