津倉瀬


手前から1番、2番、一番奥が4番

対馬暖流の支流の届くところの絶海の孤礁「津倉瀬(つくらせ)」
 
この島々は鷹島の南約20kmの東シナ海沖に位置する4つの独立礁からなる岩礁である。串木野港から渡船で約2時間。島自体がかけ上がり状になっており、釣り座は狭く渡礁には細心の注意を払わなければならない。

 時化に弱く、前触れもなく突然時化て怒涛の海へと変貌を遂げる。この気まぐれな巨巌は容易に釣り人を迎え入れてくれない。凪の予報でも気を抜けないのだ。

 岩肌には気の遠くなるような長い年月をへて海苔が何層にも重なって付着しており、大変滑りやすく釣り人を容易によせつけない。特に2番は駆け上がりの釣り座が多いので要注意。

 時化たときの逃げ場がほとんどない。釣り座が限られたくさんの釣り人を渡礁させられない。夜釣りにはやや危険。宇治に行くついでに立ち寄るくらいの、他の離島に比べどちらかと言えばあまり目立たない磯場だ。

 しかし、一度渡礁を許されたならば、釣り人を心ゆくまで楽しませてくれる。これぞ磯釣りという醍醐味を堪能させてくれる。そのとんでもない魚影の濃さは、宇治群島や草垣群島をはるかに上回ると言われている。

対象魚は春先の石鯛、尾長、口太。凪の日しか乗れないため海の資源が守られているため、どれも抜群の魚影を誇る。夏場はアラも狙い目だ。秋は石鯛の数釣り、冬は口太の入れ食いが釣り人を待っている。特に、3番の南向きの先端は人気のポイントだ。

潮の本流が流れる場所なので、潮の影響を受けやすく、潮次第では入れ食い、釣りにならないの両方を体験できる。また、潮次第では青物の回遊も楽しみな場所だ。

 とめどもなく続く魚信に脳内モルヒネのドーパミンを絞り出された釣り人は数知れず。一度この磯での入れ食いを味わったら最後、まるで薬の常習者のように津倉瀬という名の蜃気楼を求め続けるらしい。

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1番
 周囲すべてがポイントと言えるくらい釣り座が多い。全体的に浅くシズミ瀬が点在しており、魚影が濃い。潮が満ちているときは、西側の船着けが釣りやすい。上げ潮で石鯛。下げ潮でクロの数釣りが期待できる。潮の本流が右の先端をかすめて流れると、大型の尾長やヒラスが当たってくる。潮がひけば、北向きのかけあがりもクロの高ポイントだ。また、風向きによっては、東向きも釣り座として使える。夏場の底物釣りでは、中型のアラや大型のタバメなどが竿を絞り込む。

2番
 津倉瀬の中では最も大きな島2番。西から南東向きまでの高台からはすべてが石鯛のポイントで、特に西向きと3番が目の前の南東向きが実績が高い。1番との水道や2番の中央部では、大型の尾長や口太の大釣りが有望。

3番
 大きな4番のとなりに鎮座する細長い独立礁。主な釣り座は北向きと南向きの先端。北向きでは4番との水道側で尾長が出る。また、南向きでは、下げ潮が南に流れるときが特に尾長の実績が高い。4番との水道側ではアラが出る。石鯛の魚影も濃く、石鯛師に人気のポイントだ。

4番
 4番は西向きの釣り座はメイン。潮の本流が足下を洗う。口太や石鯛の実績が高い。釣り座が狭く渡礁には十分な注意が必要。


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