8月15日、終戦記念日。諸先輩方のおかげで平和になった日本。そのことを享受することしかできない自分だが、その平和な世の中を謳歌するには釣りが一番と、今年もuenoさんとお盆休みに離島遠征を企てた。当初硫黄島へと予定していたが、いろいろあって、船長から当日の朝に中止の連絡が。どうする、どうする。uenoさんと協議の結果、南西のうねりに強い硫黄島との一角をなす離島「黒島」に行くことにした。
草垣群島や黒島の釣りで定評のある宝栄丸さん
今回お世話になるのは、枕崎港から離島への釣りを快適にサポートしてくれる宝栄丸さんだ。午後2時45分に枕崎港を出港。しかし、すぐに、エンジンがスローダウン。どうやら産業廃棄物が船のスクリューに絡まりこのままでは出港不能に。船長はウエットスーツに酸素ボンベを担ぎ、除去作業を始める。ようやく3時10分ごろ、出港できるようになったが、これからの釣りに不安を覚えた。
今回は赤鼻からの渡礁 心踊る瞬間
通常より長い航海で午後5時過ぎに黒島の北部赤鼻のハナレからの渡礁が始まった。我々が乗ったのは赤鼻のA。ここは、クロ、尾長、石鯛、そして大型のシブダイ、フエフキダイが釣れるという名礁。渡礁直後はよさそうな潮が足下に当たって左へと流れていい感じ。「こら、釣りよかな。よこところに乗れたバイ」早くもuenoさんは笑みを。夜釣りで足場がよいところが一番だと考えるuenoさん。渡礁するときは、断崖の壁のようなところだと思ったが、足場も良く釣りをするに十分なスペースもある。夜釣りは安全第一が大切。uenoさんの考えもあながち否定できない。
よさそうな潮が流れている uenoさんの気合も最高潮に
こちら側はやや浅いようだ
きたー でも地球を釣ったuenoさん
早速、アカジョウ狙いのサンマ一匹掛けを投入。午後6時半ごろuenoさんに強烈な魚信。しかし、敵が一枚上だった。根に入った模様。「アカジョウかもしれんバイ」興奮気味に熱く語るuenoさん。でも、どう考えてもデカ版ウツボだったように思うんですけどねえ。
何のドラマもなく、夜釣りへと突入。ところが、待っていたのは、とてつもない金魚(アカマツカサ)の大群だった。水面に浮いてバシャバシャと乱舞している。ライトを当ててサビキ釣りをすればいくらでもば釣れる状態だ。潮は相変わらずアタリ潮。底は大丈夫かと思いきや、仕掛けが着底するやいなや金魚と思しき魚信。たまにウツボの訪問と勝負にならない時間だけが過ぎた。途中2回ほど大きな魚信があったが、喰わせきれずに朝を迎え、納竿となった。
水面でばしゃばしゃ 底で餌をつつく 金魚の大量発生に閉口
唯一の見せ場は、uenoさんが釣ったアラ釣りの仕掛けだったというさみしさだった。2連続の離島ノーフィッシュ。なにがしらの魚が釣れる離島にも関わらずウツボとアカマツカサだけの釣果にへこむおいら。でも、離島の釣りは大いに満喫できた。
惨敗にさみしそうなuenoさん
満天の星を見ながら、アカマツカサの大量発生になすすすべなく岩場にへたり込んでいると次のような詩が浮かんできた。
宇宙旅行
ぼくは、この岩場で静止しているのだが
同時に地球といっしょに動いている
1回転に23時間56分かけて回っているのだ
それどころか
ぼくは太陽のまわりを回っている
時速10万キロメートルで
いや太陽系自体がものすごい速さで
銀河系の中で動いている
それにもまして
宇宙はとてつもない速さで
膨張し続けているのだ
ぼくは今
宇宙旅行の最中なんだ
アカマツカサに完敗!参りました
最後のアカジョウねらいも ウツボの登場で幕引き
uenoさんが釣ったアラ仕掛け?
ありがとう 赤鼻A
励ましてくれた カツオくん
撃沈して帰る時、いつものお魚センターが励ましてくれるような気がする。きばらんかい!(がんばらんかい)かまちゃんってね。