7/30 潮流が生み出した奇跡 伊予灘一帯

太平洋と瀬戸内海が出逢う場所。

海底の複雑な地形とともに周囲の様々な条件から生み出された速水瀬戸の激流。

一年を通じて水温の変化が少なく、そのためプランクトンが豊富。

漁師たちは昔からその激流が流れる瀬にたくさんの魚が付いていることを知っていた。

交通網が発達し、人やモノの流通が盛んになると

地元の漁師たちは自分たちがとっている魚は

他の海域の魚に比べ、格段に美味しいということ認知した。

特に、関のサバは速水瀬戸の潮流で程よく身がしまり、

大分大学の研究によって他のサバに比べ格段にK値と呼ばれる鮮度を表す値が高く

刺身で十分食べられることがわかった。

サバと言えば、「サバの生き腐れ」と言われるほど傷みやすく、ヒスタミン中毒を起こし

しばしばサバにかかわる人を悩ませる。

「サバ読み」という言葉が生まれるほど、サバは明らかに大衆魚だ。

しかし、刺身で美味しく食べられるという奇跡の魚「関サバ」は自然条件だけで作られたのではなかった。

@関の漁師は、根の荒い海域ということもあり昔から、魚へのストレスを最小限にとどめる一本釣りという漁法を行っていた。

A仲買人が「面買い」という方法で漁師が取った魚を実測せずに目利きで量った。

B出荷する食前に生き締めという血抜きを行い、魚の鮮度を保つ工夫をした。


関サバ・関アジはこうした魚に対する人為的な努力の結果生み出されたブランド魚なのだ。


10号線を北上しながらここを目印に右折すると・・・

7月も下旬を迎え、夏休みに突入したことから、硫黄島での根魚釣りに邁進できると思っていたが、今年は思いもよらず息子の野球部の後援会の会長をすることになった。土日に試合があるたびにできるだけ生徒と一緒に行動を共にしなければならない。このため、これから、来年の中体連まで土日2日間とも体を空けるのは、厳寒期を除いて極めて難しいことが予想される。

早くも7月は野球の試合の予定が入り、硫黄島には行けない。気持ちを切り替えることにした。

昼釣りで磯はこの時期近場しか出航しないし、堤防もフライパンの上に乗るようなもの。他の渡船区のように半夜釣りなどという有難い制度があればよいが、そんなものは熊本や鹿児島には・・・。

そこで、目標は関のアジ・サバを見据えることにした。船釣りは久しぶりだし、のんびりと海を見ながら釣りをするのもたまにはいいものだ。

国道57号線を東へ進み、阿蘇を越え、10号線に入り別府市へ。

別府市内の10号線を北上すると、目印の遊技場のネオンサインから右折する。狭い道を抜けると港としては広々とした若草港が眼前に広がった。


静寂の港 若草港

本日の釣り客は4名。みんな物静かな方たちだ。4人だから船の後方にみんな陣取ることができる。午前4時集合の午前4時半出航。船は凪の別府湾をすいすいと滑っていく。

白々と夜が明けていく。釣りを始めてまず知らされたのが、夜明けの美しさだ。海の夜明けは、陸のそれとは違い様々な姿を見せる。それを体験するだけでも幸せな気分になれる。


本日の釣り客は4人 みんな無口な人でした

1時間が経過。船はずっと走り続けている。どうやら、佐田岬半島の伊予灘まで向かうようだ。ここの魚も関アジと同じく「岬アジ」と呼ばれ美味しい魚だ。

2時間半走って、ようやくエンジンがスローになった。あまりポイントを探すことなくあっという間に午前7時過ぎに釣り開始。


走ること2時間半でポイントへ到着


後半潮が変わると入れ食いに

始めは、餌をできるだけ次々に入れて魚の喰いを立たせる。しばらくすると魚からの反応が現れる。しかし、入れ食いとはならない。潮が早く、中々餌と仕掛けを合わせられないからか。

潮が変わると、潮の流れが落ち着いてきた。釣りやすくなると入れ食いが始まる。アジのサイズがかなり大きい。40オーバーがかなり混じった。この時期としては十分すぎるほどのサイズ。

このところよく釣れていて期待していたサバは残念なことに今日にかぎって1匹も姿を見せてくれなかった。しかし、アジは20匹を越えて、最後にチダイのおみやげもできた。これ以上釣ってもしかたがない。午後12時過ぎに納竿することにした。


12時過ぎに納竿で3時に帰港


アジ23匹 チダイ1匹 サバは釣れませんでした


絶品 関アジの刺身

4人でも船を出してくれた船長にだた感謝である。


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