9/16 離島と思えばいいさ 一辺島


2010年夏は、観測史上記録的な猛暑となった。離島のお魚さんたちはこの猛暑の中どう過ごしているだろう。地上では熱中症でなくなるお年寄りが話題となった。もうクーラーなくては生きていけない時代になってきたのか。
 
 離島のお魚さんもおそらく30度近い高水温のために苦しんでいるのではないか。夏バテで苦しんでいるシブダイやアカジョウたちがいるのではないか。そんなお魚さんたちを救いに行かなければと思うのだが、息子の野球の応援のために今年の夏はもう夜釣りに行く可能性は消えた。

 離島の釣りを始めてこれほど離島に行けないのは初めてだ。離島に行くためには2日間体を開けなければならないが、それは今の状況では無理。そんな時は、ゼロの可能性を追い求めるよりも気持ちを切り替えることの方が大切だ。

 なあに、離島は草垣群島や硫黄島だけではないよ。岸から離れればそこは離島だ。釣り人の気持ち次第で近場の磯も半島回りにも離島にもなる。ここは、9月になったことだし、気持ちを切り替えて錦江湾奥の小磯「一辺島」にて離島気分を味わうことにした。


静かな隼人港から出撃

9月16日(木)は自分にとって特別な日だ。運動会の前日の土曜日の代休がとれる日。サラリーマン釣り師にとって夢の平日釣行ができる日だ。早速、8月に本命を見ることのできなかった一辺島に行くことにした。ふくよし丸さんに連絡するとO、Kとのこと。6時隼人港集合で商談成立だ。

 九州自動車道を南へ下り、加治木JCから東九州自動車道に入り、隼人東ICで降りるとすぐに隼人港に到着だ。

 港に着くと、見慣れた自転車が見える。船頭さんのものだ。船頭さんはせっかちな性格なのかはわからないが、時間より前に来られる。前回の釣行の時もかなり前から待っておられたのではないか。回収の時11時半には一辺島に来られていたからねえ。


高速道路の下をくぐって錦江湾へ


一番気になることは、一辺島が空いているかということ。1人で乗れるならば、釣果に恵まれることが多い。だんだん一辺島が近付いてくる。どうだろう。やっぱり誰も乗っていない。この時期に平日の錦江湾の磯に行こうという輩は釣りバカ以外にあり得ない。


よっしゃあ 今日も一辺島を貸し切りだ

すでに明るくなっている隼人港を5時45分ごろに出発。離島なら港から出れば高速回転に変わるが、錦江湾ではそんな必要はない。実にゆっくりした出港だ。


ふくよし丸さん 今回もお世話になります

20分ほどの航海の後、午前6時10分ごろ渡礁。さあ、ここは離島だ。頑張ろう。穏やかな錦江湾の海を見ながら、仕掛けづくりに入った。竿はダイコーの強豪1号ー53.道糸2号にハリスは1.7号。ウキはキザクラクジラBのLで全層で撒き餌と同調させながら深いところを探って行く作戦だ。


マナー遵守をこの看板に誓う

撒き餌は、深ダナへ短時間で沈む日本海と広範囲に拡販し遠投がきくマルキューのG2、そして、集魚力をかってチヌパワーを手で練りこみながら混ぜ込む。そして、ポイントと思える場所へ、撒き餌団子を投入しておく。その後、タックルをゆっくり準備してから午前7時前から第1投となった。


朝一の潮は手前におっつけ気味

ここ一辺島は、辺田小島、弁天島、沖小島に囲まれている場所にあるため、複雑な潮流で上げ潮、下げ潮と予想通りに流れることはあまりない。離島ならばある程度潮が計算できるのだが、ここではそれが通用しない。複雑に潮は刻々と変わっていく。

 ここで釣りやすいのは、船つけから隼人港方面をみて釣るのがベスト。特に、生けす方面に斜め前方に流れるとマダイの釣果が固い。また、船つけから左手前も左から急に水深が深くなっており、ここにえさがたまりやすくなってチヌが高確率で喰ってくる。


ようやく8時前に 43cmの本命ゲット

攻め方はわかっている。9月も朝マズ目が最大のチャンスとまずはチヌのポイントに仕掛けを入れてみた。仕掛けが馴染んで、チヌのタナに届いたと思うやいなや、キザクラクジラBが勢いよく消しこみ、道糸がバチバチと出ていく。

 反射的に竿を立てて、やり取りを始めたが、残念ながらハリ外れ。今までの経験から、軽く40オーバーはあった模様。いきなりのバラシはつらい。やはりそれからアタリが遠のいた。ハリを2号から3号にあげた。


続けて34cmのマダイゲット 時合いの予感

いきなりのバラシから、1時間が経過。そろそろアタリがほしいと思っていたところ、ウキが再び一気に消しこんだ。首を振る動作は間違いなくチヌだ。初めはかなり強い引きだったが、あっさりと浮いてくるところはやはり銀鱗に輝くチヌだった。

よかった。今回は本命の型が見れた。43cmの良型。さあ、ここはチャンスと仕掛けを打ち返すとさっきアタリがあった場所よりやや沖を攻めたところマダイが喰ってきた。これは時合いだと、集中して釣る。今度のアタリは良型のバリ。久しぶり釣ったバリは産卵後で痩せていたが、この時期は結構うまいためキープ。


しばらくして 40オーバーのバリ よいファイトでした

初めは潮がおっつけ気味だったが、それがだんだん沖へと動き始めた。そして、生けす方面へと流れる本命潮が流れたとき、39cmのマダイが喰ってきた。これはますますチャンス
と思いきや、その後潮はアタリ潮がメインとなり、時合いは終了。


39cmのマダイゲット ここで時合い終了


9月の磯は暑いっすね


水族館では人気者だが ここでは嫌われ者

だんだん日が高くなるにつれて、餌取りの動きが活発になってきた。ボイルメインで釣っていたが、餌がもたないためダンゴをメインにしてみるが、これでも餌がもたない。手前のネンブツダイは何ともないが、その下に手ごわいアジゴや小グロがたくさんいるために、どうしてもつけ餌が本命に届かない。


餌取りの猛攻は時間とともに激しくなり


正午に納竿としました

イスズミやソウシハギが恋しくなってきた。だんだん気温が上がって休憩が多くなったところで、タイムアップ。船も12時のサイレンの直後に迎えに来てくれた。今日は何とか釣れたしよしとしよう。離島に行けなくても、ここを離島と思えばいいんだ。離島に行けなくなって初めて離島の値打ちの高さがわかった気がする。そんな気持ちになれるのもこの一辺島があるおかげなんだ。

 離島では迷惑この上ない輩である「いるか」を見てもそんなに迷惑に思わなかった。それよりイスズミ、やソウシハギ、カメなどを求めている自分がいることがおかしかった。また、いつの日か離島に行ける日を夢見て1日1日を大切に過ごして行きたいと思う。


本命が釣れてホッ


バリの刺身 カンパチのような美味しさ


バリとブロッコリーのクリーム煮 まいう〜

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